Web3.0(Web3)とは?仮想通貨・ブロックチェーンとの関係・2026年最新動向を解説

Web3.0(Web3)とは?仮想通貨・ブロックチェーンとの関係・2026年最新動向を解説

2026年3月、自由民主党は「次世代AI・オンチェーン金融構想PT」を設立し、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行からヒアリングを行いました。同月には、資産運用大手ブラックロックのCEOが株主向けレターで「資産のトークン化はインターネット級の変化をもたらす」との見方を示しており、同社が運用するトークン化ファンド「BUIDL」の規模は約20億ドルに達しています。こうした動きの背景にある概念が「Web3.0」です。

Web3.0(Web3)とは、ブロックチェーン(blockchain)技術を基盤とする次世代の分散型インターネットを指します。従来のインターネット(Web2.0)で指摘されてきた、プライバシーや中央集権的なデータ管理の課題に対応する考え方として注目されており、ユーザー自身がデータを保有・管理しやすいウェブのあり方として語られています。

この記事では、Web3.0の基本概念を出発点として、技術的な仕組み、仮想通貨(暗号資産)との関係、DeFi・NFT・DAOなどの主要サービス、2026年時点のユースケース、日本の政策動向など、わかりやすいよう順を追って解説します。

目次

Web3.0(Web3)とは何か:分散型インターネットの基本概念

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Web3.0とは、ブロックチェーン技術によって実現される「分散型インターネット」の総称です。経済産業省はWeb3.0事業環境整備の考え方の中で、これを「ブロックチェーン等の技術による価値の共創・保有・交換システムのレイヤー」と位置づけており、従来のプラットフォーム依存型のウェブとは異なる構造を持つと整理しています。

現在のインターネット(Web2.0)では、GoogleやMeta(旧Facebook)、Amazonといった大手プラットフォーム企業が膨大なユーザーデータを集中的に管理しています。こうした中央集権型の仕組みは利便性を高める一方で、データの独占、プライバシー侵害の懸念、特定企業への依存といった問題も生み出してきました。Web3.0は、こうした課題に対する別の選択肢として関心を集めています。

Web3.0という概念は、イーサリアム(ETH)の共同創設者であるギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏が2014年に提唱したものとされています。ウッド氏は、ブロックチェーンを基盤とする「分散型オンラインシステム」を表す言葉としてこの概念を用い、その後は仮想通貨、NFT、DAO(分散型自律組織)などの広がりとともに一般にも浸透していきました。

ギャビン・ウッドが提唱した「次世代ウェブ」の定義

ウッド氏がWeb3.0で重視したのは、「信頼不要(Trustless)」という考え方です。従来のシステムでは、銀行、プラットフォーム、政府機関など、特定の組織を信頼することで取引や情報管理が成り立っていました。これに対してWeb3.0では、その信頼の役割をコードとブロックチェーンのネットワーク全体に分散させ、特定の機関に依存しない仕組みを目指しています。

具体的には、非中央集権化(Decentralization)、透明性(Transparency)、自己主権性(Self-sovereignty)、自律性(Autonomy)といった性質が、Web3.0を理解するうえで重要な要素とされています。ユーザーは暗号技術を活用して自身の身元や資産を管理しながら価値をやり取りでき、スマートコントラクトを用いた自動処理も実行できます。

ウッド氏はこの考え方の実装に向けて、後にイーサリアム(ETH)の開発に参加し、スマートコントラクト機能を備えたブロックチェーン基盤の整備に関わりました。現在もPolkadotやKusamaの開発を通じて、Web3.0インフラの拡充に取り組んでいます。

Web1.0・Web2.0との違い:管理権限はどこにあるか

インターネットの変遷は、情報の「管理権限」がどこにあるかという観点から、大きく3つの段階に整理できます。

Web1.0(1990年代〜2000年代初頭)は、「読み取り専用」の時代とされています。ウェブサイトの運営者が情報を掲載し、ユーザーはそれを閲覧するのが中心でした。情報の流れは基本的に一方向で、ユーザーが自ら発信したり管理したりする手段は限られていました。主流だったのは、HTMLで記述された静的なページをウェブサーバーに配置する方式です。

