「通信業界向け」ブロックチェーン基盤の構築でOrbs・ConsenSys・IBMなどが協力
Orbs(オーブス)、IBM(アイビーエム)、ConsenSys(コンセンシス)などを含む複数のブロックチェーン関連企業が「通信事業者向けのグローバルブロックチェーン決済プラットフォーム」の構築で協力していくことが明らかになりました。このネットワークには、世界各国を代表する大手通信事業者などが数多く参加しており「通信事業者向けに自動決済アプリケーションの導入をサポートする」と伝えられています。
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大手通信事業者やテック企業が数多く参加
世界最大の通信事業者向けリーダーネットワークである「ITWグローバルリーダーズフォーラム(ITW Global Leaders’ Forum/GLF)」は、ブロックチェーンを基盤としたプラットフォームである「Communications Blockchain Network(CBN)」を発表しました。
このブロックチェーンプラットフォームは、情報通信技術(ICT)サービスプロバイダー業界の商業決済インフラストラクチャに革命をもたらし、業界にとって何十億もの価値のある機会を提供すると伝えられています。またCBNは、今後数カ月以内には稼働する予定となっており、業界全体の枠組みによって管理されるとのことです。
現在は、
・A1 Telekom Austria(A1テレコム・オーストラリア)
・China Telecom Global(チャイナ・テレコム・グローバル)
・Colt Technology Services(コルト・テクノロジーサービス)
・Deutsche Telekom Global Carrier(ドイツ・テレコム・グローバルキャリア)
・IDT
・Orange(オレンジ)
・PCCW Global(PCCWグローバル)
・Tata Communications(タタコミュニケーションズ)
・Telefonica(テレフォニカ)
・Telstra(テルストラ)
・TNZI
の合計11社がプラットフォームの設立を支援することで合意したと伝えられています。
さらにGLFは、主要なテック企業との提携を通じてリファレンスアーキテクチャを開発し、ICTサービスプロバイダーとテクノロジベンダの両方にとってオープンで相互運用可能なエコシステムの構築をサポートしています。
現在は、
・IBM(アイビーエム)
・Orbs(オーブス)
・ConsenSys(コンセンシス)
・R3
・Amartus
・Clear Blockchain Technologies
・CSGとその卸売業者
・Difitek
・Internet Mobile Communications
・Subex
・Syniverse
・TOMIA
など10社を超えるテック企業がプラットフォームをサポートしているとのことです。
情報通信業界に新たな繋がりを
ブロックチェーン技術を組み合わせれば、プロセスを自動化してセキュリティを向上させ、サービスプロバイダー間の決済プロセスに大きな利点をもたらすことができます。これはコンセンサスを築き、国際的な枠組みを構築するのにも役立ちます。
Communications Blockchain Network(CBN)は、まず初めに様々なテクノロジーと企業のコラボレーションを通じてフレームワークを作成すると伝えられています。これが複数のプロバイダーがネットワークに参加している理由であり、ネットワークが稼働している時に通信会社とITキャリアは作業に慣れている特定のベンダーを選ぶことができると説明されています。
CBNの全体的な目的は、つながりを提供することによって、より幅広いICTコミュニティに役立つことです。これによって「自動化された決済アプリケーションの採用」や「サービスプロバイダー間の相互運用性を可能にするオープンソース標準およびAPIの開発」が促進されます。
ブロックチェーン関連企業のコラボレーションにも注目
Communications Blockchain Network(CBN)には、有名な通信事業社が数多く参加していますが、プラットフォームを開発しているテック企業も注目に値します。このプロジェクトには「IBM/Orbs/ConsenSys/R3」といった企業向けの「許可型ブロックチェーン」と「非許可型ブロックチェーン」を専門とするプロバイダーが含まれています。
例えば「Orbs(オーブス)」は、企業向けに設計された「パブリックブロックチェーンインフラストラクチャー」です。同社のプラットフォームはアクセス権のないインフラストラクチャの価値を企業のビジネスで最大限に活かせるように設計されているという特徴を有しています。
一方「IBM(アイビーエム)」は、Hyperledger Fabric上で動作する「プライベートな許可型ブロックチェーンネットワーク」を提供しています。IBMはすでに非常に多くの企業におけるブロックチェーン実装をサポートしてきた経歴を持っており、今や世界中の様々なビジネスで同社の技術が活用されています。
また「ConsenSys(コンセンシス)」は、イーサリアム(Ethereum/ETH)のブロックチェーン技術を活用した様々なソリューションを提供しています。同社のソリューションも様々なシーンで活用されており、イーサリアムの技術を扱う開発者たちに広く利用されているツールなども提供しています。
このような複数のブロックチェーンプロバイダーが協力することによって、情報通信業界における様々な問題に対応することができると考えられます。これらの参加企業の中でも特に特徴的な企業である「Orbs」は、近年その活動が活発化してきており、その他複数のニュースでも取り上げられているため、同社の今後の活躍にも期待が高まります。
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2019年6月27日|オーブス(Orbs/ORBS)の価格
ORBS(オーブス)の価格は、本日27日の午前7時ごろに3円台まで下落しましたが、その後はやや回復し始めており、記事執筆時点では「1ORBS=3.48円」で取引されています。