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RippleNetと国際送金アプリ「OnePay FX」が統合 ー 利用可能国がさらに拡大


Ripple(リップル)社は、ヨーロッパ最大の銀行グループであるBanco Santande​r(サンタンデール銀行)が開発したクロスボーダー決済のモバイルアプリケーション「OnePay FX」に「RippleNet」を統合し、利用できる国をさらに拡大することを10月2日に発表しました。

こちらから読む:OnePay FXとの統合が発表された「RippleNet」とは?

クロスボーダー決済モバイルアプリ「OnePay FX」

「OnePay FX」は、スペイン・マドリードに本拠地を構える商業銀行グループ「Banco Santande​r(サンタンデール銀行)」が開発したクロスボーダー決済モバイルアプリです。

このアプリには、Ripple社が提供するソリューションである「xCurrent」の技術が使われているため、従来は数日から数週間の時間がかかっていた国際送金を一瞬で処理することができるようになっています。その操作方法も非常に簡単であり、携帯アプリで数回画面をタップするだけでそれらの送金を完了することができるようになっています。

また、銀行間でのリアルタイムメッセージングや送金手数料を事前に見積もることなどもできるようになっており、取引前に決済内容の確認や決済後の着金確認などもできるという特徴を持っています。

国際送金を世界中でスムーズに

Ripple社とサンタンデール銀行の戦略的パートナーシップは今年の3月の時点で既に発表されていましたが、その具体的な取り組みの内容については発表されていませんでした。

サンタンデール銀行が3月以降から「RippleNet」などの同社製品をブロックチェーンネットワーク上で試験運用していることはRippleが以前に発表しており、サンタンデールがこれらのソリューションを使用することで、今までに見られないほどの透明性、確実性、スピードを得たことを報告していました。

しかし今回、Ripple社が主催する国際カンファレンス「SWELL 2018」を通じて、サンタンデール銀行の「OnePay FX」に「RippleNet」が統合されることが発表さました。

サンタンデールの開発主任であるEd Metzger(エド・メッツガー)氏は、Ripple社が提供する「xCurrent」を利用することによって、顧客の生活を改善することを目指していると述べています。

現在の金融業界は、企業同士が協力して顧客により良いサービスを提供するオープンプラットフォームの世界に移行していると考えています。これは私たちが「OnePay FX」を通じてやろうとしていることの中核となる部分と一致しています。

Metzger氏は、「OnePay FX」のプラットフォームとRippleの技術を統合する目的は、サンタンデールのサービスを通じて行われる国際的な取引をよりスムーズに処理して、利用者がいつでもどこでも簡単にお金を送受信できるようにすることだと説明しており、次のような実際にあった事例を紹介しています。

お客様が休暇中、イタリアに滞在していた時に駐車違反をしてしまったときのことです。彼は罰金を支払わなければなりませんでしたが、銀行カードを持っていませんでした。しかし彼は、アプリを使用して罰金を支払うことができたので、レッカー移動されずに済みました。これまでこのような問題が発生した場合、とても長い時間かかっていましたが、このケースではたった「4〜5回のクリック」で問題を解決しています。

今後はアジアや南米にも|OnePay FX

リップル社とサンタンデールによるこれらの取り組みは、本質的に「SBIホールディングス」などの大手銀行とRippleが行なっていることに非常によく似ているのも特徴的であり、それらの銀行と同様にサンタンデール銀行の取り組みもさらに多くの地域で発展していくことが予想されます。

Ripple社が提供しているブロックチェーンベースのソリューションを使用すれば、ユーザーは国際送金を従来よりもはるかにスムーズに行うことができるようになるだけでなく、送金手数料も非常に安く抑えることができます。

メッツガー氏は、リップル社との協力によって成し得たこの革新的なソリューションについて次のように語っています。

これからは必要な時にいつでも国際送金をすることができるので、あらかじめ予定を立てて行動する必要はありません。
これは非常に素晴らしいことです。

サンタンデール銀行は、「OnePay FX」を既にイギリススペインブラジルポーランドの4カ国で提供しており、今後数カ月の間でヨーロッパ、南米、アジアのより多くの国々に展開することを予定しています。

Ripple社は、日本の数多くの銀行が参加しているコンソーシアムである「SBI Ripple Asia」を中心として日本や韓国の主要な金融機関とのテストも行なっており、韓国最大規模の銀行であるウリィ銀行と新韓銀行は、2019年までにリップルを統合する計画を発表しています。

世界的に拡大を続けている「OnePay FX」と「RippleNet」の統合は、今後もより多くの国々の金融機関がこれらの国際送金ネットワークに参加することを促すことになるでしょう。

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