オーストラリア政府は、新しい法律で「1万豪ドル(約75万円)を超える現金での支払い」を法律で禁止することを計画していますが、仮想通貨を含めた複数の”デジタル通貨”はこの法案が適用される通貨のリストから除外されています。この草案ではこれらの通貨を除外する理由として「イノベーションを妨げないようにするため」や「現時点でそれらの通貨が闇経済で使用されている証拠がないため」といったことが挙げられています。
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成長段階にある「デジタル通貨の現状」を考慮
オーストラリアの財務省が先週発表した草案には「1万豪ドル(約75万円)を超える現金での支払いを法律で禁止する」ということが記されていますが、クレジットカードやデビットカード、仮想通貨などといった一部の”デジタル通貨”は制限されるリストから除外されています。
これらのデジタル通貨が除外されている理由としては「現在同国で発展途上の段階にあるデジタル通貨の成長を阻害しないようにするため」だと説明されています。
“デジタル通貨”はオーストラリア経済における新しい発展途上の分野です。それらの通貨は”物理的な通貨”とは違い、しっかりと確立された規制枠組みや業界構造を持っていません。
このような状況の中で、オーストラリアでのデジタル通貨の使用を妨げたり、業界のイノベーションを阻害したりしないように現金支払い限度額を設定することは困難です。
オーストラリアはキャッシュレス化が進んでいる国の一つであり、仮想通貨決済や仮想通貨ATMの導入が進んでいるほか、ブロックチェーンや仮想通貨に関する授業を実施するなど、これらの技術を取り入れていく姿勢を見せていることで知られています。
闇経済での使用など「違法行為」は継続的に監視
またその他の理由としては「現時点でデジタル通貨が闇経済で使用されているという証拠はほとんどない」ということも挙げられています。今回の草案は「デジタル社会への移行を促進し、脱税などの違法行為を取り締まるためのもの」であるため、取引履歴などの情報がしっかりと記録されるデジタル通貨は脱税対策としても有効だと考えられます。
実際にこの草案では、デジタル通貨を現金支払い限度額から除外するだけでなく、それらの通貨を継続的にしっかりと監視していくということも強調されています。
「デジタル通貨がオーストラリアの闇経済で使用されている」という証拠は今のところほとんどありません。政府は、これを考慮した上で「現時点では現金支払い限度額からデジタル通貨を除外する」ということを決定しました。
「デジタル通貨での支払いを除外する」という決定が適切であることを証明するために、これらの通貨は継続的に監視下に置かれることになるでしょう。
オーストラリアでは仮想通貨を健全に普及させていくための取り組みが進められており、同国の証券監視機関である「オーストラリア証券投資委員会(ASIC)」は、今年5月にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)と仮想通貨の分類の合法性を明確にするためのガイドラインを発表しています。
観光地としても有名なオーストラリアは世界中から旅行者が訪れる国でもあるため、世界中で使用できる仮想通貨を今後も積極的に受け入れていくのではないかと期待されます。
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