イーサリアムで現実世界の資産をトークン化|金融大手UBSが実証実験を開始
トークン化ファンドの試験運用を開始
スイスに本店を構える大手金融サービス企業「UBS」は2023年10月2日に、イーサリアムのブロックチェーンを活用したトークン化ファンドに関する実証実験を開始したことを発表しました。
実証実験を行うのは大手資産運用会社である「UBS Asset Management」で、変動資本会社(Variable Capital Company/VCC)によるトークン化されたファンドで初の試験運用を開始したと報告されています。
このファンドは、シンガポール金融管理局(MAS)が主導する官民連携イニシアチブ「Project Guardian」の一環として始まったもので、現実世界の資産(RWA)をトークン化してブロックチェーン上に持ち込むための取り組みの1つとなっています。
具体的にはUBS Asset Managementのトークン化サービスである「UBS Tokenize」を活用、イーサリアムのスマートコントラクトも活用していて、ファンドの加入や償還など様々な活動を行うことができると説明されています。
また「この実証実験はUBS Asset Managementのグローバルな分散型台帳技術(DLT)戦略の一環であり、資金の発行と分配を強化するためにパブリック/プライベートなブロックチェーンネットワークを活用することに重点を置いている。これは、UBS Tokenizeを通じたトークン化サービス拡大の一環でもある」とも説明されています。
UBS Asset Managementのシンガポール&東南アジア担当責任者であるトーマス・カエギ氏は、今回の取り組みについて次のようにコメントしています。
これは、債券や仕組債のトークン化におけるUBSの専門知識を基に、ファンドのトークン化を理解する上で重要な節目となります。私たちはこの探索的な取り組みを通じて、伝統的な金融機関やフィンテックプロバイダーと協力し、顧客のために市場流動性と市場アクセスを改善する方法を理解するお手伝いを行っていきます。
なお、UBS Asset Managementは「Project Guardian」の下でさらなる実証実験を実施するための準備も進めているとのことで、より広範なパートナーと連携して様々な投資戦略を探求していく予定だと報告されています。
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(UBS発表)