Web2.0(2000年代中盤〜現在)は、「読み書きができる」時代です。YouTube、X(旧Twitter)、Instagram、Facebook(Meta)などの登場によって、誰でも情報を発信し、共有できるようになりました。ユーザー参加型のコミュニティが広がり、検索エンジンの高度化や動的コンテンツの普及によって、インターネットは双方向のメディアへと変化しました。その一方で、大手プラットフォーム企業が膨大なユーザーデータを一元管理する構造も定着しました。検索履歴、行動ログ、人間関係といった情報が企業のサーバーに集中し、主に広告ビジネスのために活用される形が広がっています。

Web3.0(2020年代〜)は、「読み書き」に加えて「所有」が重視される時代として位置づけられます。Web2.0で課題となったデータの中央集権的な管理に対する見直しから登場したもので、ブロックチェーン技術によって情報やデジタル資産の所有権をユーザー自身が持てるようにする考え方です。特定企業のサーバーではなく、世界中のノード(コンピューター)に分散してデータを管理するため、単一の組織がデータを独占したり改ざんしたりしにくい構造になっています。

Web3.0を支える3つのコア技術

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Web3.0は単一の技術で成り立っているわけではなく、複数の要素技術が組み合わさって成立しています。中でも中核となるのが、ブロックチェーン、スマートコントラクト、分散型ID(DID)の3つです。これらが組み合わさることで、Web3.0の特徴である分散化、自律化、ユーザー主権が支えられています。

ブロックチェーン:改ざんできない分散型台帳

ブロックチェーンとは、取引履歴を一定単位の「ブロック」にまとめ、時系列で連鎖させて記録する分散型データベースです。取引記録が鎖のようにつながっていく構造から、この名称が使われています。

最大の特徴は、データが世界中のノード(コンピューター)に分散して保存される点にあります。従来のデータベースでは、企業や機関が管理するサーバーにデータが集中し、管理者が内容を変更することも技術的には可能でした。これに対してブロックチェーンでは、過去の記録を書き換えるには、その後に続くブロックまで含めて再計算し、ネットワーク上の多数の合意も得なければなりません。そのため、改ざんが極めて難しい仕組みになっています。

この構造により、銀行、公証人、取引所といった第三者機関を介さなくても、当事者同士で安全に価値を移転したり、情報を共有したりしやすくなります。ビットコイン(BTC)は、このブロックチェーン技術を活用した最初の代表的な実用例であり、ビットコインのネットワークは現在も世界中のマイナーによって維持されています。

ブロックチェーンには大きく分けて、誰でも参加できる「パブリック型」と、参加者を限定する「プライベート型(コンソーシアム型)」があります。Web3.0では、一般に透明性や分散性を重視しやすいパブリック型のブロックチェーンが広く利用されています。

スマートコントラクト:自動執行される契約プログラム

スマートコントラクトとは、「一定の条件を満たしたときに、取引や契約の内容を自動的に実行するプログラム」を指します。ブロックチェーン上に記録されたコードが条件を判定し、人手を介さずに処理を進めます。

たとえば、「AがBに100万円を支払う」という条件をスマートコントラクトに組み込んでおけば、その条件が満たされた時点で自動的に送金を実行できます。契約書の作成や仲介業者による確認、承認作業などが不要になるため、時間やコストの削減につながります。また、コードはブロックチェーン上で公開されるため、内容を後から一方的に変更しにくい点も特徴です。

スマートコントラクトを本格的に実装した代表例がイーサリアムです。イーサリアム上のスマートコントラクトは、DeFi(分散型金融)、NFT、DAO、GameFiなど、Web3.0を構成する多くのサービスの基盤として使われています。現在では、ソラナ(SOL)カルダノ(ADA)アバランチ(AVAX)などの主要ブロックチェーンでも、独自のスマートコントラクト機能が提供されています。

その一方で、スマートコントラクトには「コードの不備がそのまま被害につながる」というリスクもあります。2016年に発生した「The DAO事件」では、スマートコントラクトの脆弱性が悪用され、約60億円相当のイーサリアムが流出しました。この分野では、利便性だけでなくセキュリティ監査や設計の厳格さも欠かせません。

分散型ID(DID):ユーザーが自分のデータを管理する仕組み

分散型ID(DID:Decentralized Identifier)とは、中央の管理機関に依存せず、ユーザー自身が自分の身元情報を管理できる仕組みです。従来のオンライン認証では、GoogleやFacebookのアカウントを使ったソーシャルログインや、企業独自のIDシステムが広く利用されてきました。

