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ブロックチェーン関連の「求人募集」アメリカで急増 ー 前年比300%アップ


ブロックチェーン(Blockchain)仮想通貨(Cryptocurrency)に関連する技術者の求人がアメリカで急増しています。リクルートサイト「Glassdoor(グラスドア)」が公開した調査報告書では、数々の大手企業が暗号化技術を扱うことができる専門家を求めていることが示されています。

こちらから読む:求人募集が増加!「ブロックチェーン」を活用する業界まとめ

ブロックチェーン関連求人 ー 人気都市や業種を調査

アメリカの求人サイトであるGlassdoor(グラスドア)が2018年10月18日に公開した調査報告書では、ブロックチェーンや仮想通貨関連の求人募集が急増していることが示されています。

Glassdoorは、ブロックチェーン、ビットコイン、仮想通貨などのキーワードを含んだ米国における求人情報の調査を行い、詳しい分析を行っています。この調査では情報の正確性を確保するためにブロックチェーン関連の一般的な用語が対象キーワードとして使用されており、第三者の求人企業による募集は除外されています。

公開された報告書によると、米国におけるブロックチェーン関連の求人件数は2018年8月の時点で「1,775件」と報告されており、昨年の求人件数である「446件」と比較するとおよそ300%も求人件数が増加していることが明らかになっています。

求人トップは「ソフトウェアエンジニア」

就業率が最も高いのは、ニューヨークとサンフランシスコを含む15都市に集中しており、求人広告全体の24%と21%を占めています。その他の地域としては、サンノゼ、シカゴ、シアトルがそれぞれ6%、5%、4%と続いています。

募集がかけられている求人の多くはエンジニア、技術者、科学者となっており、ソフトウェアエンジニアの求人が全体の19%を占めています。しかしその一方では、プロダクトマネージャー、リスクアナリスト、マーケティングマネージャーなどの求人が少ないことも判明しており、トレーダーや投資アナリストなどに関しては上位15位に含まれていませんでした。

求人募集最多は「IBMとConsenSys」

求人募集が最も多いのは、ブロックチェーン関連のプロジェクトに数多く携わっている「IBM(アイビーエム)」と、ブロックチェーンソフトウェア会社である「ConsenSys(コンセンシス)」となっており、募集件数は両社とも214件でそれぞれが求人件数全体の12%を占めています。

仮想通貨取引所であるCoinbase(コインベース)やkraken(クラーケン)も上位に含まれており、ハイテク企業であるOracle(オラクル)や大手金融機関であるJPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)なども上位15位の中に含まれています。

ランキング 雇用者 募集数 割合
1 ConsenSys 214 12%
2 IBM 214 12%
3 Coinbase 63 4%
4 Figure 37 2%
5 Oracle 37 2%
6 Kraken 37 2%
7 Circle 26 1%
8 Accenture 26 1%
9 World Open Network 22 1%
10 Thunder Token 21 1%
11 J.P. Morgan 17 1%
12 KPMG 16 1%
13 BitGo 15 1%
14 Wachsman 15 1%
15 Abra 15 1%
その他 1,000 56%
合計 1,775

(参照:glassdoor.com)

AppleやGoogleなどは含まれず

数々の大手企業の名前がこのリストに含まれているものの、
・Apple(アップル)
Google(グーグル)
Facebook(フェイスブック)
といった大手企業からの求人は含まれていませんでした。

GoogleやFacebookは以前からブロックチェーン関連の研究を進めていると言われており、Googleに関してはイーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏をリクルートしているといった報道も話題になりましたが、今のところ大々的な求人には取り組んでいないようです。

基本給「約1,000万円」求められるブロックチェーン技術者

Glassdoorが公開して報告書の中では、ブロックチェーン関連の職業における基本給のデータも公開されています。

このデータによると、これらの分野における基本給の中央値は年間84,884ドル(約955万円)となっており、アメリカの年間平均給与額は52,461ドル(約590万円)と報告されているため、ブロックチェーン関連の職業に携わっている人々は一般的な給料よりもはるかに高額な給料を手にしていることが示されています。

この高額な給料設定は多くの企業がブロックチェーンのような最先端技術のスキルを身につけている人々を必要としていることを表わしています。

ここ最近では、業界で求められているブロックチェーン関連の技術者を育成するために、大学などでの授業も積極的に行われ始めています。今回の調査で最も多い募集をかけていることが明らかになった「ConsenSys」などの企業は、そのような学校での技術者育成を支援する取り組みなども積極的に行なっています。

現在の仮想通貨業界では多くの著名人たちが『新しい技術者の育成がこれから重要になる』と語っていることもあるため、今後はブロックチェーン関連の技術者の需要はさらに高まり、求人数もさらに増加していくことが予想されます。