カルダノの新たなNFT・トークン送信方法「ワープトランザクション」が登場
NFT・トークン送信者のADA負担を軽減
カルダノ(Cardano/ADA)エコシステム向けのオープンソース開発者ツールを構築している「Strica」は2023年9月6日に、送信者側のADA添付なしでトークン/NFTを送信できるようにする「Warp Transactions」を発表しました。
Warp Transactions(ワープトランザクション)は「Typhon Wallet」と呼ばれるウォレットで利用できる送金方法で、トークン・NFTの送信時に送信者側に発生するADAの負担を減らすことができると伝えられています(トランザクション手数料は必要)。
カルダノでトークン/NFTを転送する際には、チェーンを攻撃やスパムから保護するために「最低1.14 ADA」を添えてトークンを転送する必要がありますが、ワープトランザクションを使用すると送信者はADAを添付せずにトークンを送信できるということが説明されています。
具体的には、トークン送信時に「送信者と受信者の両方が署名を行う方法」が採用されているとのことで、『これは純粋なUTXOトランザクションであり、スマートコントラクトを使用しないオンチェーンメカニズムを利用している』と説明されています(*1)。
(*1)UTXO:未使用トランザクションアウトプットの略。アカウントの残高をそのままデータとして管理・記録するのではなく、取引データのみに基いて残高を計算して求める方法。
両方の当事者が拒否/キャンセル可能
ワープトランザクション(Warp TX)は「Typhon Wallet」のユーザー間でのみ利用することが可能で、この機能を利用した取引は送信者・受信者の両方が拒否/キャンセルできるとされています。
送信されたトークンは、ワープトランザクションが完了するかキャンセルされるまで保留される仕組みで、この情報はホームページで簡単に確認できるとのことです。
なお、ワープトランザクションは24時間で自動的に期限切れとなるため、受信者による署名がない状態が24時間続いた後は、トランザクションがキャンセルされ、チェーン上に存在することはないとのことです。
手数料などその他の補足事項
ワープトランザクションではADAを使用せずにトークンを送信できるとされていますが、具体的には「トークン送信時に必要となる添付分のADAを"受信者側"に負担させる方法」が採用されているため、受信者側のウォレットにはある程度の残高が必要になるとのことです。
また、取引を行う際に必要となる"送信者・受信者の署名"に関しては「Typhon Walletでは数回のクリックだけで簡単に署名を行うことができるため、通常の取引と同じくらい簡単に取引できる」ということが説明されています。
ワープトランザクションを利用できるのは記事執筆時点で「Typhon Wallet」のみとなっていますが、この機能は他のウォレットにも実装することができるようになっているため、今後の展開によっては他ウォレットでワープトランザクションが実装される可能性もあると考えられます。
なお「Typhon Wallet」の拡張機能はこちらのページからダウンロードすることが可能です。
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(Strica発表)