アービトラム(Arbitrum/ARB)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など
アービトラム(Arbitrum/ARB)に関する基本情報や特徴をなどをわかりやすく解説するとともに、取扱う暗号資産取引所・価格・チャート・対応ウォレット・関連リンクなどの情報もまとめて掲載しています。
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アービトラム(Arbitrum/ARB)とは?
アービトラム(Arbitrum/ARB)とは、イーサリアムの取引遅延・手数料高騰などの問題を解決するために「Offchain Labs」が開発したレイヤー2スケーリングソリューションであり、仮想通貨ARBはアービトラムのガバナンストークンです。
イーサリアム(ETH)は、スマートコントラクトの機能を備えた代表的なブロックチェーンの1つですが、ネットワークの混雑によって取引遅延・ガス代高騰などの問題が発生しているため、現在はアービトラムのようなレイヤー2ブロックチェーンが多数開発されています。
レイヤー2ブロックチェーンとは、特定のブロックチェーンの"第2層目"に構築されたブロックチェーンのことであり、メインチェーンで行われる取引の一部を外部チェーンで処理することによって、メインチェーンにかかる負担を減らせる仕組みとなっています。
Arbitrumは、イーサリアムのレイヤー2の中でも特に有名なブロックチェーンの1つで、仮想通貨ARBは「BINANCE」などをはじめとする様々な大手暗号資産取引所に上場しています。
アービトラムのブロックチェーンでは、Web3アプリの使用・スマートコントラクトの展開など、イーサリアムで行うことができる全てのことが可能で、トランザクション(取引)もより安く、より早くなります。
アービトラム(ARB)の特徴
アービトラム(Arbitrum/ARB)の特徴としては以下のような点が挙げられます。
高速・低コストな取引を実現するL2チェーン
Arbitrumは、イーサリアムのブロックチェーンで行われる取引の一部を引き受けることによって、メインチェーンであるイーサリアムの機能性を拡張する代表的なレイヤー2スケーリングソリューションです。
アービトラムは「イーサリアムの外で複数の取引をまとめて処理し、そのデータを圧縮してメインチェーンに投稿する」という方法を採用しているため、通常かかる高額なコストを分散してエンドユーザーの費用を軽減できる仕組みとなっています。
イーサリアムが1秒あたりに処理できるトランザクションは14件ほどとされていますが、アービトラムは最大毎秒40,000件のトランザクションを処理することが可能で、トランザクションも約2セントほどで実行できると報告されています。
これによって、Arbitrumのネットワークではイーサリアムのセキュリティ性能を活かしつつ高速かつ低コストな取引が可能になり、Ethereumにかかる負荷も軽減することができるようになっています。
「Optimistic Rollups」を採用
取引の一部をメインチェーンの外部で処理してレイヤー1に記録する技術は「ロールアップ」と呼ばれますが、アービトラムはロールアップ技術の1つである「Optimistic Rollups」を採用しています。
Optimistic Rollups(オプティミスティックロールアップ)は「楽観的なロールアップ」という意味で、不正がないことを完璧に検証してからデータを記録するのではなく、"不正がない"という前提で処理を行うことによって、高速・低コストな処理を実現しています。
ただし、Optimistic Rollupsには「不正が発覚した場合には、不正が行われた時点までの時系列の巻き戻しと正しいデータへの差し替えが必要になり、それらの処理に相応の時間がかかる」というデメリットがあります。
EVM互換でDAppsなどの移植が容易
Arbitrumのブロックチェーンは、スマートコントラクトを実行するために必要なプログラミング言語の翻訳機と機能するイーサリアム仮想マシン(EVM)との互換性を有しています。
EVMとの互換性を有しているブロックチェーンでは、イーサリアムで使用されるスマートコントラクトを記述するためのプログラミング言語「Solidity」で書かれたソースコードを修正なしで稼働させることができます。
これは「イーサリアム基盤で開発されたDAppsを簡単に移植できる」ということを意味します。アービトラムはイーサリアムよりも高速かつ低コストな取引環境を実現しているため、多くのDAppsがアービトラムに移植されてきており、今後も技術活用はさらに拡大すると期待されています。
分散型自律組織(DAO)による運営
Arbitrumは元々、開発元である「Offchain Labs」によって運営されていましたが、2023年3月16日には分散型自律組織(DAO)である「Arbitrum DAO」による運営に移行することが発表されました。
分散型自律組織(DAO)とは、ブロックチェーン上で世界中の人々が協力して管理・運営する特定の所有者や管理者が存在しない組織のことを指します。
アービトラムでは、ガバナンストークンとして機能する「ARB」が発行されているため、ARB保有者はDAOの投票でアービトラムの運営に関する意思決定プロセスに参加することができます。
Arbitrum関連の用語解説
Arbitrum One