DIDでは、ユーザーが暗号技術を用いて自分のデジタルIDを保持し、必要な情報だけを相手に提示できます。氏名、住所、年齢といった個人情報のうち、必要な範囲だけを選んで開示できるため、プライバシー保護と利便性の両立が期待されています。EUでは2026年までに各国民へのデジタルIDウォレット提供が義務化されており、日本でもマイナンバー制度を軸に活用の可能性が検討されています。

Web3.0ウォレットには、このDIDに近い役割を果たす側面もあります。MetaMaskなどのウォレットアドレスは、ブロックチェーン上でユーザーを識別するIDとして機能し、特定の企業に登録しなくても世界中のWeb3.0サービスへ接続できる手段となっています。

仮想通貨・ブロックチェーンとWeb3.0の関係

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Web3.0と仮想通貨(暗号資産)、そしてブロックチェーンは密接に結びついています。仮想通貨はWeb3.0の経済圏を動かす仕組みとして機能し、ブロックチェーンはその取引を記録・検証するインフラとして機能します。この2つが組み合わさることで、Web3.0の基盤が成り立っています。

仮想通貨がWeb3.0経済圏のインフラを担う理由

Web3.0が目指す分散型インターネットでは、中央管理者がいないぶん、サービスの維持や運営に参加する人々へ報酬を与える仕組みが必要になります。この役割を担うのが、仮想通貨(トークン)です。

たとえば、ブロックチェーンのネットワークを支えるマイナーやバリデーター(検証者)は、その貢献の対価としてビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を受け取ります。DeFi(分散型金融)では、流動性を提供したユーザーが報酬や利息を仮想通貨で受け取り、NFTの売買でも仮想通貨が決済手段として使われます。

仮想通貨は単なる投資対象ではなく、Web3.0の分散型エコシステムを機能させるための経済的なインセンティブでもあります。ブロックチェーン上でビットコインやイーサリアムなどを用いることで、銀行や政府などの仲介機関を経由せずに、ユーザー同士で直接送金や決済を行えます。24時間365日、地理的な制約を受けにくい形で価値を移転できる点も特徴です。

また、仮想通貨の中には、プロジェクトのガバナンス(意思決定)に参加する権利を持つものもあります。こうした「ガバナンストークン」を保有することで、プロトコルの仕様変更や資金配分に関する投票へ参加できます。特定企業の経営陣だけでなく、コミュニティ全体が意思決定に関与できる仕組みは、Web3.0の分散化という考え方をよく表しています。

DeFi・NFT・DAOがWeb3.0を構成するサービス群

Web3.0のエコシステムを構成する主要なサービスとして、DeFi、NFT、DAOの3つが挙げられます。いずれもブロックチェーンとスマートコントラクトを基盤としており、従来のインターネットでは実現しにくかった仕組みを提供しています。

DeFi(分散型金融)は、銀行や証券会社などの中央集権的な金融機関を介さずに金融サービスを提供する仕組みです分散型金融(DeFi)では、貸付、借入、両替、利息獲得といった機能がスマートコントラクトによって自動化されています。ユニスワップ(Uniswap)やメイカー(Maker)などが代表的なプロトコルとして知られており、2026年時点でも多くの資金が流入しています。

NFT(非代替性トークン)は、デジタルデータに「唯一性」と「所有権」を付与する技術です。NFTにより、デジタルアート、ゲームアイテム、音楽、スポーツのコレクタブルなど、複製が容易だったコンテンツにも希少性と資産性が与えられるようになりました。2021年から2022年にかけてブームが生じましたが、現在は実用性を持つユーティリティ型NFTへの移行が進んでいます。

DAO(分散型自律組織)は、特定のリーダーや階層的な組織構造に依存せず、スマートコントラクトとガバナンストークンによって運営される組織形態です分散型自律組織(DAO)では、メンバーがトークン保有量に応じた投票権を持ち、プロジェクトの方向性や資金配分に関与します。慈善活動、投資、プロトコル運営など、用途は多岐にわたっています。

Web3.0の主要ユースケース:2026年の実装事例

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これまで「概念」や「将来技術」として語られることも多かったWeb3.0ですが、2026年現在は具体的な実装例が増えています。機関投資家の参入、日本円ステーブルコインの普及、AIエージェントとの連携など、既存のインターネット経済と交わりながら利用領域を広げています。

