2025年5月11日〜17日にかけて紹介した仮想通貨(暗号資産)・ブロックチェーン関連のニュースをまとめて掲載しています。この1週間で特に注目の話題をBITTIMES編集部がピックアップしてお届けします。
ニューヨーク市長「NYを仮想通貨の首都に」
米国ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は5月12日に、記者会見で「ニューヨーク市を世界の仮想通貨とブロックチェーン技術の首都にする」というビジョンを改めて表明し、仮想通貨業界のリーダーたちにニューヨークでの事業展開を呼びかけました。
アダムス市長は会見で「ニューヨークはこれまで世界の金融中心地であり続けてきましたが、今やブロックチェーン技術や仮想通貨分野でもシリコンバレーに匹敵する革新拠点になりつつあります」と述べ、先進技術を積極的に取り入れて発展させる姿勢を改めて示しました。
仮想通貨産業の促進を表明
「アジア富裕層の米ドル離れ」仮想通貨などに資産シフト
スイス金融大手UBSのアジア太平洋地域ウェルスマネジメント共同責任者エイミー・ロー氏が5月13日、アジアの富裕層投資家の間で「米ドル建て資産から金(ゴールド)や仮想通貨などへの資産シフトが進んでいる」と語ったことが明らかになりました。
この発言は、香港で開催されたブルームバーグ主催のイベントで述べられたもので、UBSの富裕層顧客が徐々に米ドル資産から撤退し、金や仮想通貨、中国関連資産へ資金を移していると説明しています。
ムーディーズが米国債に対する最高評価を引き下げるのは今回が初めてのことで、これにより米国は世界三大格付け会社(ムーディーズ、フィッチ、S&P)すべてで最上位格付けを失うことになりました(フィッチは2023年8月、S&Pは2011年に既に格下げ済み)。
アジア富裕層のドル離れが鮮明に
米国債格付けを初引き下げ|ビットコインが安全資産に?
米格付け会社ムーディーズは5月16日、米国の長期信用格付けを最上位の「Aaa(トリプルA)」から「Aa1(ダブルA)」に1段階引き下げたと発表しました。
ムーディーズの格下げ後もビットコイン価格が安定していることについて、仮想通貨業界からは「中央集権的な金融システムへの信頼が揺らぐなか、投資家が政府に管理されない希少な資産であるビットコイン(BTC)を選び始めている」との指摘が出ています。
ビットコインが安全資産として注目?
ドバイ、政府サービスの支払いで仮想通貨決済導入へ
ドバイ政府は5月12日に、ドバイ財務局(DOF)が政府サービスの支払いで仮想通貨決済を利用可能にすることを目的として、仮想通貨関連サービスを展開している「Crypto.com」と覚書(MoU)を締結したことを発表しました。
今回の覚書締結はドバイ政府の公式メディア広報機関である「mediaoffice.ae」で発表されたもので、MoUの署名はドバイ国際金融センターで開催された「ドバイ・フィンテック・サミット」の中で実施されたと報告されています。
仮想通貨決済導入でキャッシュレス推進
北マリアナ諸島「ステーブルコイン発行法案」成立
米領北マリアナ諸島の下院議会は5月15日、アーノルド・パラシオス知事が行使した拒否権を14対2の投票で覆し、テニアン島による政府支援型ステーブルコイン「MUSD」の発行を可能にする法案を成立させました。
今回成立した法律により、テニアン島およびアギグアン市は、地元財務省が保有する米ドルと米国債を準備金として裏付けとしたステーブルコイン「MUSD」を発行できるようになります。
北マリアナ政府はMUSDを今年の夏頃までに発行する計画を進めており、7月に発行予定の米ワイオミング州より早く、米国初の公的機関によるドル連動型ステーブルコイン発行となる可能性があることから、仮想通貨(暗号資産)業界から大きな注目を集めています。
「BTCは唯一の救命ボート」2028年までに100万ドル
仮想通貨取引所BitMEX(ビットメックス)の創設者アーサー・ヘイズ氏が5月15日、「ビットコイン価格が2028年までに100万ドル(約1億4,500万円)に達する可能性がある」との見解を示しました。
ヘイズ氏は自身のブログで、ビットコインが今後数年間で100万ドルに到達する可能性がある2つの要因として「外国資本の本国回帰(海外投資マネーの米国からの流出)」と「米国債務の価値切り下げ(ドル価値の下落)」を挙げています。
資本規制によって海外への資産移動が制限される状況では、インターネット環境さえあれば法定通貨をビットコインに交換できるため、ビットコインが資産を守るための「唯一の救命ボート」になると述べています。
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米上場酒造企業がBTC・DOGEを財務資産として正式採用
米ナスダック上場の酒類メーカーであるヘリテージ・ディスティリングは5月15日、ビットコイン・ドージコイン(DOGE)を活用した仮想通貨財務準備金ポリシーを正式に採用したと発表しました。
同社の発表によると、この新たな方針により、同社は自社のオンライン販売においてビットコインとドージコインによる決済を受け入れ、これら仮想通貨を企業の資産(準備金)として保有できるようになります。
この取り組みは事業の売上拡大と財務の多様化戦略の一環として取締役会で承認され、クラフト蒸留酒分野においてビットコインを決済と財務の両面で正式に導入する初の事例となりました。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル画像:AIによる生成画像