ウクライナ大統領:仮想通貨関連法案「承認せず」規制機関設立の予算不足を理由に
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、同国で提出されていた暗号資産関連の包括的な規制を定義することを目的とした「仮想通貨に関する法律」という法案を承認せずに議会に送り返したことが明らかになりました。法案を承認しなかった理由としては『新たな規制機関の設立に多額の費用がかかること』が挙げられています。
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国家証券・株式市場委員会を規制担当にすることを提案
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2021年10月5日に、同国で提出されていた暗号資産関連の包括的な規制を定義することを目的とした「仮想通貨に関する法律」という法案を承認せずに議会に送り返したことを発表しました。
この法案は仮想通貨や株式トークンなどといった「バーチャルアセット(仮想資産)」に関する包括的な規制を整備することを目的としたものであり、それらの暗号資産を規制するための新たな規制機関を設立することなどが提案されていましたが、今回の発表では『新しい規制機関の設立には多額な費用がかかるため承認することはできない』ということが説明されています。
ただし、ゼレンスキー大統領は仮想通貨規制自体は否定しておらず、「新たな規制機関を設立する代わりに、ウクライナの国家証券・株式市場委員会(NSSMC)が仮想通貨関連の規制を担当するようにすること」が提案されています。
今回提出された法案は非承認となったものの、公式発表では「設立費用の問題」のみについての指摘しか行われていないため、規制機関や費用の問題が解決すれば、最終的に法案が承認される可能性があると期待されています。
ウクライナ政府は以前から仮想通貨・ブロックチェーン関連の取り組みに力を入れており、2020年にウクライナ政府が原子力発電所を運営している国有企業「Energoatom」に対して『余剰電力でビットコインマイニングを行うこと』を提案している他、2020年11月には政府がBINANCEとの協力による「仮想通貨・ブロックチェーンの教育動画」を公開、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発では「ステラ開発財団」との協力も行われているため、今後の動向には注目が集まっています。