RWAトークン化:ブラックロックBUIDLと機関投資家の参入

RWA(現実)トークン化とは、不動産、債券、株式、美術品など、現実世界にある資産をブロックチェーン上でデジタル化する取り組みです。RWAトークン化によって、これまで主に大口投資家に限られていた高額資産にも少額からアクセスしやすくなり、24時間取引や即時決済といった利便性も期待されています。

2026年3月23日、資産運用大手ブラックロックのラリー・フィンクCEOは株主向けレターで「あらゆる資産をトークン化できれば、すべての投資家の利益となる」と述べ、資産のトークン化が1996年当時のインターネットと同様の変化をもたらすとの見方を示しました。同社が運用するトークン化マネーマーケットファンド「BUIDL」はイーサリアム上で2024年に立ち上げられ、2026年3月時点で約20億ドル規模に達しています。トークン化ファンド市場において、存在感を強めている銘柄の一つです。

日本国内でも関連する動きが広がっています。デジタル証券(セキュリティトークン)を活用した社債発行や不動産の小口化が進み、伝統的金融とWeb3.0の接点は着実に増えています。

さらに、FRB(米連邦準備制度理事会)は2026年3月19日、銀行の仮想通貨カストディに適用されてきた厳格な資本要件の見直し案を公表しました。こうした制度面の変化もあり、大手金融機関がデジタル資産業務へ参入しやすい環境が整いつつあります。ETF(上場投資信託)の普及とRWAトークン化の進展が並行することで、機関投資家の参入は今後も続くとみられます。

ステーブルコイン:JPYCが日本初の円建て発行を実現

Stable Coin(ステーブルコイン)は、法定通貨や実物資産を裏付けとして価格の安定性を持たせた仮想通貨(国内では決済手段扱い)です。ビットコインのように価格変動が大きい資産とは異なり、Web3.0経済圏における決済手段や価値保存手段として利用されています。

2025年10月、JPYCは資金移動業者として登録を受け、国内資金移動業者として初めて日本円ステーブルコイン「JPYC」を正式に発行・流通させました。1JPYC=1円の価値を維持する設計で、ブロックチェーン上での高速かつ低コストな送金を可能にしています。

みずほ銀行や三菱UFJ銀行などの大手金融機関も、トークン化預金「DCJPY」の開発を進めており、ステーブルコインを使った企業間・個人間決済の実用化が進んでいます。

米国では、ステーブルコインを規制対象とする「CLARITY法案」の審議が進んでおり、2026年3月時点では利回り制限に関する原則合意が形成されるなど、制度整備が具体的な段階に入っています。ステーブルコインは、Web3.0の経済活動を支える基盤の一つとして、今後も重要性を高めていく見通しです。

AIエージェント×Web3:自律的なオンチェーン取引の台頭

2026年の仮想通貨市場において注目されているテーマの一つが、AI(人工知能)とWeb3.0の融合です。AIエージェントとは、一定の目標に向けて自律的に計画を立て、情報を集め、行動を実行するAIシステムを指します。これがブロックチェーン上のウォレットと連携することで、自律的なオンチェーン取引という新たな実装例が現れ始めています。

AIエージェントは、DeFiプロトコルへアクセスして利回りを自動で追求したり、NFTの売買判断を行ったり、DAOの投票に参加したりすることが技術的には可能です。2026年2月には、自律型AIエージェント「Lobstar Wolfe」が25万ドル相当のミームコインを誤送金する事例も報告されており、AIエージェントがウォレットを扱う際の安全設計が改めて課題として浮上しました。

ブロックチェーンは、AIエージェントの行動履歴を透明に記録する監査台帳としても機能します。AIが行った取引や判断の履歴をオンチェーンに残すことで、後から検証しやすくなり、責任の所在も整理しやすくなります。Web3.0とAIの組み合わせは、自律型経済エージェントが活動するデジタル経済圏の土台として整備が進んでいます。また、レイヤー2(L2)技術の発展により、AIエージェントが実行する少額多頻度取引のコスト負担も下がりつつあります。

ブロックチェーンゲーム・メタバース:Play-to-Earnの現在地

ブロックチェーンゲームは、Web3.0の実用例として比較的早い段階から広がった分野の一つです。ゲーム内のキャラクター、アイテム、土地などがNFTとして発行され、プレイヤーがそれらを自ら保有できる点が特徴です。

「Play-to-Earn(P2E)」モデルとは、ゲームをプレイすることで仮想通貨や換金可能なトークンを獲得できる仕組みを指します。アクシーインフィニティ(Axie Infinity)は2021年に大きな人気を集め、東南アジアなどではゲームが実質的な収入源として扱われた事例も報告されました。

