仮想通貨が銀行を崩壊させる!バノン氏の強い期待
トランプ大統領の首席戦略官を務めていたStephen Kevin Bannon(スティーブン・ケビン・バノン)氏は、仮想通貨ビジネスに参加しようと考えていることを明らかにし、自身の考える仮想通貨のもつ可能性やその重要性について語りました。
仮想通貨がもたらす影響
ドナルド・トランプ大統領の首席戦略官であり「Breitbart News Network」の共同創業者でもあるバノン氏は『トランプ氏がアメリカの政治を混乱させるように、ビットコインやその他の仮想通貨が銀行業界の固定概念を混乱させることができるかもしれない』と考えています。
ニューヨーク・タイムズによるとバノン氏は、自身の投資会社である「バノン&カンパニー」を通してICOを行うことについて、仮想通貨の投資家やヘッジファンドマネジャーと個人的にミーティングを重ねているとのことです。
しかし、バノン氏は『超保守的』という自分のイメージでビジネスを失敗させたくないといった理由から、それらの計画の詳細について詳しく明かしませんでした。その一方でバノン氏は、ビットコイン(BTC)に「結構な額」を投資しているとも報じられています。
バノン氏が辿った経緯
バノン氏は今年1月まで、超保守的で反体制派のメディアである「Breitbart News Network」の経営者を務めており、去年8月まではトランプ大統領の側近として首席戦略官を務めていました。トランプ大統領も以前に「私はバノンが好きだ。彼は私の友人だ」とも述べており、ホワイトハウス外にいる最も親密なアドバイザーであるとも言われています。
トランプ政権から解雇された理由は、マイケル・ウォルフ氏の著書「炎と怒り-トランプ政権の内幕」の中でトランプ大統領を批判したことが原因だと報じられており、首席戦略官兼上級顧問の辞職後は保守派を代表するオピニオンリーダーとして活躍を続けています。
炎と怒り-トランプ政権の内幕
バノン氏は自身のことを「私は急速に変化し現代化する世界の中で、米国の労働者階級の輝きを取り戻さなければならないと考えるナショナリストだ」と語っており「全く新しい政治運動を私たちはつくり出そうとしている」とも述べています。
バノン氏は、仮想通貨起業家のブロック・ピアース氏からの影響を受けて初めて仮想通貨に興味を持ったと言われていますが、その当時はトランプ政権での仕事が忙しかったために、仮想通貨関連の仕事を始めることができなかったとのことです。
仮想通貨のヘッジファンド創業者であるティモシー・ルイス氏は、先月バノン氏と面会して仮想通貨やICO規制についての話し合いをしており、「バノン氏の仮想通貨の技術に関する知識に感銘を受けた」と語っています。
ルイス氏のコメントからは、バノン氏がこれまでに仮想通貨に関する知識を学ぶために相当な勉強を積んできたことが伺えます。
独自の仮想通貨「哀れなコイン」
バノン氏は今年の春に「Deplorables Coin(哀れなコイン)」という独自の仮想通貨を発行する計画を立てていたとも報じられています。このコインの名前は、2016年の大統領選の選挙期間中にヒラリー・クリントン元国務長官がトランプ陣営の人々のことを「哀れな人々」と呼んでいたことから名付けられています。
しかしアメリカやカナダの規制局は現在、悪意のある仮想通貨関連投資プロジェクトを排除するための活動に力を注いでおり、米国証券取引委員会(SEC)も積極的にICOの取り締まりを行なっているため、バノン氏のICOへの活動も容易なものではないと考えられます。
それでもバノン氏は、ビットコインなどの仮想通貨が銀行業の固定概念を破壊させることができると考えており、仮想通貨が持つ大きな可能性に対して強い期待を示しています。
借金奴隷からの解放
3月にチューリッヒで行なわれた講演の中でバノン氏は、仮想通貨の可能性を称賛し、欧州の反体制派を鼓舞しています。
バノン氏は、一人一人が自分たちが利用する通貨について理解することの重要性について次のように語っています。
「あなたが利用する通貨は、あなた自身がコントロールできなければいけません。そうでなければ全ての政治運動は、通貨をコントロールする人たちによって形作られてしまいます。私にとってはこれは当たり前の考え方です。」
またバノン氏は、中央銀行が通貨の価値を下げることによって市民を『借金奴隷』にしているため、仮想通貨を活用することで、彼らが人々から奪ったパワーを再び市民に取り戻させ、奴隷から解放させることができるとも主張しています。
「通貨をコントロールするということは、全てをコントロールするということです。破壊的なポピュリズム運動がおきるでしょう。これは中央の権力から支配権を取り戻す革命です。」
競争が激化する仮想通貨業界
バノン氏が仮想通貨の世界で行っている活動はまだまだ初期段階です。しかし彼は起業家や、自分の仮想通貨を作成しようとする国々を支援することに関心を示しています。
仮想通貨の世界には、ドラッグ・ディーラーや詐欺師、シリコンバレーの大企業やウォールストリートの機関などのような多くの団体や個人が、ここ最近で急速に興味を示しています。
バノン氏が1980年代に働いていたゴールドマン・サックスは5月の初めに、ビットコイン取引の開始を発表しました。
またニューヨーク証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル・エクスチェンジ社(ICE)が大規模投資家向けに、ビットコイン取引を提供するプラットフォームの立ち上げに取り組んでいることも明らかになっています。
仮想通貨全体の価格はピーク時に比べると大きく下がってはいるものの、世界中のトップを走る企業や団体は仮想通貨を『重要な役割を担うものである』と考えています。
アメリカの政権で重要な立場にあったバノン氏のような人物が、仮想通貨の可能性について言及し、積極的に取り組んでいるという事実は、今後もさらに世界中の各種機関に大きな影響を与えることでしょう。