リップル社のリップル(Ripple/XRP)元帳で仮想通貨トークンを作り、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)を行うグループが増えているとのことです。これに対してリップルは、歓迎しているわけではないということを強調するコメントを残しています。
XRP元帳を活用するAllvor
今までの仮想通貨トークンを支えてきた代表的な存在がイーサリアム(ETH)ですが、最近は多くのトークン発行者がイーサリアムの代わりとなる仮想通貨を探していることがわかっています。
ブラジルに拠点を置くAllvorは、デジタル決済の効率を向上させるためにリップル(Ripple/XRP)元帳を活用しています。
Allvorのホワイトペーパーには、次のように記載されています。
「リップル社によって開発されたリップル(Ripple/XRP)は今までで最も効率的な分散型データベース技術です」
Allvorには、物流管理/顧客管理/マーケティングソフトウェアを統合するシステムが必要であるため「ALV」というICOトークンを作り、このICOトークンと一緒に機能できるプラットフォームを構築しようとしているとのことです。
そしてAllvorによると、XRP元帳の持つ魅力はその速度だけではなく、仮想通貨トークンを作るための完璧なプラットフォームとしての機能を備えているといいます。
Allvorのホワイトペーパーでは、XRP元帳の「複数の支払いゲートウェイ(複数のネットワークの接続システム)」技術を活用することで国際的なシステムをより簡単に設定できるようになり、XRP元帳のユーザーは取引を希望するユーザーと「信頼チャネル」を設定する必要があるため、ユーザーはどの仮想通貨トークンを受け取るのかを決定する権利があるように感じることができると書かれています。
これまでのICOでは、トークン発行者は単にユーザーが所有しているイーサリアム(ETH)などの他のトークンの量に基づいてICOトークンを配布していました。
しかし、リップル(Ripple/XRP)のシステムでは、ユーザーがトークンを受け取ることを選択しなければなりません。
Allvorの共同設立者であり、長年ブラジル経済省の職員を努めてきたCleyton Domingues氏は次のように述べています。
「ALVでの支払いが10分以内でできるソフトウェアやプラグインを、あらゆる規模の店がインストールできるようになることが理想です。私たちの課題は統合を可能にするソフトウェアを開発することです」
Rippleからのコメント
しかしリップル社は、リップルの元帳でトークンが作られることを歓迎しているわけではありません。
リップル社は声明のなかで「リップルの元帳は公開されているため、リップルの技術が予期せぬ使い方をされても防ぐことはできない」ことを強調しています。
リップル(Ripple/XRP)のスポークスマンは次のように述べています。
「リップル(Ripple/XRP)元帳はオープンソースで分散型プラットフォームなので、ユーザーは作りたいものはなんでも作ることができます。しかし、リップル社はリップル(Ripple/XRP)元帳でのICOを奨励・支援するつもりはありません」
リップルでのICOトークンの発行は以前にも
ビットコインブラックフライデー運動の主催者であるJon Holmquist氏は、2017年6月にリップル(Ripple/XRP)でのICOトークンをはじめて発行した人物です。
Holmquist氏はICOを通じて16万円相当のリップルを調達しましたが、約1ヶ月後に米国証券取引委員会(SEC)がThe DAOに提出した指示に従い、投資家の資金を返却することを決定しています。
リップルの経営陣は米国の主要な取引所にリップルを上場させるための問題に取り組んでいることが明らかになっていますが、Holmquist氏は「リップルのプロトコルはあらゆる種類の資産に対応する分散型取引所として機能するように設計されているため、それは問題ではない」とも述べています。
また彼はこのような件について次のようなコメントも残しています。
「多くのICOをしようとする会社はリップル(Ripple/XRP)で初めてトークンを作ることに躊躇しているように感じます」
「リップルコミュニティーはとても力強いと思います。リップルには投資してそのまま何もしていない投資家達がたくさんいます。そんなリップルのネットワークに入り、それらの投資家の強みを生かすことができます。」
(引用:coindesk.com)