メタバースとの連携も進んでいます。メタバースとは、ユーザーがアバターを通じてアクセスする3次元の仮想空間であり、「ザ・サンドボックス(The Sandbox)」や「ディセントラランド(Decentraland)」などのプロジェクトでは、仮想土地(バーチャルランド)のNFT販売が行われています。企業が仮想空間に店舗を設けたり、ライブイベントやビジネス会議を開催したりする例も出てきており、現実空間とデジタル空間の接点は広がっています。

2026年現在、この分野はアクシーインフィニティブームの熱が落ち着いた後、より持続性を重視した「Play-and-Earn」型への移行が進んでいます。ゲームとしての魅力と経済的インセンティブのバランスを重視する動きが強まっており、日本発のプロジェクトも国際的な注目を集めています。

日本のWeb3政策と規制の最新動向

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日本はWeb3.0関連の政策整備において、比較的早い段階から取り組みを進めてきた国の一つです。

経済産業省、金融庁、内閣官房デジタル田園都市国家構想推進会議など、複数の機関が連携しながら、ブロックチェーン、仮想通貨、ステーブルコイン、NFTに関する制度整備を進めています。2026年に入ってからも政策面の動きは続いており、日本のWeb3.0戦略は新たな局面を迎えています。

自民党「次世代AI・オンチェーン金融構想PT」の設立(2026年3月)

2026年3月24日、自由民主党デジタル社会推進本部に「次世代AI・オンチェーン金融構想PT」が設立され、初回会合が開かれました。このプロジェクトチームは、株式や預金などの資産をブロックチェーン上でデジタル化し、AI(人工知能)が自律的に取引や決済を担う「オンチェーン金融」の社会実装に向けた政策提言をまとめることを目的としています。

初回会合では、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行の3メガバンクからヒアリングが行われ、ステーブルコインやトークン化預金に関する実務上の課題と展望が議論されました。PTは今後も会合を重ねて提言を取りまとめ、政府の「骨太の方針」に反映させることを目指すとされています。骨太の方針に盛り込まれれば、ステーブルコインやトークン化預金に関する制度整備が、政府全体の政策課題として位置づけられることになります。

経済産業省は2022年に大臣官房Web3.0政策推進室を設置し、「Web3.0事業環境整備の考え方」を公表するなど、早い段階からWeb3.0の産業育成に取り組んできました。その方針は、経済産業省Web3.0関連施策ページで確認できます。

申告分離課税20%移行と金商法改正の方向性

税制改正の面では、2025年12月に決定した2026年度税制改正大綱において、暗号資産取引への申告分離課税の導入と3年間の繰越控除制度の創設が明記されました。税率は株式と同様の一律20%となる方向で、現行の最高55%から大きく引き下げられる見込みです。ただし、適用開始は金融商品取引法の改正法施行の翌年1月1日とされており、現時点では2028年1月からの施行が想定されています。

仮想通貨の税金・確定申告をめぐっては、金融庁が暗号資産を金融商品取引法の規制対象とする方向で議論を進めています。これにより、暗号資産に関する情報開示義務、インサイダー取引規制、市場開設規制などの整備が進む見通しです。金商法改正案は2026年通常国会への提出が予定されており、審議の状況が施行時期に影響するとみられます。

また、ステーキングや貸暗号資産(レンディング)についても、法的位置づけの整理が進められています。レンディングを金融商品取引法の規制対象とする議論も続いており、利用者保護の枠組みは段階的に拡充される見通しです。

金融庁の暗号資産担当「課」への昇格と監督強化

金融庁は、暗号資産を担当する部署を2026年7月に「課」へ昇格させる方針を固めています。仮想通貨市場の拡大や機関投資家の参入を踏まえ、監督体制を強化する狙いがあるとみられます。監督・検査の体制が整うことで、無登録業者の排除や利用者保護制度の拡充が進むことが期待されています。

同庁は2026年3月16日、無登録の暗号資産販売業者に対する罰則を大幅に引き上げる方針も明らかにしました。現行の「拘禁刑3年以下または罰金300万円以下」から、「拘禁刑10年以下または罰金1,000万円以下」へ引き上げられる見込みで、拘禁刑・罰金ともに上限は現行比で大きく増える方向です。

