3分で理解する「現物ビットコインETF」重要性・仕組み・BTC価格への影響など

by BITTIMES

現物ビットコインETFとは?

現物ビットコインETFとは、ビットコイン現物の値動きに連動するように設計された上場投資信託のことであり、株式と同じように証券取引所で売買することができます(※日本居住者が現物ビットコインETFを売買することはできません)。

ビットコイン(BTC)は「BINANCE、Coinbase」のような暗号資産取引所などで売買するのが一般的ですが、現物ビットコインETFは「Nasdaq、CBOE、NYSE」などの証券取引所で売買することができます。

「現物ビットコイン」と「現物ビットコインETF」の価格は異なるものの、現物ビットコインETFは現物ビットコインとほぼ同じ値動きをするように運用されるため、現物ビットコインETFを利用すれば証券取引所を通じてビットコインに投資しているのと同じような効果を得ることができます。

『それなら最初からビットコインに投資すればいいのでは?』と思うかもしれませんが、ビットコインと現物ビットコインETFは仕組みや取引環境が全く異なるため、場合によっては現物ビットコインETFの方が優れた選択肢となることがあります。

ビットコインと現物ビットコインETFの違い

ビットコイン(BTC)と現物ビットコインETFの大まかな違いをわかりやすくまとめると以下のようになります。

 ビットコイン現物ビットコインETF
定義暗号資産の一種BTC価格に連動する投資商品
性質分散型企業が発行する中央集権的な商品
裏付けブロックチェーン上に実在・人々からの信頼現物BTCを保有
取引市場暗号資産取引所証券取引所
価格直接の需要と供給に基づくETFの需要と供給、純資産総額に基づく
機関投資家へのアクセス開かれているより手軽にアクセス可能
リスクサイバー攻撃・管理の難しさなど価格変動や市場変動

ビットコインは「中央集権的な管理者が存在しない分散型のデジタル通貨」として評価されており、保有者が自分自身で自己管理することができますが、その一方ではサイバー攻撃などのリスクがあり、自己管理や送金の複雑さなども一部の人々にとって悩みのタネとなっていました。

現物ビットコインETFは「規制当局から承認を得た企業が発行するBTC価格に連動する投資商品」であるため、伝統的な大手証券取引所で手軽に売買することが可能で、機関投資家にとって魅力的な商品となっています。

ただし、現物ビットコインETFは中央集権的な投資商品であり、特定の現物ETFに巨額の資金が投じられた場合には、現物BTCの保有が集中して、BTC自体の流動性がなくなる可能性があるため、一部の専門家からは「現物ビットコインETFのリスク」について警告する意見も出ています。

現物ビットコインETFの重要性

現物ビットコインETFが注目されている理由としては「機関投資家の参入によるビットコインのさらなる成長」が挙げられます。

ビットコインは規制が明確化されていないのが現状で、サイバー犯罪リスクや資産管理の複雑さなどから、機関投資家はビットコインそのものをポートフォリオに組み込むことが難しい状況となっていました。

しかし、現物ビットコインETFが登場したことによって、機関投資家はETFをポートフォリオに組み込む形でビットコイン市場に参加できるようになるため、機関投資家の参入で巨額の資金がビットコイン市場に流れ込む可能性があると期待されています。

また、現物ビットコインETFの承認は「ビットコインが新たな資産クラスとして認められた節目」としても捉えられており、これによってBTC関連の教育や規制などにももっと焦点が当てられるようになり、ネットワークの成長が促進されるとも期待されています。

現物ビットコインETFの仕組み・BTC価格への影響

最後に「現物ビットコインETFの仕組み」と「ビットコイン価格への影響」について簡単に解説します。

現物ビットコインETFの運用には投資家保護などの目的から多くのチームや企業が関与しているため、現物ETFが購入されてその裏付けとなる現物BTCが購入されるまでの流れは複雑なものとなっています。

具体的には、ETFの発行・償還を行うことによって需要と供給の均衡を維持する「認定参加者(AP)」が存在し、APが調整を行うことによってETF価格がBTC価格に連動しやすくなる仕組みとなっています。APは市場価格と基準価格を一致させる際にインセンティブを得ることができます。

現物ビットコインETFは「誰かがETFを買ったら、すぐにそれだけの現物BTCが準備される」という仕組みではなく、APが発行体に資金を拠出してETFが発行される際にBTCが調達される仕組みとなっています。

ETFの発行はETFの需要増加などでETF価格がBTC価格から乖離した際に行われるため、ETF価格がBTC価格よりも大幅に上昇していた場合には、新しいETFを発行するためのBTC買いで、現物BTC価格にも影響が出る可能性があると考えられます。

米国で承認された現物ビットコインETFの価格情報は「TradinView」などでも確認できるようになっているため、今後は各種現物ETFの値動きにも注目です。米国で今回承認された現物ビットコインETFのティッカーなどは以下の通りです。

