
FDICの仮想通貨規制に業界関係者が抗議、トランプ政権の対応に注目
アンカレッジ・デジタルCEO「突然の銀行口座閉鎖」証言
CNBCは2025年2月15日、仮想通貨業界に対する銀行サービスの停止問題をめぐり、ドナルド・トランプ大統領や共和党指導部がFDIC(米連邦預金保険公社)を厳しく非難していることを報じました。
報道によると、米国の仮想通貨企業「アンカレッジ・デジタル」のネイサン・マコーリーCEOが、2月5日の米上院銀行委員会公聴会後のインタビューで「2023年6月に、ある銀行が何の通告もなく私たちの銀行口座を閉鎖した」と述べたことを明らかにしています。
同氏によれば、長年取引を続けていた銀行から事前の説明や警告なしに口座を閉鎖され、その影響で、従業員70人を含む全体の20%の人員を削減せざるを得なかったことも報じられています。
また、マコーリー氏はこの問題について「スタートアップ企業にとっては、銀行口座を維持するための資金繰りが極めて難しかった」と語っており、アンカレッジ社の事例は、バイデン政権下で銀行が仮想通貨企業との取引を停止する動きが強まっていたことを示すものと見られています。
「チョークポイント作戦2.0」に対する批判
これらの動きは「チョークポイント作戦2.0」と呼ばれ、バイデン政権下の規制当局が銀行に対し「仮想通貨企業との取引を停止するよう圧力をかけていた」として、共和党議員らが批判していると報じられています。
共和党のティム・スコット上院議員(サウスカロライナ州選出)は2月5日の公聴会で、金融機関がデジタル資産企業や政治家、保守派の企業・個人へのサービスを打ち切っている実態を"深刻な問題"と指摘しました。
また、CNBCによると、トランプ大統領もこの問題に触れており、1月にスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムでJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカを名指しで批判したと報じられています。
トランプ大統領は仮想通貨規制の緩和に前向きな姿勢を示しています。最近では銀行のビットコイン保有を禁じた規則の撤廃も示唆しており、FDICは仮想通貨企業向けガイドラインの改訂が求められているとされています。
銀行閉鎖問題と今後への期待
2023年に起きたシルバーゲート銀行とシグネチャー銀行の閉鎖は、仮想通貨業界に大きな打撃を与えました。
特に、シグネチャー銀行の取締役である元民主党下院議員バーニー・フランク氏が「FDICが同銀行を閉鎖したのは、反仮想通貨のメッセージを送るためだった」と主張し、業界内で波紋を呼びました。
トランプ政権への移行後、仮想通貨支援の動きが強まっており、業界内では前向きな見方が広がっています。
今月5日には、新体制となったFDICは、バイデン政権下での規制圧力を示す「仮想通貨関連の内部文書」を公開し、規制の転換点として大きな注目を集めています。
今後、仮想通貨に関する規制がどのように変化するのか、また銀行業界との関係がどのように進展するのかが注目されています。
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Souce:CNBC報道
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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