日本における暗号資産市場の健全化に向けた規制強化は、今後も続くとみられます。金融庁の暗号資産関連施策の最新情報は、同庁の公式サイトで随時確認できます。

Web3.0のメリットと課題・リスク

Web3.0には多くの可能性がある一方で、技術面・制度面の課題も残っています。利点だけでなく、現時点での制約やリスクも把握したうえで捉えることが重要です。

メリット:データ主権の回復・中間業者コストの削減

Web3.0の大きな利点の一つは、「データ主権(データ・ソブリンティ)」の回復です。現在のWeb2.0では、検索履歴、購買行動、人間関係、位置情報などの個人データが大手プラットフォーム企業のサーバーに蓄積され、主に広告ビジネスに活用されています。Web3.0では、ユーザーが自分のデータを暗号化した状態で保持し、必要なときに必要な範囲だけ開示するという考え方が重視されます。

2つ目は、中間業者コストの削減です。国際送金では従来、銀行間ネットワークを通じて数日を要し、手数料も比較的高額になることがありました。仮想通貨による直接送金であれば、中間業者を介さずに、数秒から数分で低コスト送金が可能になる場合があります。DeFiでは、銀行、保険会社、証券会社などが担ってきた金融機能の一部をスマートコントラクトで代替することで、手数料の圧縮や24時間利用が実現されています。

3つ目は、検閲耐性とサービス継続性です。従来のオンラインサービスは、運営企業の判断、政府の規制、サーバー障害などによって突然利用できなくなることがあります。分散型ブロックチェーン上に構築されたサービスでは、特定の事業者が停止しても、ネットワーク全体が維持されていればサービスが継続する余地があります。加えて、コードがオープンソースで公開されているケースでは、第三者が検証しやすい点も特徴です。

4つ目は、グローバルな金融包摂です。銀行口座を持てない「アンバンクト層」は世界に約14億人いるとされます。スマートフォンとインターネット接続があればウォレットを作成し、DeFiへアクセスできるWeb3.0は、既存の金融インフラが十分に整っていない地域にも金融サービスを届ける可能性を持っています。

課題:スケーラビリティ・UX・詐欺リスクへの対処

Web3.0が抱える代表的な技術課題の一つが、スケーラビリティ(拡張性)です。スケーラビリティとは、利用者や取引量が増えた際にも処理能力を維持できるかを示す指標です。イーサリアムをはじめとする初期のブロックチェーンでは、利用者が急増すると処理速度が低下し、手数料(ガス代)が高騰する問題がありました。

この課題に対応するため、イーサリアムは2022年の「マージ」によってPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へ移行し、消費電力を約99%削減しつつ、処理効率の改善を進めました。さらに、アービトラムやオプティミズムなどのレイヤー2ソリューションがメインチェーンの処理を分担することで、低コストかつ高速な取引が実現しやすくなっています。

UX(ユーザーエクスペリエンス)の複雑さも、普及を妨げる大きな要因です。Web3.0サービスを利用するには、ウォレットの設定、秘密鍵の管理、ガス代の理解など、一般ユーザーには難しい作業が求められる場面があります。ウォレットのシードフレーズ(12〜24語の復元用フレーズ)を紛失すると、資産を取り戻せなくなるリスクもあります。この点については、アカウントアブストラクション(AA)やソーシャルリカバリー機能の実装が進められています。

詐欺やハッキングのリスクも依然として深刻です。ブロックチェーン分析企業Chainalysisが2026年3月に公表したレポートによると、2025年の仮想通貨犯罪による不正取引総額は少なくとも1,540億ドル(約24.5兆円)に達し、前年比162%増という高水準となりました。フィッシング詐欺、偽プロジェクトへの投資勧誘、ラグプル(開発者の突然の撤退)など、手口は年々巧妙になっています。規制整備と利用者側のリテラシー向上の両面から対策を進める必要があります。

また、法的・規制的な不確実性も無視できません。各国で規制アプローチが異なるため、グローバルに展開するプロジェクトでは複数の法域に同時対応しなければならないケースがあります。米国ではSECとCFTCが2026年3月17日に「大半の仮想通貨資産は有価証券に該当しない」とする共同ガイダンスを発表するなど、規制の明確化は徐々に進みつつあります。

Web3.0に関連する仮想通貨の買い方

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Web3.0への関心が高まるなか、関連する仮想通貨への投資を検討する人も増えています。ここでは、日本国内でWeb3.0関連銘柄を購入する方法と、取引所を選ぶ際の基本的な考え方を整理します。

