オンラインシューティングゲーム「Fortnite(フォートナイト)」の開発元である「Epic Games(エピック・ゲームズ)」の公式ストア「Retail Row」で匿名性の高い仮想通貨モネロ(Monero/XMR)が決済手段として採用されたことが海外を中心に話題となりましたが、同社CEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は2019年1月5日、XMRが追加されたのはミスであったことを報告しました。
こちらから読む:Epic Gamesの公式ストアで「XMR決済」発表当時の記事
仮想通貨決済の導入に潜む「多くの課題」
Epic Games(エピック・ゲームズ)が昨年末に公開した公式ストア「Retail Row」では、今年の初めに匿名性の高い仮想通貨モネロ(Monero/XMR)が決済手段として予告なしに導入されました。
「Retail Row」では、同社が開発する人気のオンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」のグッズなどを購入することができるため、ファンの間では大きな話題となり、ビットコイン(Bitcoin/BTC)ではなく、モネロ(XMR)が採用されたことにも注目が集まりました。
モネロのコア開発者であるRiccardo Spagni(リカルド・スパーニャ)氏は、モネロが採用された理由について”匿名性”などが理由として考えられることを語っていましたが、今月5日にEpic GamesのCEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は、XMRの追加がミスであったことを語り、実際に仮想通貨決済を導入するためには解決すべき多くの課題が残されていることを報告しています。
実は「Fortnite」で仮想通貨が採用されたのは偶発的なことでした。私たちはパートナーと協力してストアをオープンしましたが、その過程のどこかでモネロ決済が利用可能になってしまいました。
私たち「Epic」メンバーの多くは、仮想通貨の根底となる分散型コンピューティング技術の大ファンです。ですが、若いゲーマーを含む幅広い層の人々にこの技術を適用するためには、ボラティリティや不正行為を防止するための数多くの作業を行う必要があります。
仮想通貨プロジェクトとの提携も否定
モネロ決済のオプションは一時的に導入されていたものの、その後はスタッフの手によって削除されています。また、XMR決済の導入には、スイスの仮想通貨決済プラットフォームである「Globee」の技術が利用されていると伝えられていましたが、スウィーニー氏はこの報道に関しても否定しています。
同氏はこの件に関しては『多くの噂が流れている』と語っており、Epic Gamesは仮想通貨との連携はとっておらず、仮想通貨プロジェクトとのパートナーシップに関する議論も行なっていないと説明しています。
Epic Games公式ストアでの「モネロ決済導入」は実現しませんでしたが、最近ではゲーム業界でブロックチェーンや仮想通貨の採用を促進することを目指す、ブロックチェーン企業とゲーム開発会社の同盟「Blockchain Game Alliance」なども結成されています。実際に主流のゲームに仮想通貨決済を導入していくためには、今後も多くの問題を解決する必要がありますが、ゲーム業界の人々はこれらの技術を支持しているため、将来的には採用が進む可能性も考えられます。