現物ビットコインETFの重要性と今後予想される動き|著名アナリストが解説
ミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏が現物ETFについて説明
仮想通貨の価格予想などを発信していることでも知られる著名アナリスト・トレーダーのミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏は2024年1月12日に、米SECの上場承認で注目を集めている「現物ビットコインETF」の重要性や今後について長文ポストで説明を行いました。
ミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏はXで68万人以上のフォロワーを有する著名アナリストであり、暗号資産関連のコンサルティングや教育を手掛ける「MN Trading」の創設者&CEOでもあります。
米国証券取引委員会(SEC)は日本時間2024年1月11日に合計11件の現物ビットコインETF上場を承認したことを発表しており、現在は各ETFの取引も開始されていますが、ミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏は今回の長文投稿でビットコインETFの重要性・今後について以下のような説明を行なっています。
The Bitcoin ETF has been approved! Now what?
— Michaël van de Poppe (@CryptoMichNL) January 11, 2024
It's a historic day. The U.S. authorities have given their approval for the Spot Bitcoin ETF. Exactly 15 years after Hal Finney, one of the earliest developers of the Bitcoin network, sent a tweet into the air with the text 'Running… pic.twitter.com/rK15G7ADZR
ビットコインETFが承認されました!これからどうなるのでしょうか?
これは歴史的な瞬間です。米当局は現物ビットコインETFを承認しました。ビットコインネットワークの初期開発者であるハル・フィニー氏が「Running Bitcoin」というテキストのツイートを行ったのもちょうど15年前です。
ビットコインは2008年に金融危機への対抗手段として生まれましたが、今やウォール街の機関もビットコインに参入できるようになりました。これが仮想通貨市場全体の扉を開くことになります。しかし、なぜETFがビットコインにとって重要なのでしょうか?
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ビットコインとETFについて
基本的には、ビットコインはETFを全く必要としない。ビットコインは分散型の通貨・資産であり、政府から独立して機能し続けることができるが、現代社会でビットコインを活用しようとする場合、規制やETFのような手段は確かに必要となる。
ビットコインを支えるテクノロジーの"分散型"という性質は何も変わらない。マイニングを通じて新しいビットコインを獲得するためには依然としてコンピューターが必要で、ビットコインの最大供給量が2,100万BTCであることにも変わりはない。
ETF承認によって変化する注目ポイントは「機関投資家」にある。まずはその前に「ETFの定義」や「ETFとは何なのか」について説明する。
ETF(上場投資信託)とは?
ETF(上場投資信託)は、基礎となる商品・指数・債権・株式のトラッカーまたは派生商品のことである。ビットコインETFはビットコインのトラッカーであり、現物ビットコインが担保となる。
ETFが承認されると、その商品を一般的な取引所で取引できるようになる。仮想通貨業界では「BINANCE」や「Bybit」などの暗号資産取引所でビットコインが取引されているが、ETFは完全に規制された製品であり、「Nasdaq」や「AEX」などの取引所で取引できる。
ETF価格とBTC価格の違いについて
ただし、ETFの価格はビットコイン価格とは大きく異なる。なぜならETFは派生商品であり、実際にはビットコイン価格を追いかけるものだからだ。そのため「トラッカー」と呼ばれる。
米SECは、現物ビットコインETFの申請を行った11団体全てのETF申請を承認した。その後これらのETFは取引所を介して取引可能になったが、ビットコイン価格とは全く異なる数字が表示されている。
現在のビットコイン価格は「1BTC=47,000ドル」だが、ETF価格は22ドルになる可能性がある。では、なぜそのような価格の違いが生まれるのだろうか?
ETFは実際には一種のファンドだ。最初に当事者がそのETFの規模を示し、次に発行される株式の数が示される。例えば、1億ドル規模のETFで1,000万株が発行されるとすると、そのビットコインETFの価格は10ドルということになる。これは実際のビットコイン価格とは異なるが、これらは全く異なる商品であり、そこにニュアンスの違いがある。
現物ビットコインETFの重要性
ビットコインはまだ比較的規制の緩い商品であり、大規模な機関投資家はビットコインそのものをポートフォリオに組み入れることはできない。その背景には「マネーロンダリング・テロ資金供与」などの問題があるが、BTCが金融商品として分類されていないことも理由にある。
ETFは規制枠組みの中に含まれる投資商品であるため、機関投資家はETFをポートフォリオに組み込む形でビットコイン市場に参加することができるようになる。このような手法はコモディティ市場や株式のバスケットにまとめて投資したい場合にも利用される。
現物ビットコインETFの登場によって、大規模な機関投資家がビットコイン市場に参入できるようになるという点が現物ビットコインETFが重要視される理由の1つである。
半減期も相まって大幅需要増?
現物ETFの価格上昇が意味するもの
1ETFの価格が10ドルで、1億ドルからスタートすると仮定する。このスタートはその団体のクライアントの関心によって決まることが多い。そのようなETFの価格が上昇し始めた場合、それは何を意味するのだろうか?
ビットコインETFの価格上昇は、その商品に対する市場のポジティブな関心が高いことを意味するため、一般的には「良い兆候」として捉えられる。
現物ビットコインETFの場合、ETF発行者は「ETFがビットコインと交換できること」を保証するために、担保としてビットコインを用意しなければならない。簡単に説明すると「ETFに1億ドルの価値があり、それが取引可能な場合は、それに対して1億ドル相当のビットコインがなければならない」ということである。
大口の機関投資家から多くの関心が寄せられていることが分かれば、ETFの価値が上がり始めることが分かるだろう。機関投資家からは2,000億ドル相当の関心が市場に寄せられると予想されている。これはビットコイン価格に大きな影響を与える可能性がある。
あるETFの価格が10ドルから15ドルに上昇した場合、そのETFの価値は1億5000万ドルになったことになる(1,000万株発行と仮定)。これは「ETF発行者が提供する商品の担保を十分に確保するために、ビットコインを追加購入しなければならない」ということを意味する。
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現物ビットコインETF承認が意味するもの
現物ビットコインETFの承認は「成熟した経済圏がビットコインを完全な資産として受け入れていること」を意味する。
これは「ビットコインに関する教育・規制・金融・政治にもっと焦点が当てられるようになり、ネットワークの成長が促進される」ということを意味するものでもある。
現在の状況は、ビットコインがついに成熟し、その第一歩を踏み出したかのように見える。また、ビットコインが消滅する可能性が事実上ゼロになったことで、より多くの人々や関係者がポートフォリオに「デジタルゴールド」を含めることについて興味を持つ可能性が高まったようにも見える。
結論として、現物ビットコインETFの承認は仮想通貨市場全体にとって良い影響を与えるものだと言える。開発者やマイナーだけでなく、投資家にもポジティブな影響があると考えられる。
今後予想される新たな動きは?
今後は「複数の銘柄によって構成されるバスケット型の仮想通貨ETF」が作成される可能性が非常に高く、「現物イーサリアムETF」が上場承認を得る可能性も非常に高い。