Microsoft:ビットコイン基盤の分散型ID管理システム「ION」ベータ版を公開
Microsoft(マイクロソフト)は2020年6月10日に、ビットコイン(Bitcoin/BTC)のブロックチェーン上で動作する分散型身分証明ネットワーク「アイデンティティ・オーバーレイ・ネットワーク(Identity Overlay Network/ION)」をベータ版に移行したことを発表しました。
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Identity Overlay Network(ION)とは
Microsoft(マイクロソフト)が開発を進めている「アイデンティティ・オーバーレイ・ネットワーク(Identity Overlay Network/ION)」は、ビットコインのパブリックブロックチェーンを利用する分散型の身分証明ネットワークであり、「分散型アイデンティティ財団(DIF)」と共同で開発が進められています。
Identity Overlay Network(ION)は、ユーザーがメールアドレスやログイン情報などといった自分のデジタルID情報を保護できるようにするために暗号化で認証できる識別子を生成するものであり、それらのデジタルID情報をビットコインのパブリックブロックチェーン上で管理することによって「ユーザー自身が自分のアイデンティティを所有することができる分散型システム」として機能します。
IONはビットコインのセカンドレイヤー技術である「Sidetreeプロトコル」をベースとしているものの、ID自体は交換されないため合意形成システムを持っておらず、サイトチェーンとは明確に異なるものだと説明されています。IONは1秒間に何万回ものトランザクションを実行することができるため、世界規模の分散型IDとして機能するパフォーマンスを有しているとのことです。
最後のv1バージョン「2020年秋リリース」に向けて
マイクロソフトは『パブリックベータ版テストのためのビットコインメインネットへの移行は、2020年秋にリリースを予定している最後のv1バージョンに向けた主要なステップである』と述べており、今後数ヶ月間のテストを通じてフィードバックを収集し、プロトコルの強化・改善・コミュニティの成長促進に取り組むと説明しています。
また、様々なユースケースにIONを活用するデモやプロジェクトなどにも取り組んでいるとのことで『ハッカソンやその他のコラボレーションイベントを通じてコミュニティと一緒に開発する予定』だと伝えられています。
IONのユースケースとしては、新型コロナウイルスに関連したオンラインの健康報告や感染追跡などといった「医療における個人情報の保護」などが挙げられていますが、その他にも「オンライン個人情報」や「プライバシーのセキュリティ強化」などでも活用していくことが想定されていると伝えられています。
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