仮想通貨の投資誘致図る:韓国Kakaoがシンガポールに特殊法人「KLAYTN」を設立
韓国の大手インターネットコングロマリッドである「Kakao(カカオ)」は、仮想通貨を通じて海外からの投資を誘致するために「KLAYTN PTE.LTD」という名前の特殊法人をシンガポールに設立したと報じられています。
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仮想通貨KLAYで「約100億円」の資金調達
韓国・ソウルのニュースメディアである「News1」は、カカオ社の子会社である「GroundX(グラウンド・エックス)」に所属する新規法人「KLAYTN(クレイトン)」がシンガポールに設立されたと報告しています。またカカオはこの他にも投資金を管理するための別の特殊法人をシンガポールに設立する計画であるとも伝えらえています。
報道によると、カカオの関係者は『シンガポールに法人を設立したのは正しい』とは語ったものの、具体的な内容は公開しなかったと伝えられています。
カカオは今年の12月中に「KLAYTN」を通じて約1,000億ウォン(約100億円)規模の資金をベンチャーキャピタルや機関投資家から調達すると見られており、この資金調達では株式や法定通貨の代わりにGroundXが発行する仮想通貨「KLAY(クレイ)」を提供することによって投資金を受ける方式を採用しています。
また、この投資契約には単純にトークンを販売するだけでなく、カカオのブロックチェーン事業協力も含まれていると考えられており、集まった資金は同社が2019年の第一四半期に発売を予定しているブロックチェーンプラットフォーム「Klaytn」の開発費として使用されると見られています。
ブロックチェーン友好国|シンガポール
カカオが投資法人の設立場所としてシンガポールを選択した背景には、資金調達を行いやすく租税特典が大きいことなどが影響を及ぼしていると考えられます。シンガポールは昨年11月に中央銀行主導でICOのガイドラインを作成しており、ブロックチェーン関連事業にも友好的な政策を展開しているため、今年の6月にはLINE(ライン)がブロックチェーンビジネスのために設立した「LINE Tech Plus(ラインテックプラス)」と呼ばれる新規法人もシンガポールに設立されています。
カカオは先週、ステーブルコインプロジェクトである「Terra(テラ)」と新たに提携を結んでおり、テラの決済システムに「Klaytn」を使用することを発表しています。
またこの他にも「Klaytn」のブロックチェーンプラットフォームをベースとした報酬型の仮想通貨「カカオコイン」を新たに発行する可能性があるという意見も出ているため、今後はそれらの詳細情報についても新たな発表が行われると予想されます。