投資銀行大手UBS「クレディ・スイス買収」で合意|仮想通貨業界からの買収オファーは通らず

by BITTIMES   

スイスの投資銀行大手UBSは2023年3月19日に、経営不安にさらされているスイスの大手金融グループ「Credit Suisse(クレディ・スイス)」を買収することで合意したと発表しました。クレディ・スイスの買収に関しては「トロン(Tron/TRX)の創設者であるジャスティン・サン氏が15億ドルの買収オファーを提案した」ということも報告されていましたが、最終的にはUBSとの買収提案で合意、買収総額は約32億3,000万ドル(約4,200億円)余りになる見通しだと報告されています。

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UBS、クレディ・スイスを約32億ドルで買収

スイスの投資銀行大手UBSは2023年3月19日に、経営不安にさらされているスイスの大手金融グループ「Credit Suisse(クレディ・スイス)」を買収することで合意したことを発表しました。

Credit Suisse(クレディ・スイス)の買収に関しては、クレディ・スイスがUBSからの10億ドルの買収オファーを拒否したことを受けて、トロン(Tron/TRX)の創設者であるジャスティン・サン氏が3月20日に15億ドルの買収オファーを提案、Web3.0(分散型ウェブ)との統合を目指すことも明らかにしていたため、そのような提案も含めて仮想通貨業界でも注目が集まっていました。

UBSのCreditSuisse買収は失敗に終わりました。私は、クレディ・スイスを買収してWeb3.0の世界に統合するために、15億ドルという私自身のオファーを提案したいと思います。スイスは世界で最も暗号資産に優しい国の1つです。

しかし最終的にクレディ・スイスはUBSとの間で買収に合意したとのことで、買収額は約32億3,000万ドル(約4,200億円)余りになる見通し、買収は株式交換の形で行われ、2023年末までに完了する計画だと報告されています。なお、17日時点におけるクレディ・スイスの市場価値は約80億ドル(約1兆円)とされていたため、今回の買収額はこの価値を大幅に下回るものとなっています。

スイス政府・中央銀行などが支援

今回の買収交渉はスイス政府や中央銀行の支援によってまとまったとのことで、アジアの金融市場が開く前に中央銀行などが交渉を仲介する形で買収が合意に達したと報じられています。

具体的にはスイス連邦財務省・スイス金融市場監督機関(FINMA)・スイス国立銀行が買収取引に協力したとのことで、スイス国立銀行はUBS に1,000億フラン(約14兆円)の流動性支援を行い、スイス政府はUBSが買収により被る可能性のある得る損失に対して90億フラン(約1.3兆円)保証すると報告されています。

UBSは公式発表の中で『この取引によってUBSはスイスを代表するユニバーサルバンクとしての地位を強化する。統合された事業は1兆5,000億米ドル以上の投資資産を有する、欧州における主要な資産運用会社となる』とコメントしており、UBSのColm Kelleher会長は『クレディ・スイスの投資銀行業務を縮小して、UBSの保守的なリスク管理に合わせていく』と語っています。

この買収はUBSの株主にとって魅力的なものですが、これはクレディ・スイスにとって緊急の救済措置であることをはっきりさせておきたいと思います。私たちはクレディ・スイスの資産下落リスクを抑えつつ、事業に残された価値を維持するような条件で取引を構成しました。

クレディ・スイスのウェルス・マネジメント、アセット・マネジメント、スイス・ユニバーサル・バンキングにおける能力を獲得することは、資本の少ない事業を成長させるというUBSの戦略を強化することになるでしょう。この取引は、お客様に利益をもたらし、投資家の皆様には長期的に持続可能な価値を創造するものです。

また、クレディ・スイスのアクセル・レーマン会長は『今日はクレディ・スイスと国際金融市場にとって非常に悲しくも歴史的な日だ。アメリカの銀行で最近起きた一連の出来事が私たちにとっては悪いタイミングだった。スイス・金融市場・私たちの顧客や従業員に、持続的な安定と安心をもたらす解決策が得られたことをうれしく思う』とコメントしており、米国で複数起きた銀行の破綻がクレディ・スイスの経営にも大きな影響を及ぼしたとの認識を示しています。

なお「スイス政府は仮にUBSによるクレディ・スイス買収が不成立となった場合は、クレディ・スイスの全面的あるいは部分的な国有化を検討している」とも伝えられています。

>>「UBS」の公式発表はこちら

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