大手企業「8割以上」がブロックチェーン活用方法を模索|世界一の会計事務所が調査報告
世界最大の会計事務所である「Deloitte(デロイト)」は、ブロックチェーン技術に対する企業の関心を調査し、その結果を報告しました。このデータでは回答者の大半がこの新しい技術に大きな可能性を感じ、活用していこうと考えていることが示されており、数年前まではあまり認知されていなかった「Blockchain」が徐々に"当たり前の存在"になってきていることが表れています。
こちらから読む:世界中で急速に普及している「ブロックチェーン技術」とは
企業重役の大多数が「ブロックチェーン」を重要視
Deloitte(デロイト)が最近報告した調査内容では、アンケートに回答した人々の大半がブロックチェーン技術を重要視しており、将来的にこれらの技術の大量採用を起こると確信し、自分たちも今後これらの技術に投資していこうと考えているということが明らかにされています。
この調査は、
・ブラジル
・カナダ
・中国
・ドイツ
・イスラエル
・ルクセンブルク
・シンガポール
・スイス
・アラブ首長国連邦
・イギリス
・アメリカ
・香港
など12カ国の企業で上級管理職を務めている1,386人を対象に行われており、それぞれの回答者が属する企業の年間売上高は「米国の回答者で100万ドル(約1.1億円)以上」で、「米国以外の回答者は1億ドル(約110億円)以上」だと報告されています。
回答者はブロックチェーン技術に関する幅広い知識を有しており、組織の投資計画にも精通している人物が選ばれているため、ブロックチェーン技術に関する知識や理解を深めた上で、ブロックチェーン技術の将来に大きな可能性を感じているということがわかります。
報告された調査内容の一部と、回答者の割合は以下のようになっています。
ブロックチェーンと組織の関連性について
ブロックチェーンと組織の関連性や将来の計画などに関する質問では、非常に多くの回答者がブロックチェーン技術を重要視していることが示されています。
86%:ブロックチェーンの大量採用は起きると確信している
83%:ブロックチェーンの魅力的な活用方法を模索している
53%:ブロックチェーンの統合は自社の最優先項目のTOP5に入る
48%:ブロックチェーンプロジェクトに500万ドル(約5.5億円)以上投資する予定
また「よくわからない」または「ブロックチェーン技術が必要であると思わない」と回答したのは全体のわずか6%だけであったことも報告されています。
技術採用の「メリット」とは?
ブロックチェーン技術の利点だと思う点にに関するアンケートの結果は以下のようになっており、回答者の多くが「新しいビジネスモデルやバリューチェーン」または「強固なセキュリティや低いリスク」に魅力を感じているということが示されています。
23%:新しいビジネスモデルとバリューチェーン
23%:より強固なセキュリティ、またはより低いリスク
17%:既存のシステムと比較してより速い速度
11%:より高い透明度
9%:低コスト
ブロックチェーン投資を阻む「障壁」とは?
ブロックチェーンに投資する際の「障壁」となる要因としては以下のような項目が挙げられています。
・実装
・規制上の問題
・潜在的なセキュリティの脅威
・社内能力の欠如
・不確実な投資収益率
コンソーシアムに「参加する利点」とは?
近年では「ブロックチェーンコンソーシアム」に参加する企業も増加してきていますが、今回の調査ではそれらのコンソーシアムに参加した際に期待できる利点に関する調査も行われています。期待される利点とその割合は以下の通りです。
57%:コスト削減
55%:学習の加速
47%:リスク共有
45%:普及率の拡大
また、コンソーシアムを選ぶ際に重要視する選択基準としては以下のようなものが挙げられています。
41%:協力の目的
37%:他のメンバーの質と水準
36%:グループが影響力を持つ証拠
36%:影響を与える機会があるかどうか
36%:手頃な参加費用
ブロックチェーン技術は「当たり前の存在」に
Deloitteは、企業や組織は「このテクノロジーが機能するかどうか」に関してはそれほど心配しておらず、その代わりに「これから混乱が巻き起こるのはどのビジネスモデルなのか」に焦点を当てていると結論付けています。
回答者の86%は「ブロックチェーン技術はスケーラブルであり、最終的には主流の技術になる」と考えていますが、それと同時に43%の人々はこの技術がこれからさらに拡張されていくと考えています。
デロイトは、経営陣に対する質問は「ブロックチェーンは機能するか?」ではなく「ブロックチェーンをどのように機能させることができるか?」へと変化したと結論付けており、数年前まではあまり認知されていなかったブロックチェーン技術が、現在は"当たり前の存在"になっていることを強調しています。
仮想通貨(暗号資産)に投資しようと考えている投資家が非常に増えてきているのと同様に、ブロックチェーン技術を活用しようと考えている企業も急速に増加してきているため、今後も暗号市場はさらに大きな成長を遂げていくことになると予想されます。
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