ブロックチェーンは「アイルランド国境問題」を解決できる ー 英国ハモンド財務相

by BITTIMES

ブロックチェーン(Blockchain)の技術を用いて、イギリスのEU離脱に伴う「アイルランドの国境問題」を解決する方法が検討されています。英国の財務大臣であるPhilip Hammond(フィリップ・ハモンド)氏は、このことについて言及し、それらの技術を活用することによって複数の問題を解決できる可能性があると述べています。

こちらから読む:グローバル取引の問題解決へ「ブロックチェーン」の活用事例

EU離脱によって起こる「アイルランド国境問題」

アイルランド周辺の地図(引用:GoogleMap)アイルランド周辺の地図(引用:GoogleMap)

イギリスの「EU離脱」は2019年3月に予定されていますが、実際に離脱した後も英国の一部である「北アイルランド」にEU規制が適用され続けることになれば、北アイルランドと英国本土の間にあるアイリッシュ海に国境が設けられることになるため、実質的に北アイルランドは英国から分断されることになります。

そうなった場合には、EU加盟国であるアイルランド共和国(南アイルランド)と英国の間で結ばれた、英国の北アイルランド6州の領有権主張を認める和平合意(グッドフライデー合意)までもが崩れかねないため、昨年12月には「北アイルランドも英国と同じ条件でEUから離脱しなければならない」といった宣言なども出されています。

北アイルランドは"EU"よりも"英国"の経済に依存しているため、英国との間に国境や関税などの障壁ができることは非常に重要な問題となります。このようなことから、英国がEUを離脱した後の"国境を超えた商品の取引"をどのように処理するかといった「アイルランド国境問題」は、イギリスのEU離脱に関連する非常に重要な問題となっています。

ブロックチェーン技術で「物品を追跡・管理」を適切に

blockchain

イギリスの財務大臣であるPhilip Hammond(フィリップ・ハモンド)氏は、10月1日に英国バーミンガムで開催された保守党会議の声明の中で『イギリスがEUを離脱した後に、アイルランドの国境を越えて摩擦のない取引を行うための問題点は"ブロックチェーン技術"を使用することで解決できる可能性がある』と語りました。

同氏は、『イギリスがEUを離脱した後、政府はどのような方法でアイルランドの国境問題に対処するのか?』という質問に対して次のように答えています。

テクノロジーの力を利用することができると考えています。私は専門家ではありませんが、ブロックチェーンの技術は最も活用できる可能性があると言えるでしょう。

問題解決のためにブロックチェーン技術をどのような方法で使用するのかについての具体的な説明はされていませんが、ブロックチェーン技術を用いて取引を記録すれば物品を追跡することができ、多くの情報を適切に管理することができるため、同氏が述べているようにブロックチェーン技術を用いることによって複数の問題を解決できるとも考えられます。

ブロックチェーンの技術が「英国独立」を進める

pursuit

EU離脱後のアイルランド国境問題を解決するための策として「ブロックチェーン」の利用が提案されたのはこれが初めてではありません。

情報の信ぴょう性を高めることなどの目的から「大学教授」などの権威ある人物らよって運営されている非営利のニュースメディア「The Conversation」は今年の初めに、ブロックチェーン技術がどのような方法で"EU離脱後の国境を超えた取引を促進することができるか"についての記事を発表しています。

世界各国の関税局は、国境を超えた取引の効率を改善するための技術的手段を探し求めています。"紙"を使用した方法は着実に電子的な税関手続に置き換えられました。電子申告書はより簡単に提出できる上に、異なる税関の間をより迅速に移動することができます。このようなことから、英国とEUは完全な電子税関システムを作成していると考えられます。

シンガポールは、今年初めに世界初の電子商取引証明書(eCO)のためのブロックチェーンベースのプラットフォームを発表しています。これと同様の技術は「アイルランドの国境問題」にも活用することができます。

ここで解決すべき重要な問題は、英国が「北アイルランド」と「アイルランド共和国」の間に"堅固な境界線を作りたくない"と考えているということです。英国政府は"国境に物理的なインフラや関連する小切手の規制はない"と約束しています。

問題となるのは、「アイルランド共和国」が商品やサービスを自由に移動することができる「EU」の一部であるということです。

このようなことから、「北アイルランド」への通関手続きでEU企業が「アイルランド共和国」に製品を移動させないようにするために政府はどうしたら良いか?という問題が議論されてきましたが、現在はその解決策としてブロックチェーンの技術が役立つ可能性があると考えられています。

ブロックチェーンの技術を活用すれば商品やサービスの動きを追跡することができるため、市民に対して過剰な国境審査を課すことなく追跡することができるようになり、アイルランドの国境を確保しつつ英国の独立を進めることができると考えられています。

イギリスのEU離脱日「Brexit dey(ブレグジット・デー)」は、計画通りに進められれば「2019年3月29日」に予定されているため、今後もブロックチェーン技術の様々な分野への活用とともにこの問題への活用についても議論が交わされていくこととなるでしょう。

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