国内取引所で購入できるWeb3.0関連銘柄

Web3.0の文脈で注目される仮想通貨には、スマートコントラクト基盤として広く使われるイーサリアム(ETH)、高速処理を特徴とするソラナ(SOL)、相互運用性に強みを持つポルカドット(DOT)などがあります。これらは日本国内の主要取引所でも取り扱われています。

イーサリアム(ETH)は、Web3.0の基盤として最も広く採用されているブロックチェーンの一つです。DeFi、NFT、DAO、スマートコントラクト関連の多くのサービスがイーサリアムのエコシステム上で構築されています。2022年のPoS移行と2024年のDencunアップグレードを経て、ネットワーク効率は大きく改善しました。2026年現在も開発が活発で、機関投資家からの関心も高い銘柄です。

チェーンリンク(LINK)は、ブロックチェーン外の現実データをスマートコントラクトへ取り込む「オラクル」として機能するプロジェクトです。チェーンリンクは、RWAトークン化の普及とともに需要が高まりやすい領域に位置しており、DeFiやRWA関連での活用が広がっています。

また、ステーブルコインの保有も、Web3.0エコシステムに参加するうえで重要な選択肢です。ステーブルコインをDeFiサービスに預け入れることで、銀行預金を上回る利率で運用できる場合もありますが、その一方でプロトコルリスクや流動性リスクもあるため、仕組みの理解が欠かせません。

なお、Web3.0関連銘柄への投資には、価格変動リスク、プロジェクト固有のリスク、規制リスクなどが伴います。投資判断は自己責任で行い、余裕資金の範囲内で進めることが基本です。

仮想通貨取引所の選び方と口座開設の流れ

仮想通貨を購入するには、まず国内の仮想通貨取引所で口座を開設する必要があります。日本国内では、金融庁に暗号資産交換業者として登録された取引所のみが合法的に営業できます。安全に取引を始めるためにも、登録済みの業者を選ぶことが重要です。

取引所を選ぶ際の主なポイントとしては、取扱銘柄数、手数料水準、セキュリティ対策、操作性、ステーキングやレンディングなどの付帯サービスが挙げられます。Web3.0関連銘柄であるETH、SOL、LINKなどを購入したい場合は、対象銘柄を扱っているかを事前に確認しておく必要があります。

口座開設の基本的な流れは次の通りです。まずウェブサイトまたはアプリから申し込みを行い、メールアドレスとパスワードを設定します。その後、本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)を提出し、KYC(本人確認)手続きを完了させます。審査が終われば日本円の入金が可能となり、仮想通貨を購入できるようになります。取引所によっては、当日中に口座開設から購入まで進められる場合もあります。

仮想通貨の購入が初めてであれば、仮想通貨の始め方の記事も参考にしてください。口座開設から実際の購入手順まで、段階を追って解説しています。

また、購入した仮想通貨を長期保有する場合は、取引所口座のままではなく、自分専用のウォレットで管理する方法も検討したいところです。仮想通貨ウォレットには、ソフトウェア型(MetaMaskなど)とハードウェア型(LedgerTrezorなど)があり、セキュリティ水準も異なります。長期かつ大きな金額を保有する場合は、インターネットから切り離して管理できるハードウェアウォレットが有力な選択肢になります。

仮想通貨の売買で利益が出た場合、日本では原則として確定申告が必要です。仮想通貨の税金・確定申告は、計算方法や申告時期、控除制度など確認すべき項目が多く、仕組みも複雑です。投資を始める前に税務上の扱いを把握しておくことが大切です。

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よくある質問(FAQ)

Web3.0とWeb3は同じ意味ですか?

基本的には同じ概念を指す言葉として使われています。「Web3」は「Web3.0」の略称であり、ブロックチェーン技術を基盤とした分散型インターネットを意味する点では共通しています。

ただし、厳密には「Web3.0」が世代論や技術的な文脈で使われることが多いのに対し、「Web3」は分散型経済圏や関連サービス全体を含む、より広い文脈で使われる傾向があります。本記事では両者を同義として扱っています。

Web3.0に投資するにはどうすればいいですか?

