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金融庁:仮想通貨取引所の「コールドウォレット管理」社内規則の厳格化求める

金融庁が仮想通貨交換業者に対して、インターネットに接続されていない”コールドウォレット”を使用して暗号資産を管理する際の社内規則を厳格化するよう求めたことがロイターの報道で明らかになりました。仮想通貨の不正流出などの事件が数多く報告されている現代社会では、より安全な資産管理方法が求められています。

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仮想通貨交換業者に求められる「厳格な資産管理」

仮想通貨取引所で昨年発生した「仮想通貨の不正流出事件」では、インターネットに接続された状態で管理されている「ホットウォレット」で保管されていた仮想通貨が主なターゲットになっていたため、金融庁日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は「ホットウォレットで管理する顧客資産を制限し、秘密鍵を厳格に管理すること」を求めてきました。

このような問題の対処法としては、インターネットに接続しないことによって”より安全性の高い状態”で仮想通貨を保管することができる「コールドウォレット」を使用するのが一般的な解決策となりますが、ここ最近ではコールドウォレットを使用している場合でも新たな問題が浮上しています。

「コールドウォレット管理」に伴う問題点

カナダの大手仮想通貨取引所「QuadrigaCX」では、秘密鍵を管理していた同社CEOが急死したことによって、コールドウォレットで保管されていた約1.5億ドル(約168億円)に相当する仮想通貨が引き出せなくなるといった事例が報告されています。

また今回のロイター報道では、コールドウォレットで仮想通貨を管理するケースが増えたことによって、内部関係者による不正出金のリスクが浮上したことも説明されており、金融庁が調査を行なった結果『一部の仮想通貨交換業者では「担当者を定期的に交代させる」などのルール作りがなされてなかったことが判明した』とも報告されています。

ロイターは関係者からの情報として、金融庁はこのような「内部関係者による不正行為」や「通常業務に伴う障害」を未然に防ぐために問題があった業者に対して改善を要求する他、コールドウォレットで仮想通貨を管理する際の社内規則を厳格化するよう求めたと報じています。

今後は「安全かつ利便性の高い資産管理方法」が重要に

コールドウォレットは外部からのサイバー攻撃などには強い耐性を備えているものの、「資産を移動する際の作業が複雑になること」や「秘密鍵の管理を徹底して行う必要があること」などの問題点もあります。

海外ではこのような顧客資産管理の問題を解決するために分散型取引所(DEX)なども立ち上げられており、取引所の利用者が自分自身で管理しているウォレットを使って仮想通貨を取引することができる環境が提供されています。

また、SBIバーチャル・カレンシーズは顧客が自分の資産を自分で安全に保管できるようにハードウェアウォレットを貸し出すサービスなども提供しています。

今後はこのように安全に顧客資産を管理しつつ、仮想通貨取引などもスムーズに行うことができるサービスが求められていくことになるでしょう。