ソラナ基盤の代表的なDePINプロジェクトを紹介|特徴・始め方・注意点など

by BITTIMES

ソラナ(Solana/SOL)上で進化するDePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network/分散型物理インフラネットワーク)は、物理的なインフラを効率化し、分散化を実現する注目のプロジェクト群です。

DePINは、輸送、データ、電力など、現実世界のリソースを活用し、ユーザーに報酬を提供する仕組みが特徴です。特にソラナは高性能なブロックチェーンとして、DePINの実現に最適なプラットフォームとして大きな注目を集めています。

この記事では、ソラナのDePINの概要、注目される背景、代表的なプロジェクトについて詳しく解説していきます。

ソラナ(Solana/SOL)のDePIN(ディピン)とは?

ソラナの画像

ソラナのDePINの概要や基本的なポイントについて、以下から解説します

DePINの概要

ソラナのDePINは、ソラナ上に構築されたDePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network/分散型物理インフラネットワーク)のことです。

DePINとは、ブロックチェーンやトークンを活用することで、物理的なインフラを効率化・所有・制御しようとするプロジェクトの総称です。

現在、輸送・データ・電力などの現実世界・物理的なインフラは中央集権的な主体によって管理されています。

一方で、DePINでは、各ユーザーが現実世界・物理的なリソースを提供することで、分散的なネットワークを構成することを目指します。

現在構築されているものに絞ると、データとストレージ、計算、通信、輸送などの分野でDePINのプロジェクトが見られます。

DePINが注目される背景

DePINが注目されている背景に、個人がリソースを提供することによって、報酬が得られる点が挙げられます。

前述したようなDePINにリソースを提供するユーザーには、トークン経由でインセンティブが配布されることが一般的です。

インセンティブを目的に、数百万人規模のユーザーが参加するDePINプロジェクトも見られます。

また、ポンジスキーム的な構造が批判されがちなP2E(Play to Earn)M2E(Move to Earn)といったプロジェクトと異なり、DePINのプロジェクトには実需が期待可能です。

多くのDePINプロジェクトは、ユーザーが提供したリソースを使用する主体に対して料金を請求しており、結果的にトークンの価格維持に繋がる可能性があります。

ソラナにおけるDePIN

ソラナはDePIN関連のプロジェクトがもっともローンチされているチェーンの1つです。ソラナにDePINが多く構築されている理由はいくつかあると見られていますが、特にチェーンの性能の高さが挙げられます。

DePINは仕様上、高性能なブロックチェーンが必要なケースが多く、イーサリアム(ETH)などでは対応に限界が見られるケースが存在します。その一方で、ソラナは処理能力の高いブロックチェーンとして代表的な存在です。

上記の背景から、イーサリアムや他のチェーンから、ソラナにトークンや技術的なインフラを移行するプロジェクトも見られています。

ソラナの代表的なDePINエコシステム5選

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ソラナベースの代表的なDePINエコシステム、プロジェクトについて以下から解説します。

Render Network(レンダーネットワーク)

1つ目の代表的なDePINは、Render Networkです。

Render Networkは、GPUのレンダリングプラットフォームで、GPUの計算力が余っているユーザーと、GPUの計算力が必要な開発者やクリエイターを繋げます。

開発者やクリエイターは気軽に計算力を使用し、GPUの計算力を提供したユーザーには報酬が支払われる仕様です。類似のプロジェクトは多数開発されていますが、Render Networkはこの分野のパイオニア的な存在になっています。

また、Render Networkはもともとイーサリアムベースで開発されたプロジェクトで、トークンであるRNDRもERC-20で発行されていました。

しかし、2024年以降ソラナへの移行を進めており、現在はソラナベースのプロジェクトになっています。

このような移行が行なわれる背景について、公式のドキュメントでは「ソラナはより高速・安価で、レンダリングネットワークの幅広いビジョンに対応できるため」と記載されています。

Hivemapper(ハイブマッパー)

Hivemapperは、地図を効率的に作成・更新することを目指したソラナベースのプロジェクトです。

ユーザーが専用のカメラを車に搭載し、世界中の地図情報を作成することを目指しています。カメラを搭載し貢献したユーザーには報酬が支払われ、運転することで稼げるといった文脈で話題になりました。

リアルタイムで各ユーザーが運転するデータを参考にすることで、最新の地図データを効率的に収集することが可能です。DePINにおけるGoogle ストリートビューと呼称されることも多く、すでに地図データの作成も進んでいます。

Hivemapperによると、サービス開始から20ヶ月程度で1,500万kmを超える地図データの作成に成功しました。

Helium(ヘリウム)

Heliumは、世界中にIoTデバイスが接続するネットワークを構築することを目指したプロジェクトです。

Heliumのネットワークと接続できるエリアを提供することで、ユーザーはインセンティブを受け取ることが可能です。

2024年9月にはソラナが販売するスマートフォン「Solana Seeker」との協業も発表され、Solana Seekerユーザー向けにHeliumが提供するサービスを4カ月間無料提供することが発表されました。

Heliumについても、Solanaへの移行を発表したプロジェクトの1つで、2023年4月に独自のブロックチェーンからソラナへの移行を完了しました。

移行の理由として、独自のブロックチェーンで処理しきれないトランザクションが発生し、スケーリングに限界が出たことなどが挙げられています。

io.net(アイオーネット)

io.netは、AI開発向けにGPUをレンダリングするプロジェクトです。

AI開発の大きな障害の1つに、計算力の確保が挙げられ、AI開発や運用には莫大な計算力が必要であり、これにはコストがかかります。

CPU/GPUの計算力が余っているユーザーはio.netを介して、開発者に計算力を提供することで、インセンティブが獲得可能です。

Render Networkとの類似点も見られるプロジェクトになっています。

Grass(グラス)

