暗号資産取引所「BINANCE(バイナンス)」は2022年11月10日に『FTX.comの買収を行わないことを決定した』と発表しました。BINANCEは買収監査の結果やその他報道内容を受けて「FTX買収の辞退」を決定したとのことで、『今回の問題は私たちの管理・支援能力の範囲を超えている』とも説明されています。
こちらから読む:メルカリアプリ、BTC購入機能提供へ「暗号資産」関連ニュース
買収監査の結果「FTX買収の辞退」を決定
BINANCE(バイナンス)は2022年11月10日に『FTX.comの買収を行わないことを決定した』と発表しました。
バイナンスのCEOであるChangpeng Zhao(CZ)氏は先日のツイートで『今後、徹底したデューデリジェンスを行なっていく』と語っていましたが、今回の発表では『企業デューデリジェンスの結果や、顧客資金の誤処理と米国機関の調査疑惑に関する最新の報道を受け、FTX.comの買収を行わないことを決定した』と報告されています。
FTX.comの流動性危機の問題は、BINANCEが予想していたよりも深刻なものであったようで、今回の発表では『当初、我々はFTX利用者に流動性を提供するためのサポートを行うことを望んでいたが、今回の問題は私たちの管理・支援能力の範囲を超えている』とも説明されています。
企業デューデリジェンスの結果や、顧客資金の誤処理と米国機関の調査疑惑に関する最新の報道を受け、私たちは「FTX.com」の買収を行わないことを決定しました。
当初、私たちはFTXに顧客に流動性を提供するためのサポートを行うことを望んでいましたが、今回の問題は私たちの管理・支援能力の範囲を超えています。
ある業界の大手企業が失敗するたびに消費者は被害を受けます。私たちは過去数年間で暗号資産エコシステムが回復力を増してきていることを目の当たりにしているため、やがてはユーザーの資金を悪用するような企業は自由市場によって淘汰されると信じています。
規制枠組みが整備され、業界がより大きな分散化に向けて進化し続けることによって、エコシステムはより強固なものになっていくでしょう。
社内メンバー向けメッセージも公開
CZ氏は2022年11月9日に、今回のFTX買収騒動に関する透明性を維持するために「世界中のBINANCEチームメンバーに送信されたメッセージの内容」も公開しています。
このメッセージの中では「FTX買収を事前に計画していた訳ではないこと・FTXからの協力要請があるまではFTXの内部事情をほとんど知らなかったこと・デューデリジェンス進行中であることからFTXトークンの取引はしないようチームメンバーに伝えたこと」など、以下のような内容が記されています。
- FTX買収の件やそれに関連する計画はなかった。FTX側からの連絡がある前はFTXの内部事情をほとんど知らなかった。
- 取引のためのデューデリジェンスが進行中であるため、FTXトークン(FTT)の取引・売買は絶対にしないで欲しい。
- 公にも社内でも今回の取引についてはコメントしないで欲しい。
- FTXの倒産は業界の誰にとっても良いことではなく「我々の勝利」とみなすべきではない。ユーザーの信頼は大きく揺らぎ、規制当局は取引所をさらに厳しく監視するようになり、世界中でライセンスが取りにくくなるだろう。
- 価格が乱高下するのは言うまでもない。何度も言っているように価格は無視して、人々が使う製品を作ることに集中すべきだ。これは長年にわたって常にうまくいってきたもので、今回においても例外ではない。
仮想通貨市場では一連の騒動後に仮想通貨価格全体の下落が見られているため、SNS上などでは今後のさらなる急落を警戒する声も見られています。