ETF名発行体ティッカー手数料取引手数料割引取引所カストディアン
Bitwise Bitcoin ETP TrustBitwiseBITB0.20%最初の6ヶ月 &/or 10億ドルまでは0.00%NYSECoinbase
ARK 21Shares Bitcoin ETF21Shares & ARKARKB0.21%最初の6ヶ月 &/or 10億ドルまでは0.00%CBOECoinbase
Fidelity Wise Origin Bitcoin TrustFidelityFBTC0.25%2024年7月31日まで0.00%CBOEFidelity
Wisdomtree Bitcoin TrustWisdomtreeBTCW0.30%最初の6ヶ月 &/or 10億ドルまでは0.00%СВОЕCoinbase
Invesco Galaxy Bitcoin ETFInvesco & GalaxyBTCO0.39%最初の6ヶ月 &/or 50億ドルまでは0.00%CBOECoinbase
Valkyrie Bitcoin FundValkyrieBRRR0.49%最初の3ヶ月は0.00%NasdaqCoinbase
iShares Bitcoin TrustBlackRockIBIT0.25%最初の12ヶ月 &/or 50億ドルまでは0.12%NasdaqCoinbase
VanEck Bitcoin TrustVanEckHODL0.25%-СВОЕGemini
Franklin Bitcoin ETFFranklinEZBC0.29%-CBOECoinbase
Hashdex Bitcoin ETF Strategy ChangeHashdexDEFI0.90%NYSEBitGo
Grayscale Bitcoin TrustGrayscaleGBTC1.5%-NYSECoinbase

>>ETF関連の最新記事はこちら

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連のある仮想通貨ニュース

コインチェック:IEOに向けコロプラグループの「Brilliantcrypto」と契約締結

コインチェック:IEOに向けコロプラグループの「Brilliantcrypto」と契約締結

NOWNodes:シバイヌL2「Shibarium」のRPCフルノード稼働を発表

NOWNodes:シバイヌL2「Shibarium」のRPCフルノード稼働を発表

Abra CEO:投資資産の50%を「ビットコイン」で保有|BTCの将来に強気な理由とは?

Abra CEO:投資資産の50%を「ビットコイン」で保有|BTCの将来に強気な理由とは?

Chiliz&Socios:イタリア・プロサッカーリーグ「セリエA」と提携

Chiliz&Socios:イタリア・プロサッカーリーグ「セリエA」と提携

スマホでの「仮想通貨取引」をもっと気軽に|Samsungウォレット・Geminiアプリが連携

スマホでの「仮想通貨取引」をもっと気軽に|Samsungウォレット・Geminiアプリが連携

暗号資産の脱税防止に向け国家間で情報交換|G20に新たな枠組み提示へ:OECD

暗号資産の脱税防止に向け国家間で情報交換|G20に新たな枠組み提示へ:OECD

注目度の高い仮想通貨ニュース

革命の戦略:話題の新ローンチパッド

革命の戦略:話題の新ローンチパッド

ソニー銀行「ステーブルコイン発行に向けた実証実験」を正式発表|Polygon・SettleMintと協力

ソニー銀行「ステーブルコイン発行に向けた実証実験」を正式発表|Polygon・SettleMintと協力

シバイヌ提携のD3「*SHIBドメインとウォレットアドレスの紐付け」が可能に|連携方法も紹介

シバイヌ提携のD3「*SHIBドメインとウォレットアドレスの紐付け」が可能に|連携方法も紹介

米国の国家予算を「ブロックチェーン」で公開する方針:米大統領候補ケネディJr氏

米国の国家予算を「ブロックチェーン」で公開する方針:米大統領候補ケネディJr氏

自動損益計算のクリプタクト「Astar zkEVM」に対応|確定申告をサポート

自動損益計算のクリプタクト「Astar zkEVM」に対応|確定申告をサポート

史上初マルチチェーン・犬コインDogeverseがプレセールで1000万ドルの大台を超える

史上初マルチチェーン・犬コインDogeverseがプレセールで1000万ドルの大台を超える

カルダノ(ADA)「2024年の最優秀レイヤー1ソリューション賞」を受賞

カルダノ(ADA)「2024年の最優秀レイヤー1ソリューション賞」を受賞

ヴィタリック・ブテリン氏が求めるのは「より高品質で楽しいミームコイン」

ヴィタリック・ブテリン氏が求めるのは「より高品質で楽しいミームコイン」

カルダノ(ADA)の公式商業化部門EMURGO「Huawei Cloud」と提携

カルダノ(ADA)の公式商業化部門EMURGO「Huawei Cloud」と提携

【重要】MEXC「dHealth Network(DHP)の上場廃止」を発表|期日までに必要な対応を

【重要】MEXC「dHealth Network(DHP)の上場廃止」を発表|期日までに必要な対応を

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

メタプラネット「10億円分のビットコイン」を購入|追加購入予定の報告も

メタプラネット「10億円分のビットコイン」を購入|追加購入予定の報告も

仮想通貨ニュース | 新着記事一覧

仮想通貨まとめ一覧

Flare基盤のDeFi・DEX「BlazeSwap」とは?機能・使い方などを解説NEW

Flare基盤のDeFi・DEX「BlazeSwap」とは?機能・使い方などを解説

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

人気のタグから探す