経営破綻した暗号資産取引所「FTX」の前CEOであるサム・バンクマン=フリード氏は2022年12月22日に、2億5,000万ドル(約330億円)の保釈金で釈放されました。22日には「Alameda Research」の元CEOであるキャロライン・エリソン氏と、「FTX」の共同創設者・元CTOであるゲイリー・ワン氏がFTX関連の犯罪について罪状を認め、政府の捜査に協力していることも報告されています。
こちらから読む:WhaleFin、FLR付与方針について続報「暗号資産」関連ニュース
サム・バンクマン=フリード氏「約330億円」で保釈
FTXの前CEOであるサム・バンクマン=フリード氏は2022年12月22日に、2億5,000万ドル(約330億円)の保釈金で釈放されました。保釈条件とされた2億5,000万ドルは、公判前の保釈金としては過去最大規模であるとも報告されています。
ただし、これは「サム・バンクマン=フリード氏がこの金額を納めなければならない」ということではなく、カリフォルニア州パロアルトにある同氏の両親の自宅が釈放金の担保となっており、保釈金の支払い期日は1月12日とされています。なお、この担保の価値は2億5,000万ドルに満たないものの、保証金が巨額であるのは逃亡を防ぐためであり、担保は保証金の10%前後とされるケースが多いと伝えられています。
サム・バンクマン=フリード氏はFTXのCEOを辞任した後に「自分の口座には10万ドルしかない」と主張していましたが、ニューヨーク南部地区連邦地裁で行われた保釈に関する審理では、検察側と被告側が「サム・バンクマン=フリード被告の資産が大幅に減少した」との見解で一致したと報告されています。
保釈金支払いに加えて様々な保釈条件も
サム・バンクマン=フリード氏は2億5,000万ドルの保釈金で釈放されたものの、連邦地裁は保釈金の支払いに加えて以下のような様々な保釈条件を提示しており、この条件のいずれかに違反した場合には逮捕状が発行され、同氏の両親が保釈金を負担することになっています。
- 両親の自宅での拘束
- 保釈期間中の監視のためのGPS付きブレスレット装着
- パスポートの引き渡し
- 1,000ドル以上の金融取引禁止
- クレジットカード開設やローン利用の禁止
- 運動意外の外出禁止
- 薬物乱用と精神衛生のカウンセリングを受けること
裁判官のGabriel Gorenstein氏は「サム・バンクマン=フリード氏に犯罪歴がないこと」や「サム・バンクマン=フリード氏の顔が広く知られていて逃亡や金融取引が現実的でないこと」などを考慮して今回の保釈案を承認、サム・バンクマン=フリード氏もこれらの保釈条件に同意しています。
Alameda元CEO・FTX元CTOも罪を認める
2022年12月22日には「Alameda Research」の元CEOであるCaroline Ellison(キャロライン・エリソン)氏と、「FTX」の共同創設者・元最高技術責任者であるGary Wang(ゲイリー・ワン)氏が、FTX関連の犯罪について罪状を認め、政府の捜査に協力していることも報告されています。
キャロライン・エリソン氏とゲイリー・ワン氏は以下のような罪で起訴されており、エリソン氏に関しては「連邦捜査局や他の法執行機関に全面的に協力する場合にはこれ以上刑事訴追されない」とも報告されています。
【キャロライン・エリソン氏の罪】
・電信詐欺の共謀2件(いずれも最高刑期20年)
・商品取引詐欺の共謀1件(最高刑期5年)
・証券取引詐欺の共謀1件(最高刑期5年)
・マネーロンダリングの共謀1件(最高刑期20年)
【ゲイリー・ワン氏の罪】
・電信詐欺の共謀1件(最高刑期20年)
・商品取引詐欺の共謀1件(最高刑期5年)
・証券取引詐欺の共謀1件(最高刑期5年)