米証券取引委員会:どの仮想通貨が有価証券か?判断基準となる「ガイダンス提供」計画

by BITTIMES

米国証券取引委員会(SEC)の企業金融部長であるWilliam Hinman(ウィリアム・ヒンマン)氏は、「どの仮想通貨(Cryptocurrency)が有価証券に該当するか」をICOトークン発行者が簡単に判断することができるようにするために「わかりやすい英語」を使ったガイダンスを公開し、判断基準を明確化していく予定であることを明かしました。

こちらから読む:仮想通貨業界への影響大?「米国証券取引委員会」とは

ICOガイダンスで分類を明確化

guidance

米国証券取引委員会(SEC)は、仮想通貨の発行を計画している発行者に対してそれらの仮想通貨が「有価証券に該当するかどうか」を簡単に判断することができるガイダンスを作成しているということが「Coindesk」の報道で明らかになりました。

Coindeskは、SECの企業金融部門でディレクターを務めているWilliam Hinman(ウィリアム・ヒンマン)氏がこのことを明かしたと伝えています。

これまでは、どのような仮想通貨が「有価証券」に分類されるのかを判断するための明確な基準が示されておらず、専門的な用語も多かったことなどから「実際にどの仮想通貨が有価証券に該当するのか?」を判断するのが難しいという問題がありました。

ヒンマン氏は、このような問題を解決することができる「わかりやすい英語」を用いたガイダンスを作成していると述べており、このガイダンスを参考にすることによって、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)などを通じて仮想通貨やトークンを発行する人々は自身が発行する仮想通貨が有価証券に該当するかどうかを簡単に判断することができるようになると説明しています。

またこのガイダンスを用いても有価証券に該当するかどうかが判断できない人々のための相談窓口となる「FinHub」なども設立されており、この窓口に連絡することによってより詳しい説明を受けることができるとも報告されています。これによって「有価証券」に関する多くの問題が解決すると期待されていますが、現時点ではこれらのガイダンスがいつから導入されるのかについての詳しい情報は明らかになっていません。

ICO審査・登録の「透明性」を共有

Security-token

ヒンマン氏は、SECがICOプロジェクトを審査する際にどのような点に焦点を当てているかについても明かしています。同氏によると、SECが審査しているのは、経理・保管・トークン価格などの点であり、これまでに当局に提出されたプロジェクトの一部もこのような点で審査が行われたとされています。

ヒンマン氏は、『ICOの審査や登録を分かち合いたい』とも述べており、『私たちももう少し透明性を共有したいと思っている』と語っています。

また同氏は、トークンセールで販売される仮想通貨が「証券に該当するかどうか」を判断する際には、投資収益率に対する期待などの要因をもとに検討していく予定であることも明かしています。

誰かが第三者に投資案件を持ちかけた際に、第三者が仮想通貨やトークンから発行者が利益を得られると感じた場合や、そこからの利益を期待している場合、私たちはそれを「有価証券」として分類するつもりです。

仮想通貨分類の現状

bitcoin-ehereum-free

昨年7月にSECは「自律分散型組織」の意味を持つ「The DAO」のトークンは有価証券に該当する可能性があると発表しています。これによって、その他数多くのトークンも有価証券に分類される可能性があることが注目を集め、その後もそれらの仮想通貨が「有価証券」に分類されるかどうかについての議論が行われてきました。

今年6月にヒンマン氏は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)イーサリアム(Ethereum/ETH)は特定の機関によって集中管理されていないため、有価証券に該当しないとの見解を示していますが、これはヒンマン氏自身の考えであるため、最終的にSECがどのような判断を下すかについては、今のところわかっていないのが現状です。

有価証券の判断基準「明確化」の重要性

Doubt

仮想通貨やトークンが「有価証券」に分類された場合には、ICOの市場に重大な問題を引き起こす可能性があります。証券として分類された仮想通貨は登録を完了するまで「未登録証券」として扱われることになるため、SECによる罰則や民事訴訟に発展する可能性があります。

