宇宙開発の民主化へ:ブロックチェーン企業が「小惑星探査企業」買収|ConsenSys
ブロックチェーン・ソフトウェア会社であるConsenSys(コンセンシス)は、小惑星の探索や資源開発を行なっている米国のベンチャー企業「Planetary Resources(プラネタリー・リソーシズ)」を買収しました。同社のCEOであるJoseph Lubin(ジョセフ・ルービン)氏は、「宇宙開発の民主化」に向けた取り組みを行なっていく意思を表明しています。
こちらから読む:宇宙開発にも取り組むブロックチェーン企業「ConsenSys」とは
Planetary Resources(プラネタリー・リソーシズ)とは
Planetary Resources(プラネタリー・リソーシズ)は、宇宙空間における小惑星の探索や抽出、精製などを行い、それらの資源を人々に供給するための取り組みを行なっているベンチャー企業です。地球からそれほど遠くない小惑星を対象にして調査を行っており、水や金属などの天然資源の有効活用に取り組んでいます。
これまでにも数々のプロジェクトに取り組み、その結果を報告してきたPlanetary Resourcesは、ブロックチェーン企業である「ConsenSys(コンセンシス)」が同社を買収したことを2018年10月31日に発表しました。
2009年に設立された「Planetary Resources」は、過去に行われた資金調達で5,000万ドル(約56億円)もの資金を集めており、過去半年間で2つの衛星を軌道に乗せていましたが、今年6月に行われた資金調達では上手く資金が集まっておらず、資金面での問題を抱えていたと伝えられています。
ConsenSysによる今回の買収で、同社は資金面の問題を解決すると共にブロックチェーン技術やスマートコントラクトの技術を取り入れていくことができます。
実績ある専門家が「ConsenSys」に参加
今回の買収に合わせて「Planetary Resources」の社長兼CEOであるChris Lewicki(クリス・レビスキー)氏と法務顧問であるBrian Israel(ブライアン・イスラエル)氏は、ConsenSysに参加しています。
レビスキー氏はPlanetary Resourcesに努める以前には、NASAの無人探査機等の研究開発及び運用に携わる研究所である「ジェット推進研究所」において、
・Spirit(スピリット)
・Rover(ローバー)
・Phoenix(フェニックス)
といった火星探査機の航空ディレクターを務めていた実績を持っています。
またイスラエル氏は以前、米国国務省の法律顧問事務所に勤務した経歴を持っており、宇宙、海洋、国際環境ガバナンスに関する国際的な法律面を担当していたと伝えられています。彼らは共に、今回のConsenSysによる買収を歓迎していることを語っており、イスラエル氏は『イーサリアムのスマートコントラクト機能は、宇宙での私的注文や商取引の自然な解決策である』と述べています。
宇宙開発の「地方分権化」目指す
ConsenSysのCEOであるJoseph Lubin(ジョセフ・ルービン)氏は「Planetary Resources」のこれまでの実績や才能などを高く評価していることが主な買収の理由であることを語っており、今回の買収はConsenSysが宇宙開発の民主化や地方分権化に取り組んでいくことへの強い信念を持っていることを示すものでもあると述べています。
Consensysのエコシステムに深宇宙の潜在能力を与える今回の決定は、信頼と保証を自動化することによって「人類の新しい社会システム」を構築するためのサポートを行っているイーアリアムに対する私たちの信念を反映したものであり、私たちの種族を一つにまとめてまだ見ぬ人間の可能性を広げるために宇宙開発の民主化と地方分権化に取り組む私たちの信念を示すものでもあります。
このように語ったルービン氏は、これから本格的に開始されるプロジェクトや具体的な行動計画を共有できるのを楽しみにしていると語っています。ConsenSysは宇宙開発だけでなく再生可能エネルギーの活用などにも取り組んでいる他、ゲーム業界の大手企業などとの繋がりを持っており、技術者の教育などにも取り組んでいます。非常に幅広い分野でプロジェクトを進めている同社の取り組みには今後もさらに注目が集まります。
ConsenSysは、アメリカ・ワシントン州レドモンドにあるPlanetary Resourcesの元施設から宇宙計画を運用することを予定しています。
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