ステーブルコイン「PYUSD」が急成長|過去最高の時価総額を記録
PYUSD、時価総額10億米ドルに到達
PYUSD(PayPal USD)の時価総額が2024年8月24日に約1,400億円(10億米ドル)を突破したことが、CoinMarketCapのデータによって明らかになりました。
PYUSDは、PayPalと米規制下の企業である「Paxos」が共同で発行している米ドルと連動するステーブルコインであり、PayPalの決済手段として唯一利用できるステーブルコインでもあります。
また、イーサリアム(Ethereum)やソラナ(Solana)上で発行されており、PayPalは「プログラム可能性を考慮して設計しており、広く使用されている取引所・ウォレット・dAppなどと互換性を持つ」と、既存のWEB3エコシステムとの親和性の高さをアピールしています。
PYUSDは2023年から発行されており、一時期停滞しながらも時価総額を伸ばしてきました。CoinMarketCapのデータによると、2024年8月24日時点で約1,400億円、10億米ドルの大台を突破しました。これはPYUSDが発行されて以降、初めての記録になっています。
PYUSDの時価総額推移(画像:CoinMarketCap)
また、直近数ヶ月で月間のアクティブユーザー数も急増していると見られます。VisaとAllium Labsが共同開発したWEBサイトによると、PYUSDの月間アクティブウォレットアドレスの数は2024年5月時点で約6,600だった一方で、7月に約2万6,410にまで伸びています。
PYUSDの月間アクティブウォレットアドレス数(画像:visaonchainanalytics.com)
急伸の背景はソラナへのサポート
PYUSDはローンチ当初はイーサリアムのみで展開されたものの、時価総額は停滞していました。2024年5月末に、ソラナへのサポートを開始して以降、時価総額が伸び始めました。
DeFiに関するデータを収集するDeFiLlamaのデータを参考にすると、2024年8月27日時点でソラナにおけるPYUSDの供給は950億円を超えており、USDTの約1,000億円に迫っています。PYUSDのソラナにおける供給は1ヶ月の間に177%増えました。
PYUSDのソラナにおける供給量は、ローンチ以降サポートしていたイーサリアムにおける供給量を上回っています。
ソラナ上に構築されている各DeFiプロトコルはPYUSDに対する利回りを増額しており、ソラナ上でPYUSDを持つインセンティブが強まっていることなどが要因の1つとみられています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.81円)
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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