世界中で幅広く活用されているリップル(Ripple/XRP)は、以前に「未登録証券を販売した」という内容の集団訴訟を受けており、多くの議論を巻き起こしています。

また有価証券に分類されたトークン(セキュリティトークン)は、取引できる仮想通貨取引所も限られてくることになるため、流動性の低下などの懸念もあり、それらの複数の理由から価格が大幅に下落する可能性もあります。このようなことなどから、仮想通貨業界にとって特に重要なものでもある「SECの判断基準」は、仮想通貨投資家にとっても今後注目しておくべき重要な話題の一つであると言えるでしょう。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連のある仮想通貨ニュース

仮想通貨への疑心が好奇心に|アイルランドの投資家が300%も増加

仮想通貨への疑心が好奇心に|アイルランドの投資家が300%も増加

ビットコインの希少価値、今後更に高まる「0.28BTC」を持てるのは世界でたった1%

ビットコインの希少価値、今後更に高まる「0.28BTC」を持てるのは世界でたった1%

ビットコイン「再び急落」の可能性|強気相場突入前に70万円台接触か

ビットコイン「再び急落」の可能性|強気相場突入前に70万円台接触か

スターバックス:ブロックチェーンで「コーヒー豆」の生産情報を管理|Microsoftと協力

スターバックス:ブロックチェーンで「コーヒー豆」の生産情報を管理|Microsoftと協力

国際問題解決に向けブロックチェーン企業6社に「10万ドル」を投資|UNICEF

国際問題解決に向けブロックチェーン企業6社に「10万ドル」を投資|UNICEF

資産裏付型STOで「SBI証券・野村證券・三菱UFJ信託銀行・ケネディクス」の4社が協業

資産裏付型STOで「SBI証券・野村證券・三菱UFJ信託銀行・ケネディクス」の4社が協業

注目度の高い仮想通貨ニュース

テレグラムで「深刻な脆弱性」報告|利用者が行うべき対応は?

テレグラムで「深刻な脆弱性」報告|利用者が行うべき対応は?

Shibariumのハードフォークについて詳しく説明「The Shib:Edition 23」公開

Shibariumのハードフォークについて詳しく説明「The Shib:Edition 23」公開

Trust Wallet「iOS・iMessageの脆弱性」について警告|仮想通貨保有者も標的になる可能性

Trust Wallet「iOS・iMessageの脆弱性」について警告|仮想通貨保有者も標的になる可能性

ジャック・ドーシー率いるBlock社「ビットコイン毎月購入計画」を発表

ジャック・ドーシー率いるBlock社「ビットコイン毎月購入計画」を発表

CoinCodex「2024年5月のSHIB価格高騰」を予測

CoinCodex「2024年5月のSHIB価格高騰」を予測

Flare Network:分散型のCEXスタイル取引アプリ「Raindex」リリース

Flare Network:分散型のCEXスタイル取引アプリ「Raindex」リリース

ソニー銀行「ステーブルコイン発行に向けた実証実験」を正式発表|Polygon・SettleMintと協力

ソニー銀行「ステーブルコイン発行に向けた実証実験」を正式発表|Polygon・SettleMintと協力

米検察:BINANCE創業者CZ氏に「懲役3年」を求刑

米検察:BINANCE創業者CZ氏に「懲役3年」を求刑

ソラナDEXアグリゲーター「Jupiter」モバイルアプリ公開へ|Ultimate Walletを買収

ソラナDEXアグリゲーター「Jupiter」モバイルアプリ公開へ|Ultimate Walletを買収

「ビットコインはまだまだこれから」SkyBridge創業者の強気なBTC価格予想

「ビットコインはまだまだこれから」SkyBridge創業者の強気なBTC価格予想

ぺぺのカムバックを逃した?次のチャンスとして注目される仮想通貨

ぺぺのカムバックを逃した?次のチャンスとして注目される仮想通貨

トークンが乱立する仮想通貨業界、今後は「プロジェクト合併」が進む?

トークンが乱立する仮想通貨業界、今後は「プロジェクト合併」が進む?

仮想通貨ニュース | 新着記事一覧

仮想通貨まとめ一覧

Flare基盤のDeFi・DEX「BlazeSwap」とは?機能・使い方などを解説

Flare基盤のDeFi・DEX「BlazeSwap」とは?機能・使い方などを解説

ビットコイン「第4回目の半減期」完了|価格への影響や仕組みをわかりやすく解説

ビットコイン「第4回目の半減期」完了|価格への影響や仕組みをわかりやすく解説

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

人気のタグから探す