仮想通貨Gramは「未登録証券」米SECがテレグラム関連で緊急声明
米国証券取引委員会(SEC)は2019年10月12日、今月末までにローンチされると話題になっていたTelegram(テレグラム)の仮想通貨「Gram(グラム)」を"未登録有価証券"と判断し、テレグラム・グループとGramの海外販売店に対して「一時的な停止命令を出す許可を得た」と発表しました。
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米国投資家への「未登録証券販売」と判断
米国証券取引委員会(SEC)は2019年10月12日の声明文で、世界的に人気のメッセンジャーアプリ「Telegram(テレグラム)」を開発している「Telegram Group Inc.」とその完全子会社である「TON Issuer Inc.」は"Gram(グラム)"と呼ばれる約29億のデジタルトークンを割引価格で世界中の171名に割安で販売し、その中の10億Gram以上が米国の投資家39名に販売したと説明した上で、「Gramは証券であるにも関わらず、被告はGramの申し出と販売登録を行わなかった」「投資家に十分な情報開示を行なっていなかった」と指摘しています。
米国向けに証券を販売する際にはSECに申請・登録を行う必要があるため、Gramトークンは"未登録有価証券"だと判断されており、Telegramが行なったトークンセールは違法であると判断されています。
今回の措置についてSECは『私たちが本日行った緊急措置は、Telegramが違法に販売されたデジタルトークンを米国市場に持ち込むのを防ぐためのものだ』『被告は証券法に必要なGramおよびTelegramの事業運営、財政状態、リスク要因、および管理に関する情報を投資家に提供しなかった』と説明しています。
さらにSECは『"自分たちの製品に仮想通貨やデジタルトークンというラベル付けを行うだけでは、連邦証券法を免れることはできない"ということは繰り返し述べているはずだ』と強調しています。
Telegramは先日、公式サイトの利用規約を更新して「テレグラム・オープン・ネットワーク(Telegram Open Network/TON)」と「Gram」の関係などについての説明を行っており、2019年10月31日までにはGramを投資家の人々に配布することを予定していました。
また、米国の大手仮想通貨取引所「Coinbase(コインベース)」は先日10日に自社のカストディサービスでGramをサポートすることを発表しています。
Gramローンチが迫っていることで仮想通貨業界ではTelegramに注目が集まっていましたが、今回の発表によって今後の予定にも変更が加えられる可能性があります。Gramに関する処罰の内容や罰金額などはこれから発表されていくことになると予想されるため、今後の発表にも注目です。