ブロックチェーンで電力供給を効率化|ETHで「再生可能エネルギー」提供へ:ConsenSys
ブロックチェーン企業である「ConsenSys(コンセンシス)」が運営する電力配電システム「Grid+(グリッド・プラス)」は、同社が開発したソリューションを使用して、再生可能エネルギーをイーサリアムメインネット上の米国消費者に提供し始めたことを発表しました。
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Grid+(グリッド・プラス)とは
「Grid+(グリッド・プラス)」とは、イーサリアム(Ethereum/ETH)の共同創設者であるJoseph Lubin(ジョセフ・ルービン)氏が率いるブロックチェーン企業「ConsenSys(コンセンシス)」が運営している「世界中のエネルギー業界を再定義することを目指した電力配電システム」です。
この配電システムはイーサリアムのネットワーク上に構築されているため、ユーザーはリアルタイムに電力の支払いを行うことができ、必要な分だけ電力を購入することが可能になります。
これにより電力を無駄に蓄えておく必要がなくなるため、電力の伝送中に消費される無駄な電力をなくし、エネルギーの使用量を最適化し、コストを削減することができます。
同社は9月21日に、独自の「ハードウェア・ゲートウェイ・システム」と「ブロックチェーン・ソリューション」を使用することによって、太陽エネルギーや風力エネルギーなどの再生可能エネルギーをイーサリアムメインネット上の米国消費者に配電することに成功し、実際に電力供給を開始し始めたことを発表しました。
Grid+のハードウェア・ソフトウェアスタックは、電力の支払いをリアルタイムで処理するために利用され、「スマートエージェント」と呼ばれる機能を使用することで消費者は電力を売買することができます。
たとえば、大量の電力を毎日消費する「工場」のような大規模な施設の場合は、短期間で複数の支払いを処理することによって、余分な電力を購入することなく必要なエネルギーだけを購入して使用することができます。
これによりさらに電力コストを削減し、より効率的に再生可能エネルギーを活用していくことができるようになります。
再生可能エネルギーの問題点を解決
再生可能エネルギーの分野では、電力供給者が供給を最大限に活用することはまだ困難な現状があります。昨年、チリの太陽光発電所が太陽エネルギーを生産した際には、地元の送電事業者が効率的なエネルギーを蓄えて配電する方法を持っていなかったために、全国に無償で電力を供給しなければなりませんでした。
規制緩和された再生可能エネルギー市場では、過去数年間で信頼できる業者に対する需要が大幅に増加しており、風力や太陽光を含む再生可能エネルギー源が米国の市場シェアの20%を確保しています。そのような再生可能エネルギー市場をターゲットにした「ConsenSys」は、Ethereumのスケーリングソリューションである「Raiden Network」を活用したシステムを開発しました。
Ethereumネットワークの「Lightning」と呼ばれるこのスケーリングソリューションは、分散型アプリケーション(DApp)とユーザーがEthereumネットワーク上で行う「少額決済」を安い料金で処理することを可能にします。
これにより様々な面でのコストを大幅に削減することができるため、「Grid+」のサービスは再生可能エネルギー市場で問題とされていた多くの問題を解決しつつ、効率的にそれらのエネルギーを利用する新たな方法として利用できる可能性を秘めています。
ConsenSysは今回の配電成功にあたり、イーサリアムの優位性を証明するために今後はより具体的な活動を行なっていく予定であると説明しています。再生可能エネルギーをより実用的な形で実際に利用することを可能にする同社の取り組みには今後も注目が集まります。
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