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カルダノ財団×EMURGO:DApps開発促進に向け「開発者向けのツールスタック」構築へ
「Cardano Foundation(カルダノ財団)」と「EMURGO(エマーゴ)」は2022年1月17日に、分散型アプリケーション(DApps)の開発を加速させるために、両組織のリソースを結集して開発者向けのツールスタックを構築するプロジェクトを立ち上げたことを発表しました。開発者向けのツールスタックが提供されることによって、今後はカルダノのブロックチェーン技術を活用したアプリケーション・サービスの開発がさらに加速すると期待されています。
こちらから読む:「Cardano/ADA」関連ニュース
DApps開発促進に向けた「ツールスタック」を構築
「Cardano Foundation(カルダノ財団)」と「EMURGO(エマーゴ)」は2022年1月17日に、分散型アプリケーション(DApps)の開発を加速させるために、両組織のリソースを結集して開発者向けのツールスタックを構築するプロジェクトを立ち上げたことを発表しました。
このプロジェクトは「MVP1」と「MVP2」で構成される予定であるとのことで、具体的には以下のように説明されています(*1)。
(*1)MVP(Minimum Viable Product):ユーザーに必要最小限の価値を提供できるプロダクトのこと。完璧な製品・サービスを目指すのではなく、顧客が抱える課題を解決できる最低限の状態で提供される製品やサービスのことであり、提供後は顧客からのフィードバックなどを参考にして新機能の追加や改善点の見直しなどが行われる
「MVP1」について
MVP1はモジュール化されたツールスタックで構成される。カスタマイズされた信頼性の高いブロックチェーンソリューションの作成に取り組んでいるチェコ共和国のインフラ開発企業「Five Binaries」が、オープンソースソフトウェアを開発・配布する際に用いられる代表的なオープンソースライセンスである「Apache Software License 2.0」に基づいて「Github(ギットハブ)」で公開し、Cardano Foundationがホストして構築する予定。
この第一段階には「Blockfrostブロックチェーンコネクター」「Chain Watcherの初期リリース」「概念実証として機能するシンプルなバックエンド」が含まれる予定で、Five Binariesはこの段階で以下3つの主要コンポーネントを開発する予定。
【Blockchain adapters(ブロックチェーンアダプター)】
Blockchain adapters(ブロックチェーンアダプター)は異なる方法を用いてカルダノブロックチェーンデータをブリッジするために使用されるプラグインコンポーネント。MVP1では、ブロックチェーンに保存されている情報にアクセスして情報を取得する「Blockfrost」と呼ばれるAPIを使用したアダプターが提供される。ブロックチェーンデータにアクセスする方法は他にもあり、これらは将来的に追加されるか、コミュニティによって追加される可能性がある。
【Chain Watcher(チェーンウォッチャー)】
Chain Watcher(チェーンウォッチャー)は、Plutus Application Backend(PAB)のチェーンインデクサーの概念に似たコアコンポーネント。特定のチェーンイベントへのサブスクリプションに従い、発生した時にdAppsバックエンドに依存する。
【dApps backends(dAppバックエンド)】
dApps backends(dAppバックエンド)は、Chain Watcherと通信するアプリケーションバックエンドで、分散型アプリケーションの特定のロジックを含んでいる。MVPは、プロジェクトの機能の概念実証として機能するシンプルなバックエンドを含み、開発者が自分自身を構築するための良い出発点となる。
「MVP2」について
第2段階である「MVP2」では、カルダノ財団がエコシステム全体の様々なプロジェクトやパートナーに働きかけ、プロジェクトへの貢献を公に呼びかける。この段階では、新しいアダプターやバックエンドを追加するためのプルリクエストは、テストを含め、プロジェクトのプログラミングガイドラインに従うことが要求されることになる。このガイドラインの策定はMVP1の一部であり、MVP2の実装はFive Binariesが管理する。
アプリケーションプログラミングインターフェース(API)によって、開発者は正しいアプリケーションインスタンスとシームレスに対話することができる。開発者がCardanoノードや他のLayer 1コンポーネントと直接対話するためのHaskellコードの深い技術的知識や経験を有していなくても、ブロックチェーン上で簡単に対話・テスト・アプリケーションを起動できるようにするためには、CardanoへのAPIアクセスが不可欠。
この作業は「Input Output Global(IOG)」が IOGがPAB内のPlutusライブラリで行っている開発作業を補強し、追加するものである。
カルダノ活用したアプリ開発の加速に期待
カルダノ財団とEMURGOは公式発表の中で『Cardanoエコシステムのための第2のアプリケーションバックエンドを開発することは、開発者がCardano上でソリューションを構築するための選択肢の多様性を高め、サードパーティによる様々なアプリケーション構築を可能にするため、極めて重要である』と述べており、『さらに、スマートコントラクトベースのインフラの業界標準をサポートすることになる』とも説明しています。
「EMURGO」のCEOである児玉健氏と、「カルダノ財団」のCEOであるFrederik Gregaard氏は、今回のプロジェクトについて次のようにコメントしています。
【EMURGO:児玉健氏】
EMURGOは、価値あるCardanoのインフラコンポーネント開発を全面的にサポートしており、経験豊富なチームによる開発に向けて貢献できることを嬉しく思っています。カルダノではスマートコントラクト機能がサポートされるようになりましたが、新しいツールスタックによって開発者の人々は社会的にインパクトのあるDAppsをカルダノ上で構築するための有用な選択肢を得ることができるようになります。
【カルダノ財団:Frederik Gregaard氏】
EMURGOとの提携を通じてツールスタックを開発することによって、カルダノ上でサードパーティのスマートコントラクトを開発するための活発で包括的なエコシステムが実現します。これは、私たちが検討している一連のオープンソースアーキテクチャの最初のものであり、それを推し進めていけることに興奮しています。私たちは、コミュニティにツールを提供し、サポートを提供し、未来のアーキテクトを確実に実現したいと考えています。
ここ最近ではカルダノブロックチェーンを基盤としたサービスが続々と登場してきていますが、新たな開発者向けツールが提供されることによって今後はさらにカルダノの技術を活用したアプリケーションの開発が加速し、Cardanoエコシステム全体の成長につながると期待されています。
>>「Cardano Foundation」の公式発表はこちら
>>「EMURGO」の公式発表はこちら
こちらの記事もあわせてどうぞ
2022年1月19日|カルダノエイダコイン(ADA)の価格
カルダノエイダコイン(Cardano/ADA)の価格は先日18日に184円付近まで回復したものの、その後は再び下落しており、2022年1月19日時点では「1ADA=160.05円」で取引されています。
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