デジタル人民元、発行は近い?中国で「暗号法」可決
中国の国会に相当する第13期全国人民代表大会常務委員会の第14回会議で、暗号化技術関連の規定を定める「暗号法」が可決したことが「CCTV」の報道で明らかになりました。この法律は、同国で開発が進められているブロックチェーン関連のプロジェクトやデジタル通貨開発を推進する重要な一歩になるとみられています。
こちらから読む:習近平主席、BC技術の重要性を強調「ブロックチェーン」関連ニュース
中国の暗号法「2020年1月1日」施行へ
第13期全国人民代表大会常務委員会の第14回会議で可決したとされる「暗号法」は、暗号化技術に関連する幅広い分野のルールを定めたものとなっており、「パスワードの適用と管理方法の標準化・暗号技術を用いたビジネスの促進・ネットワークと情報セキュリティの確保」などを目的としたものだと説明されています。
新しく採用された暗号法は「一般規則・コア暗号・通常暗号・商用暗号・法的責任・補足規則」に分かれており、5つの章と44の項目があるとされています。「コア暗号」と「通常暗号」は秘密情報を保護するために使用される暗号技術に関するものであり、「商用暗号」は国家機密ではない情報を保護するためのものに関するものと説明されています。
この法律は2020年1月1日から施行されると報じられており、仮想通貨業界ではこの法律がここ最近で注目が集まっている「中国独自のデジタル通貨」を推進することになると考えられています。
中国の中央銀行である「中国人民銀行」はブロックチェーン技術を活用した独自デジタル通貨の開発を進めており、今年8月には同銀行の幹部が『独自のデジタル通貨の準備はできている』と発言したことが報告されています。
また先日は習近平(しゅう きんぺい)国家主席が、新たな技術革新や産業改革において"ブロックチェーンの導入"に力を入れるよう指示を出したことが報告されています。中国は数年前から"仮想通貨"に対して厳しい姿勢を示していましたが、ブロックチェーン技術は積極的に取り入れてきていたため、今後はそれらの取り組みがさらに加速していくことになると考えられます。
中国で開発が進められている"デジタル人民元"は、現在世界中で議論が行われている仮想通貨「Libra(リブラ)」と競合するとも言われており、Libraが発行されなかった場合には「デジタル人民元」が"グローバル通貨"として位置付けられる可能性があるとも言われているため、今後も中国の動きにはさらに注目が集まっていくことになると予想されます。