Grassは、未使用のインターネット帯域幅をデータ収集・AI開発に応用することを目指したプロジェクトです。

Grassでは、アイドル状態になっているインターネット帯域幅をWEBデータをスクレイピング(収集)するためのリソースに変換します。上記でスクレイピングされたデータをAIの学習データとして活用できる形に構造化し、AI開発に役立てます。

Grassの利用者はアプリまたはブラウザの拡張機能経由で、Grassにリソースの提供が可能となっており、インセンティブも期待可能です。すでに2024年9月にエアドロップが実施されていますが、エポック2を実施中で今後も継続的なインセンティブが期待できます。

ソラナのDePINで仮想通貨・暗号資産を稼ぐ方法

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ソラナのDePINで仮想通貨・暗号資産を稼ぐ方法は、一概には言えません。それは、各プロジェクトによって必要な要件やデバイスが大きく異なってくるためです。

ただし、スマホやPCのアプリや、ブラウザの拡張機能からスタートできるものも多いです。

前述したプロジェクトの中でも、Grassなどはブラウザの拡張機能をダウンロードし、ログインするだけで気軽にスタートできます。

おおむねどのプロジェクトでも、報酬の受け取りなどにウォレットが必要になってきます。まだ持っていない方は、まずはPhantomなどでウォレットを作成するのがおすすめです。

また、報酬の受け取りにトランザクションを通す必要がある場合もあるので、ガス代のためにあらかじめSOLを少量保有しておくとスムーズです。

DePINプロジェクトの注意点

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DePINプロジェクトの注意点について、以下から解説していきます

PCやスマホのハッキングリスク

DePINの注意点として、まず挙げられるのがPCやスマホのハッキングリスクです。DePINプロジェクトでは、スマホやPCにアプリを入れる必要があるものが多いです。

ただし、プロジェクト自体が詐欺だったり、詐欺サイト・リンクからアプリをインストールすると、ハッキングされる可能性があります。

DeFiであればスマートコントラクトなどに主なリスクがあるため、ハッキングの対象となるのは主にウォレットとその中のトークンのみです。

一方で、アプリを入れるようなDePINの場合は、PC・スマホ全体が危険な状態に陥る可能性があります。必ず、DePIN関連のアプリをダウンロードする場合は、リンクなどを慎重にチェックしてください。

また、プロジェクト自体が詐欺でなくとも、何らかの欠陥があった場合、プライバシーに関わるデータなどが流出する可能性も考えられます。

参加するDePINのプロジェクトは、以下の点を確認し、あらかじめ信頼性を評価しておくことを推奨します。

  • 大手VCや投資家からの数億円規模以上の大規模な資金調達
  • ソラナ財団など著名な機関や組織との関係やイベントへの登壇
  • トークンをすでに発行している場合は価格や時価総額
  • DePINのアプリがアクセスする権限を持つ項目

収支がマイナスになる可能性

DePINは、現実世界・物理世界のデバイスを稼働させるため、収支がマイナスになる可能性も考えられます。スマホやPC、専用のデバイスを起動するため、多くのケースで電気代などが掛かってきます。

また、常時稼働するノードを立ち上げるものでは、ノードの運用料金が必要です。参加しているプロジェクトが失敗した場合は、収支がマイナスとなる可能性があります。

収益を期待している場合は、参加するプロジェクトの期待値をあらかじめリサーチしておく必要があります。

リファラルなどの影響

DePINプロジェクトでは、リファラルプログラムを導入しているものが多く見られます。

リファラルプログラムは、プロジェクトへの招待を成功させた方にインセンティブを与えるプログラムのことで、仮想通貨のインフルエンサーなどが使用しているケースなどが見られます。

効率的にプロジェクトの参加者を集めるインセンティブとなり、プロジェクトの成功にも繋がります。リファラルプログラムの導入自体は、多種多様なプロジェクトで採用されており、一般的なものです。

ただし、特にエアドロップなどでは、配布の算定基準がリファラルに著しく有利なケースが見られます。

前述した点と通じる点でもありますが、リファラルが著しく有利なケースでは、収支がマイナスになる、または小規模な収益しか期待できない可能性があります。

そのため、あらかじめDePIN関連プロジェクトでエアドロップを期待して参入する場合は、以下の点をチェックするのがおすすめです。

  • リファラルプログラムの実施状況
  • 参加するタイミング
    (初期参加者ほど有利なケースが多い)
  • 参加するハードルとコスト
    (GPU関連のプロジェクトであれば、すでにGPUを保有しているなど)

上記のバランスを考慮し不利な条件の場合は、参加してもリターンが少なくなる傾向があります。

ソラナのDePINについてまとめ

この記事では、ソラナのDePINについて解説しました。

ソラナでDePINを開発するプロジェクトは増加しており、今後も新たにローンチするプロジェクトが登場すると考えられます。

一方で、DePINプロジェクトのみに見られがちな特有のリスクなども存在します。

DePINプロジェクトにユーザーとして参加する場合は、プロジェクトごとにリスクをあらかじめリサーチしておく必要があるでしょう。

>>ソラナ関連の最新ニュースはこちら

執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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