BitGo:Goldman Sachsなどから「約65億円」調達 ー カストディアンへの期待高まる
仮想通貨(Cryptocurrency)のウォレットやカストディ(保管)サービスを提供している「BitGo(ビットゴー)」が、暗号通貨関連の投資を行なっているGalaxy Digital(ギャラクシーデジタル)のCEO Michael Novogratz(マイケル・ノヴォグラッツ)氏やGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)から約65億円相当の資金を調達したことが明らかになりました。同社が開発を進める安全な資産管理サービスが完成することで、より多くの機関投資家が参加しやすくなると期待されています。
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仮想通貨業界のリーダー企業|BitGo(ビットゴー)
BitGo(ビットゴー)は、仮想通貨を安全に保管し管理するためのウォレットやカストディサービスを提供している企業です。カリフォルニア州に本社を構え、ロンドン、シンガポール、東京にオフィスを構えている同社は、機関投資家向けのソリューションを提供しており、世界最大の仮想通貨取引所を含めた数多くの顧客を50カ国以上に抱えています。
75種類以上のコインとトークンをサポートしている同社のウォレットには、20億ドル(約2,247億円)以上の資産が保有されていると言われており、業界を代表するリーダー的存在としても知られています。
2013年には、業界初のマルチシグネチャーホットウォレットを導入しており、2018年10月時点では300以上ものクライアントを抱えていると言われています。
ゴールドマン・サックスなど大手企業が投資
Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)とMichael Novogratz(マイケル・ノヴォグラッツ)氏は「BitGo Holdings」に多額の投資を行なったと伝えられています。
報道によると、ゴールドマン・サックスとノヴォグラッツ氏は、約1,500万ドル(約16億8,000万円)の資金を投資した伝えられており、BitGoはこの他にも
・Valor Equity Partners
・Craft Ventures
・DRW
・Redpoint Ventures
などの投資会社などから総額5850万ドル(約65億6,000万円)を調達したと伝えられています。
BitGoのCEOであるMike Belshe(マイク・ベルシュ)氏は、多くの企業から投資を受けた際に、次のようなコメントを語っています。
仮想通貨やデジタル資産の取引を望んでいる機関投資家にとって「BitGo」ほど優れた企業はありません。仮想通貨市場はまだまだ未熟ですが、私たちはすでに準備を始めています。
カストディサービスが仮想通貨市場を成長させる
仮想通貨市場はこの数年間で大幅な成長を遂げていますが、機関投資家の中には未だに仮想通貨市場に参加していない機関も多く存在します。安全性の高い仮想通貨の保管方法がないという点は、機関投資家の参入を妨げる障壁となっています。
そのため、最近では「JPモルガン」や「Northern Trust(ノーザン・トラスト)」多くの金融機関や仮想通貨ファンドがカストディ・サービスを提供しており、今年の8月にはゴールドマン・サックスが独自のカストディ・サービスの提供を検討していることも報じられています。
ノヴォグラッツ氏は『機関投資家はデジタル資産が徐々に現在の市場を変化させることになると認識しているため、この市場に参加したいと考えている』と語っています。このような機関投資家の参入を促すためには、より良いカストディサービスが重要になると考えられています。
最近の発表では、アメリカの大手金融サービス会社Fidelity Investments(フィデリティ・インベストメント)が、機関投資家を対象としたビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の保管サービスを開始することを発表しました。このような新しい発表は、仮想通貨の採用を促すことにつながると考えられています。
ノヴォグラッツ氏は、機関投資家が市場に参入することによって仮想通貨市場がさらに大きく成長することになるという予想を以前に語っています。BitGoが研究開発が進みより安全な仮想通貨の保管方法が提供されれば、より多くの投資家が安心して市場に参加できるようになり、さらなる成長が見込めると期待されています。
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