仮想通貨ICO・IEO関連の「新たなガイドライン」公開:マレーシア規制当局
マレーシアの金融規制当局であるマレーシア証券委員会(SC)は、2020年1月15日に「デジタル資産に関するガイドライン」を公開しました。このガイドラインの中では"未承認のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)"を禁止し、イニシャル・エクスチェンジ・オファリング(IEO)に近い規制を定める方針が記されています。
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ICOは「仮想通貨取引所」経由で
マレーシア証券委員会(SC)が公開した「デジタル資産に関するガイドライン」には、仮想通貨を新規発行して資金調達を行うイニシャル・コイン・オファリング(ICO)は"仮想通貨取引所"を介して行う必要があることが明記されています。
これにより、マレーシア証券委員会の承認を受けずにICOを行うことは違法となり、マレーシアで認可された仮想通貨取引所が審査を行った上で認められた通貨発行者のみがICOを行うことができるようになります。
仮想通貨取引所を通じて新規仮想通貨発行による資金調達を行う方法は「イニシャル・エクスチェンジ・オファリング(IEO)」として知られているため、今後マレーシアでは未承認のICOが禁止され、規制されたIEOのみが認められることになります。
「取引所・トークン発行者・投資家」への規制も明確化
ICOの仲介役となる仮想通貨取引所はトークン発行者の審査・評価を行なった上でIEOを開催することになりますが、この仲介役となる仮想通貨取引所にも
・IEOオペレーターとして登録を完了していること
・最低120万ドル(約1.3億円)相当の資本金を維持していること
・デジタル資産取引所としてライセンスを取得していること
などの要件が求められています。
トークン発行者側に対する規制としては「最低1人の取締役が存在するマレーシア法人設立書類を有していること」や「最低122,000ドル(約1,300万円)相当の資本金を有していること」などが定められており、「トークンセールで最大500ドルまでしか入金できない個人投資家に対する投資制限条項」なども定められています。
これまで主流だったICOによる資金調達では詐欺の被害なども相次いで報告されていましたが、IEOでは一定の審査が行われた上で資金調達が行われるため、詐欺などの被害を抑え、トークン発行者側もスムーズに取引所上場などのプロセスを進めることができるようになると期待されます。
IEOは新しい資金調達方法として世界的に注目されており、日本でも仮想通貨取引所Coincheck(コインチェック)などが「IEOの実施を検討している」と発表しているため、今後はIEOを通じた資金調達が増加していくことになると予想されます。
今回マレーシア証券委員会が公開したガイドラインは、2020年後半に施行される予定だと伝えられています。