コスタリカ:仮想通貨は「準紙幣」給与の一部支払いが可能に
コスタリカでは、労働者に支給する給料の一部を仮想通貨で支払うことが認められています。ビットコイン(BTC)などの暗号通貨を「準紙幣」として認めている同国は「BitcoinATM」の普及も進んでいることなどもあり、世界中の新興国の先駆けとなる可能性を秘めています。
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仮想通貨は「準紙幣」
コスタリカでは最近法律が改正されたことによって、法で定められている最低賃金が同国の法定通貨であるコロン(CRC)で正しく支払われている場合には、残りの給料をお金以外のもので支払うことが許されています。
この法律では、支払い手段として利用できるだけの流動性を持っていて、"価値の保存"として利用することができる「準紙幣」であれば、たとえそれが法定通貨でなかった場合でも給料の一部を支払うためのものとして使用することが認められています。
仮想通貨を給料の支払い方法として明示している法律はないものの、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨はこれらの「準紙幣」に該当する条件を満たしているため、支払われる仮想通貨の価値が法定通貨での賃金額に等しい場合には"完全に合法"として認められます。
中央アメリカの大手法律事務所に勤務している弁護士Rolando Perlaza(ローランド・パーラザ)氏は、仮想通貨で給料の一部を支払うことが新しい流行になりつつあると説明しています。
仮想通貨が法定通貨の代わりになるということはありえません。ですが、コスタリカでは給料の一部を法定通貨で受け取ることもできるため、労働の対価として仮想通貨を受け取りたい人々にとっては、労働する上での大きなモチベーションとなるでしょう。
ローランド氏はこの結論として、"コスタリカの労働者は法律によって保護されている"と結論づけています。
ビットコイン(BTC)需要の高まり
ビットコイン(BTC)の需要はコスタリカでも高まっています。
コスタリカの中央銀行(CBCR)は「デジタル通貨に関連する取引に起因するいかなる問題や危険に対しても責任を負わない」と述べており、仮想通貨に対して厳しい姿勢を見せていますが、それにも関わらずビットコインはコスタリカ国内で確実に普及してきており、生活の一部として浸透しつつあります。
コスタリカの首都であるサンホセでは、すでに複数のビットコインATMが設置されており、企業や店舗でも実際に仮想通貨決済の受け入れるお店が増えてきています。
同国で仮想通貨のマイニング(採掘)事業を手がけている「SH Mining Technologies」の創始者Daniel Yepez(ダニエル・イェーツ)氏は「今後はコスタリカに仮想通貨が根付いていく」という予想を語っています。
マイニングの問題点としては大量の電力を消費することが挙げられますが、コスタリカでは100%再生可能エネルギーを使ったマイニングを行うことができます。私たちの工場では太陽光と風力を活用しています。再生可能エネルギーを活用することは、我々の収益性がアップするだけでなく環境にも優しいため、これからのビジネスに欠かせないコンセプトです。
コスタリカでのこのような事例は、今後その他の新興国に大きな影響を与える可能性を秘めています。2015年の末頃にアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを実施したことによって、ここ最近では複数の新興国から多くの資本が流出しており、法定通貨の価格が下落しています。このような状況は今後も続く可能性が高いとみられているため、それらの新興国がコスタリカのように仮想通貨を活用していく動きに移行していくことも考えられます。
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