
PayPal、ソラナとチェーンリンクの送金・売買が利用可能に|仮想通貨7銘柄に拡充
PayPal、SOLとLINKのサポートを開始
決済大手PayPal(ペイパル)は2025年4月4日に、新たに仮想通貨ソラナ(SOL)とチェーンリンク(LINK)の取り扱いを開始したことを発表しました。
この発表により、米国のPayPalおよび傘下の決済アプリVenmo(ヴェンモ)のユーザーは、新たにSOLとLINKの売買・保有・送金が可能となります。
PayPalは「顧客から寄せられた要望を受けてこれらのトークン追加を決定した」と説明しており、LINKとSOLは今後数週間かけてユーザーのアカウントに順次反映される予定だとしています。
PayPalのブロックチェーン部門トップを務めるメイ・ザバネ氏は、今回の対応について次のようにコメントしています。
PayPalおよびVenmoにおいて取り扱うトークンの種類を拡充することで、ユーザーにより柔軟な選択肢と利便性を提供できるようになります。
これにより、信頼性の高いPayPalとVenmoのウォレット内で、仮想通貨(暗号資産)の購入・送金・支払いといった多様な用途に対応できるようになります。
今回の追加により、PayPalが米国でサポートする仮想通貨は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など主要4銘柄と、自社発行の米ドル連動型ステーブルコインPYUSD、そして新たなソラナとチェーンリンクの合計7種類となりました。
直接仮想通貨を売買・保有が可能に
PayPalの仮想通貨事業の拡大とPYUSDの発行
今回のソラナおよびチェーンリンク対応は、PayPalが進める仮想通貨事業拡大の一環と見られています。
PayPalは2020年10月にビットコイン、イーサリアム、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4銘柄について米国内で仮想通貨の売買サービス提供を開始し、翌2021年3月には対応通貨による決済機能「Checkout with Crypto」も導入しました。
その後もユーザーの要望に応える形でサービスを拡充しており、2022年6月には米国ユーザー向けに仮想通貨を外部のウォレットへ送受信できる機能を追加しています。
2023年8月には、自社独自の米ドル連動型ステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」を発行しました。PYUSDは米国ドル預金や短期国債などに裏付けされたデジタル通貨で、1PYUSD=1米ドルで換金可能な設計となっており、当初はイーサリアム(ERC-20)ブロックチェーン上で展開されました。
独自ステーブルコイン「PYUSD」を発表
法人向けサービスの拡充とマルチチェーン展開
さらに2024年5月にはPYUSDの対応チェーンを拡大し、高速決済が可能なソラナブロックチェーン上でもPYUSDの利用を開始しています。また2024年9月には、米国の法人顧客向け(ニューヨーク州を除く)にも仮想通貨の売買・保管サービスを提供開始し、ビジネスアカウントから直接仮想通貨を扱えるようにしました。
法人アカウントにも外部ウォレットへの送受信機能が追加されました。これは「消費者向けと同様の仮想通貨機能を事業者も利用したい」という加盟店の声を反映したものだと説明されています。
このようにPayPalはここ数年で仮想通貨分野への取り組みを着実に広げており、独自通貨PYUSDの発行や対応通貨の拡大、外部ウォレット連携やオン/オフランプ提供などを通じて、ユーザーがPayPal上でより便利に仮想通貨を活用できる環境を整えています。
こうしたPayPalの一連の取り組みは、仮想通貨を既存の金融サービスに統合し、便利で安全なデジタル通貨の環境を作るという同社の長期的な方針を示すものとして注目されています。
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Source:PayPal公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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