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BINANCE CEOが「米国ユーザー除外」を決断した理由とは|仮想通貨規制では日本を賞賛


世界最大級の仮想通貨取引所「BINANCE(バイナンス)」が今年6月に行った”米国向けサービスを停止する”という発表は業界でも大きな話題となり、”仮想通貨の流動性が低下する”と懸念する声も出ていました。しかし、同社のCEOであるChangpeng Zhao(ジャオ・チャンポン)氏は、そのような影響を楽観的に考えており「長期的には良い結果に繋がる」と語っています。また、各国の規制を重要視している同氏は”日本の仮想通貨規制”を賞賛する意見も語っています。

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BINANCE CEO「流動性の低下」には楽観的

BINANCE(バイナンス)が「米国向けのサービスを停止する」と発表した際には、仮想通貨業界で大きな話題となりました。この決定は米国の規制に基づいてサービスを提供するためのものであり、米国向けの新しい仮想通貨取引所「Binance US」を設立することも発表されていますが、取引できる仮想通貨の種類は少なくなると予想されるため、”米国向けサービスの停止”は仮想通貨の流動性低下に繋がると予想されていました。

しかし、バイナンスのCEOであるChangpeng Zhao(ジャオ・チャンポン)氏は、この決定は短期的には流動性の低下を招く可能性があるものの、長期的には良い結果をもたらすと考えています。同氏は仮想通貨メディア「Crypto Briefing」に対して次のように語っています。

米国ユーザー向けサービスの停止は、短期的には流動性に少しの影響を与えることになるでしょう。しかし、長期的にはそれが改善される可能性があります。

サービス拡大のための「短期的な犠牲」

米国の現在の規制状況を考えると、完全に規制に準拠した仮想通貨取引所を展開することは困難です。現在の米国では暗号資産の大部分が”未登録の有価証券”とみなされており、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領も『暗号資産はドラッグの取引やその他の違法行為を促進する可能性がある』と語っています。

アメリカの法律は、場所に関わらず、アメリカ市民を含むあらゆる取引に適用されるため、曖昧な規制状況が今後も続くことになれば、仮想通貨取引所が長期的に安定してサービスを提供し続けることは”非常に難しい”というのが現状です。実際に米商品先物取引委員会(CFTC)は現在、セーシェル共和国で登録を行なっている大手仮想通貨取引所「BitMEX(ビットメックス)」の調査を行なっています。

しかし、チャンポン氏は『米国向けのサービスを停止することによって、米国の規制当局を心配せずにもっと多くのことができるようになる』と述べており、”短期的な利益”を犠牲にするだけの価値があるとの考えを語っています。

バイナンスはここ最近で「証拠金取引サービス」や「大口取引サービス」なども開始しており、提供するサービスの範囲を拡大し続けています。このようなサービスを今後も拡大していくのであれば、「規制が厳しい国」や「規制状況が曖昧な国」向けのサービスは停止して、その国に特化した仮想通貨取引所を立ち上げるのが懸命であると言えるでしょう。

「仮想通貨規制の明確さ」で日本を賞賛

ジャオ・チャンポン氏は「日本の仮想通貨規制の明確さ」を賞賛しており「日本の規制は特に”仮想通貨取引”に関しては厳しすぎるものの、デリバティブに課せられている制限は別として”非常に合理的”である」と語っています。

バイナンスは元々日本にもオフィスを借りていましたが、そのオフィスは全く使用されなかったと伝えられています。同社は仮想通貨取引所に対する規制が厳しいことなどを考慮した上で、最終的にはマルタ共和国に拠点を構えており、一部の国には別の取引所を設置することによってサービスを提供しています。

昨年、金融庁がBINANCEに対して「警告」を発したことによって、”バイナンスの利用は禁止されている・バイナンスは悪い取引所だ”といった誤解も一部では生まれていますが、バイナンスは日本の規制を踏まえて本人確認や報告を行いながらサービスを提供していると報告されています(※日本では今のところBINANCEの利用は自己責任とされている)。

警告を受けているにも関わらずチャンポン氏が日本の規制を賞賛しているのは、日本の規制がはっきりと厳しく定められていることによって、新しい仮想通貨を常に追加し続けている「Binance.com」が”日本を拠点としない”ということを決断できるためだと考えられます。

これらのことを踏まえて考えると、チャンポン氏は同社のメインである「Binance.com」ではユーザーが求める様々なアルトコインを常に追加しつつ、新しいレバレッジなどのサービスも提供しながら、規制の厳しい国にはその国の規制に準拠した取引所を設立することによって、規制当局とユーザー両方の要望に応えながら長期的に仮想通貨業界を発展させていくことを計画しているのだと考えられます。

「私たちはみんな”1つの地球”に生きている」ということを度々強調しているジャオ・チャンポン氏やバイナンスの事業には、今後も期待が高まります。

2019年8月5日|Binance Coin(BNB)の価格

バイナンスコイン(Binance Coin/BNB)の価格は、先月17日に2,660円近くまで下落して以降は横ばいの状態が続いており、2019年8月5日時点では「1BNB=2,984.18円」で取引されています。

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2019年7月6日〜2019年8月5日 BNBのチャート(画像:CoinMarketCap)