Arbitrum Oneは、2021年8月31日に正式ローンチされたArbitrumの公式メインネットです。
Arbitrum Oneは、アービトラム仮想マシン(Arbitrum Virtual Machine/AVM)と呼ばれる実行環境で一連のトランザクション処理を行います。
AVMは、イーサリアムのブロックチェーンでスマートコントラクトを実行するための翻訳機として機能するイーサリアム仮想マシン(Ethereum Virtual Machine/EVM)との互換性を有しています。
Arbitrum Nova
Arbitrum Novaは、イーサリアムのブロックチェーン上のデータストレージを削減することに焦点を当てた新しいチェーンです。このチェーンは一部の分散性を犠牲にすることによって低コストな処理を可能にします。
Arbitrum Oneは誰でもバリデーターになれる仕組みを採用していますが、Arbitrum Novaは選定されたバリデーターグループである「データ可用性委員会(DAC)」に依存するセキュリティモデルを採用することによって"超低額の取引手数料"を実現します。
Arbitrum Oneはイーサリアム上に完全なトランザクションデータを保存しますが、Arbitrum Novaは別の場所でデータを処理してデータ可用性証明書(DA証明書)をイーサリアムに保存してデータの可用性を保証します。
これはブロックチェーンの特徴である"分散性"を犠牲にするものですが、これによって迅速かつ低コストな取引処理が実現します。
そのため、Arbitrum Novaは低コストで大量の取引処理を行う必要がある「ゲーム・ソーシャルプロジェクト・dApps」などで主に利用されています。
Arbitrum Nitro
Arbitrum Nitroは、2022年8月31日に実施された「Arbitrum Oneの大型アップグレード」です。この大型アップグレードはArbitrumの性能をさらに強化するもので、取引処理・コスト・EVM互換性などの面でメリットをもたらしています。
Nitroによって、開発者は標準的なプログラミング言語を使用することができるようになったため、開発の範囲が広がり、より多くの開発者がアービトラムに引き寄せられることになりました。
Arbitrum Orbit
Arbitrum Orbitは、2023年6月22日にリリースされたアービトラム上に独自のレイヤー3ブロックチェーンを立ち上げるための専用ツールパッケージです。
このツールパッケージを使用すると「Arbitrum One」や「Arbitrum Nova」、テストネットの「Arbitrum Goerli」の上に独自の専用チェーンを作成することが可能となります。
アービトラムに接続されたレイヤー3ネットワークは「Orbit chain」と呼ばれており、開発者は独自チェーンでプライバシー・権限・手数料トークン・ガバナンスなどのカスタマイズを行うことが可能となっています。
Orbit chainは他のOrbit chainとの相互通信も可能となっており、スマートコントラクトやアプリをローカル環境でテストできるサンドボックス環境「Orbit Devnet」も展開されています。
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Arbitrum(ARB)の基本情報
名称 | アービトラム(Arbitrum) |
ティッカーシンボル | ARB |
基盤ブロックチェーン | Ethereum |
発行開始日 | 2023年3月23日 |
総供給量 | 10,000,000,000 ARB |
運営元 | Arbitrum DAO |
Arbitrum(ARB)のコントラクト一覧
【Arbitrum】
0x912CE59144191C1204E64559FE8253a0e49E6548
【Arbitrum Nova】
0xf823C3cD3CeBE0a1fA952ba88Dc9EEf8e0Bf46AD
【Ethereum】
0xB50721BCf8d664c30412Cfbc6cf7a15145234ad1
ARBの価格・チャート
ARBを取扱う暗号資産取引所
ARBが上場している暗号資産取引所としては、以下のような取引所が挙げられます(2023年12月時点)。
【日本国内の暗号資産取引所】
・OKCoinJapan(オーケーコインジャパン)
・ビットバンク
【海外の暗号資産取引所】
・BINANCE(バイナンス)
・KuCoin(クーコイン)
・OKX(オーケーエックス)
・Bybit(バイビット)
・Bitget(ビットゲット)
・Gate.io(ゲート)
・MEXC(エムイーエックスシー)
など
Arbitrum(ARB)対応ウォレット
ARBを保管することができる代表的なウォレットとして以下のようなものが挙げられます。
・MetaMask(メタマスク)
・Trust Wallet(トラストウォレット)
・Trezor(トレザー)
・Ledger(レジャー)
Arbitrum(ARB)関連リンク
・Arbitrum公式サイト
・Arbitrum財団公式サイト
・Arbitrum公式Twitter
・Arbitrum公式Discord
・Github
・エクスプローラー(arbiscan)
・エクスプローラー(nova-explorer)
・エクスプローラー(etherscan)
国内で取引可能な仮想通貨一覧