
カルダノ創設者、Leios(レイオス)「完全な分散化によりソラナ並みのスピードを実現」
カルダノが目指す分散型高速化
カルダノ(Cardano/ADA)の創設者チャールズ・ホスキンソン氏は2025年3月30日に、仮想通貨ポッドキャスト「The Wolf of All Streets」で、次期大型アップグレード「Leios(レイオス)」について言及しました。
ホスキンソン氏は「Leiosは完全な分散化を維持しつつソラナ(SOL)並みの処理速度を実現する。しかもネットワークが停止したことも一切ない」と語り、中央集権化やダウンタイムを招かずに高スループットを達成できる点を強調しました。
ソラナ(SOL)は圧倒的な処理速度で知られますが、2020年のメインネット稼働以来、13回以上の重大なネットワーク停止を経験しています。また、バリデーターの数や運用スペックの高さから中央集権化への懸念も指摘されています。
ホスキンソン氏はこうした点を踏まえ「カルダノは7年間一度もダウンせずに稼働してきた。これは設計段階から徹底して分散化と安定性を追求してきた成果だ」と述べ、高い分散性と安定した稼働実績を持つカルダノが、ソラナ級の性能を達成するLeiosアップグレードの意義を語りました。
注目が集まるカルダノとは
Leios(レイオス)とは何か?
カルダノの既存プロトコル「Ouroboros Praos/Genesis」では、データの伝播とブロック検証が一体化しており、一度に処理できる取引数に限界がありました。この問題を解決するために考案されたのが、新たなレイヤー1プロトコル「Leios(レイオス)」です。
Leiosは、カルダノのトランザクション処理能力(TPS)を飛躍的に高めることを目的としており、最大の特徴は「並列ブロック生成」という革新的なスケーリング技術にあります。
従来のブロックチェーンではブロック生成が直列(一つずつ順番)に行われますが、Leiosでは複数のブロックを並行して処理できるよう設計されています。
具体的には、検証(コンセンサス)プロセスと取引データの伝播を分離する「インプットエンドーサー」と呼ばれる並列処理の仕組みを統合しており、ネットワークは複数の取引ブロックを同時進行で処理しつつ、確定順序やセキュリティを維持します。
これによりセキュリティや分散性を損なうことなくトランザクションスループットを大幅に増強できる次世代プロトコルとして、カルダノのスケーラビリティ問題に対応します。
ブロックチェーンの基礎知識
Leios開発ロードマップと最新状況
カルダノの開発チーム(Input Output)は、Leios導入に向けたロードマップを段階的に進めています。
まず2022年11月には研究論文「Ouroboros Leios: design goals and concepts」が公開され、正式仕様の策定が行われました。
その後、HaskellやRustによるシミュレーション検証が進められ、18種類のネットワークシナリオにおいてLeiosプロトコルがメインネット規模まで拡張可能であることが確認されています(※一部シナリオで毎秒30ブロック生成時に輻輳が発生する課題も報告)。
現在もコード統合やテストが継続中ですが、2025年のロードマップ上では Leiosのノードソフト統合・テストネット展開・メインネット適用へと至る重要ステップが計画されています。
カルダノ2025年ロードマップ
Leiosアップグレードによるカルダノへの期待
画期的なLeiosプロトコルについて、業界内からも様々な声が上がっています。
Web3アドバイザーでCardanoコミュニティの著名人ヴァネッサ・ハリス氏は、Leiosを「ディズニー級に印象的」と評し、その卓越性を称賛しました。
ハリス氏は「UTXOモデルだからこそ可能な取引速度10倍の改善。ブロックの合間にアイドル状態のノードが計算を行い、次のブロックに成果をバンドルできる」と具体例を挙げてLeiosの仕組みを分かりやすく解説しています。
一方で、コミュニティ内には開発の優先順位に疑問を呈する意見もあります。
あるカルダノ支持者は「Leiosの注目度が高まったのが最近になってからというのは驚きだ。カルダノ開発チームは、当初から最重要課題として取り組むべきだった。コミュニティ投票で承認された後になって初めて慌ただしく動き出すのは後手に回っているように感じる」と指摘し、カルダノのイノベーション推進に対する姿勢を批判しました。
このように賛否両論はあるものの、Leiosアップグレードが与えるカルダノへの期待は大きく、ユーザーの中には「実装されればADA価格にもポジティブな影響をもたらす」と予測する声も出ています。
アップグレードによる価格上昇を予想
分散化とスピードの両立:カルダノの挑戦と展望
カルダノはこれまで、ブロックチェーントリレンマ(分散性・スケーラビリティ・セキュリティの三立)に挑むアプローチを堅実に積み重ねてきました。
初期ロードマップの最終段階「Voltaire(ボルテール)」を経て、現在はコミュニティ主導のガバナンス体制が整いつつあり、次なる「カルダノ2.0」とも言える技術拡張フェーズに入っています。
拡張ロードマップでは、L1スケーリング技術のLeios導入や、並行してHydra(ハイドラ)・Midgard(ミッドガルド)といったレイヤー2ソリューションの拡充、クロスチェーン相互運用性の強化などが柱に据えられています。
Leiosはその中核を成す技術であり、これが実現すればカルダノは「ソラナ級の速度」と「ビットコイン級の分散性・信頼性」を兼ね備えた唯一無二の基盤になる可能性があると期待が寄せられています。
ホスキンソン氏も「他のレイヤー1が成し遂げていない領域にカルダノは挑んでいる」と述べ、HydraやMidgardとの組み合わせによるモジュラーな拡張戦略で将来の需要に応えていくビジョンを示しました。
分散化を犠牲にせずスループットを極限まで高めるこの試みは、業界全体にとっても重要な実証になるとして、今後のLeios開発の行方に大きな注目が集まっています。
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Source:The Wolf of All Streets動画
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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