Web3.0への投資方法は、大きく3つに分けられます。1つ目は、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、チェーンリンク(LINK)など、Web3.0のインフラを担う仮想通貨を国内取引所で購入する方法です。2つ目は、DeFiプロトコルに仮想通貨を預け、ステーキングやレンディングで利回りを得る方法です。3つ目は、NFTや特定プロジェクトのガバナンストークンへ投資する方法です。

いずれも価格変動をはじめ複数のリスクを伴うため、余裕資金の範囲内で分散投資を意識することが基本となります。日本では損失の繰越控除や申告分離課税20%への移行も予定されており、税制面の環境整備も進みつつあります。

Web3.0はなぜ「分散型」と呼ばれるのですか?

Web3.0が「分散型」と呼ばれるのは、データや処理が単一のサーバーや組織に集中せず、世界中に分散したノード(コンピューター)のネットワーク全体で管理・処理されるためです。従来のインターネット(Web2.0)では、GoogleやAmazonなどの大手企業が、自社データセンターでユーザーデータを集中管理する構造が一般的です。

これに対しWeb3.0では、ブロックチェーン上のデータが多数のノードに同時に記録されるため、特定の機関が単独で管理・改ざんすることが難しくなります。その結果、単一障害点を持ちにくく、検閲にも強いシステムが実現しやすくなります。

仮想通貨を持っていなくてもWeb3.0サービスを利用できますか?

利用するサービスの内容によって異なります。情報の閲覧やコンテンツの消費といった受動的な利用であれば、仮想通貨を保有していなくてもアクセスできるWeb3.0サービスはあります。

ただし、DeFiへの資産預入、NFTの購入、DAOへの参加、スマートコントラクトの実行など、能動的に利用する場面では仮想通貨やガス代用トークンが必要になることが一般的です。なお、ウォレットの作成自体は仮想通貨の購入とは別に行える場合があります。

Web3.0は普及していますか?

2026年現在、Web3.0は概念整理の段階を越え、実装が広がりつつある段階に入っています。ブラックロックのBUIDL、JPYCによる日本初の円建てステーブルコイン、自民党によるオンチェーン金融PTの設立など、機関投資家、大手金融機関、政府が本格的に関与し始めています。

ただし、一般ユーザーにとっての使いやすさや規制の不確実性、詐欺リスクなど、乗り越えるべき課題も残っています。大衆普及という意味では、まだ発展途上の側面もあります。

Web3.0とメタバースは同じですか?

Web3.0とメタバースは同じ概念ではありませんが、密接に関係しています。メタバースは、ユーザーがアバターを通じてアクセスする3次元の仮想空間であり、交流、経済活動、エンターテインメントなどが行われます。Web3.0は、そのメタバースを分散型で運営するための技術基盤を提供します。

具体的には、メタバース内の土地、アイテム、通貨をNFTや仮想通貨として管理することで、ユーザーが所有権を持てるようになります。一方で、すべてのメタバースがWeb3.0ベースというわけではなく、Metaの「Horizon Worlds」のように中央集権型で運営されるサービスも存在します。

まとめ

Web3.0(Web3)とは、ブロックチェーン技術を基盤とした次世代の分散型インターネットです。2014年にイーサリアムの共同創設者ギャビン・ウッド氏が提唱したこの概念は、Web1.0の「読み取り専用」、Web2.0の「読み書き可能」に続く、「読み書き・所有」のインターネットとして位置づけられています。

Web3.0の中心にあるのは、データ主権の回復と分散化です。ブロックチェーン、スマートコントラクト、分散型ID(DID)という3つのコア技術が、中央管理者に依存しにくいインターネット経済圏を支えています。DeFi、NFT、DAOといったサービスはすでに広く利用されており、ブロックチェーンゲームやRWAトークン化など、実用的な事例も増えています。

2026年現在、Web3.0は構想だけを語る段階ではなく、具体的な実装が進む段階に入っています。ブラックロックのトークン化ファンドBUIDL、JPYCによる日本初の円建てステーブルコイン、自民党のオンチェーン金融構想PTの設立など、機関投資家、大手金融機関、各国政府の関与も強まっています。日本でも、申告分離課税20%への移行を含め、投資環境の整備が進められています。

その一方で、スケーラビリティ、UXの複雑さ、詐欺リスク、規制の不確実性といった課題は残っています。Web3.0のサービスを利用したり投資を検討したりする際には、こうしたリスクも十分に理解しておく必要があります。インターネットの次の基盤として注目される分野であるだけに、今後の動向を継続的に追う価値は大きいといえます。

サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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