東証上場企業メタプラネット「ビットコイン投資戦略の詳細」を発表

by BITTIMES

ビットコイン投資戦略の背景などを説明

東京証券取引所に上場している株式会社メタプラネットは2024年5月13日に、メタプラネットの財務戦略をビットコイン(BTC)を中心としたものへと転換したことを報告し、ビットコイン投資戦略の背景などを説明しました。

メタプラネットは東京証券取引所スタンダード市場に上場している日本の持株会社であり、2024年4月8日には資金管理戦略の一環としてビットコインを購入していく計画を発表しています。

同社は2024年4月22日に10億円相当のビットコインを購入したことを発表しており、2024年5月10日には2億円相当のビットコインを追加購入したことも報告されていたが、今回の発表ではこのビットコイン投資戦略の背景などについて詳しく説明が行われています。

財務戦略におけるビットコイン採用の背景

メタプラネットは、財務管理資産としてのビットコイン採用が「日本の厳しい経済環境や円安に対応し、長期的な成長を目指すための戦略」であることを説明しています。

現在の日本円の価値は過去10年間でドルに対して約50%ほど下落している状態にあり、政府・日本銀行は国債市場と外国為替市場に介入することによって円安を食い止めようと試みているものの、これは一時的な対策に過ぎず、根本的な解決には至っていない状況にあります。

メタプラネットは、日本政府や日本銀行の政策は「持続不可能な金融パラドックスの二重の束縛」であると指摘しており、「これらの行動は、人口動態の状況とも重なり、日本の将来的な金融状況が確実に悪化することを示唆している」と説明しています。

ビットコイン投資戦略はこのような円安状況下における業績悪化への懸念に対処するためのもので、具体的には「戦略的な財務選択肢として長期負債と定期的な株式発行を活用して、円の代わりにビットコインを継続的に増やすことによって、ビットコイン換算での1株当たりの価値を増大させ、長期的に株主価値を下支えすることを目指す」と説明されています。

ビットコインを採用するメリット

メタプラネットは、財務戦略でビットコインを採用することによって、円通貨リスクを軽減しつつ、ビットコインが世界のバランスシートに定着する過程での資本化の機会を利用することを説明しています。

ビットコイン採用の主な利点としては以下の4点が挙げられています。

  1. 通貨価値の低下に対する保護
    円の価値が引き続き弱まる中、ビットコインは伝統的な法定通貨に対して価値が増す可能性のある非主権的な価値の保存手段を提供する。
  2. 資本市場での投機的裁定取引
    日本の資本市場に存在する稀有な機会を活用し、メタプラネットは保有資産からの過剰なキャッシュフローと現有の手元資金を活用して戦略的な通貨裁定取引を実行し、機会が生じたときに長期の円負債を発行してビットコインを取得する予定。
  3. 事業会社としてのビットコインプロキシ
    直接の現物エクスポージャーやETF/ETPなど、世界的にさまざまな形態のビットコインエクスポージャーが存在するが、メタプラネットは上場企業としてビットコイン保有戦略を実施することによって、公開資本市場での債務や株式を使用して追加のビットコインエクスポージャーを取得する機会が生じた場合に、多くのグローバル投資家には利用できない選択肢を獲得していく。
  4. 優遇税制
    日本の仮想通貨利益は雑所得として計算され、最高税率で50%以上に達することがあるが、上場株式/証券の税環境はそれよりもかなり低く、実現株式の税率は20%となっている。規制見直しによって日本企業の暗号資産に関する税環境も改善されたため、メタプラネットは税金を最小限に保つことに焦点を当てた長期志向のHODL(長期保有)戦略を採用する。メタプラネットは現在、過去の事業から100億円以上の繰越欠損金を保有しており、必要に応じて将来の実現利益を相殺するために活用することができる。

ビットコインファースト、ビットコインオンリー

メタプラネットは、会社のために「ビットコインファースト、ビットコインオンリー」のアプローチを明確に優先することも説明しています。

同社は「ビットコインは政治通貨や伝統的な価値の保存手段、投資、その他の暗号資産・証券と比較して根本的に優れている」との考えを示しており、「ビットコインは中央発行者のいない絶対的に希少なデジタル合成貨幣商品である」と評価しています。

具体的には、ビットコインの発行枚数が2,100万BTCで固定されていることや、現実世界のエネルギー投入と密接に関連するプルーフ・オブ・ワーク(PoW)の仕組みなどを高く評価、「伝統的な商品は、追加生産へ投資されることで供給が増えるという逆風に直面するのに対し、これはビットコインを紙幣商品としてその前身とは一線を画す多くの特徴の一つだ」と説明されています。

メタプラネットはビットコイン投資戦略を通じて、グローバル市場でも競争力を強化していくことを計画しているとのことで、「メタプラネットは株主価値を継続的に高めながら、日本だけでなく急速に変化するグローバル経済においても独自の市場位置を築き上げてまいります」と説明しています。

長期的なビットコイン投資戦略を採用する企業は世界的に増えており、最近ではTwitterの共同創業者としても知られるジャック・ドーシー氏が率いるフィンテック企業Blockも「ビットコイン関連製品から得られた粗利益の10%を毎月ビットコインの購入に充てること」を発表しているため、今後はこのような戦略を採用する企業がさらに増加する可能性があると期待されています。

>>ビットコイン関連の最新記事はこちら

メタプラネット発表

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