サトシ・ナカモトが「ビットコインの神」を痛烈批判|BCHハードフォークで戦争勃発か
ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークに関する議論が加熱する中で、「BitcoinSV」側を先導する"自称サトシ・ナカモト"Craig Wright(クレイグ・ライト)氏が、「BitcoinABC」側を支持している"ビットコインの神"Roger Ver(ロジャー・バー)氏に宣戦布告したことが明らかになりました。
こちらから読む:サトシ・ナカモトから宣戦布告を受けた「ロジャー・バー氏」とは
サトシ・ナカモトを自称する「Craig Wright氏」とは
Craig Wright(クレイグ・ライト)氏は、オーストラリア生まれのコンピュータ科学者であり実業家です。ビットコインの開発に初期から携わっていたことでも知られており、2015年10月にアメリカ・ラスベガスで開催されたカンファレンスで意味深な言動が見られたことなどから大きな注目を集め、ビットコインの生みの親「サトシ・ナカモト」本人である可能性が高いと言われるようになりました。
はじめのうちは自身がサトシ・ナカモトであるという主張を覆すこともありましたが、2016年5月に自身がサトシ・ナカモトだと認めています。これに関して本人は『自分がビットコインの発明者であることを宣伝したいわけじゃない』とも語っており、周りの環境の影響から仕方なく公表したと語っています。
現在クレイグ氏は、ブロックチェーンの研究開発を行う「nChain」でチーフサイエンティストを勤めており、ビットコインキャッシュプロトコルに新たな変更を加えることを提案している「BitcoinABC」側のAmaury Séchet(アーモリー・セーシェット)氏らと対立しています。
クレイグ氏は、アーモリー氏側からの提案が"ビットコインホワイトペーパーの精神"に反していると指摘しており、この提案の受け入れを拒否しています。さらにクレイグ氏側は、これらの提案とは別にビットコインキャッシュのブロックサイズを現在のものよりも4倍大きい「128MB」にするなどの改良を加えた「BitcoinSV」をリリースすることを発表しており、現在仮想通貨業界で大きな話題となっているビットコインキャッシュハードフォークの騒動へと発展しています。
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ロジャー・バー氏に「くたばれ」宣戦布告
BitcoinABCに猛烈に反対しているクレイグ氏は、「BitcoinABC」を支持していることを表明していた大手仮想通貨メディア「Bitcoin.com」のCEOとして知られながら「ビットコイン・ジーザス」の異名も持つRoger Ver(ロジャー・バー)氏にも敵対的な姿勢をとっています。
バー氏は、2018年11月8日にYouTube上で公開した動画の中でクレイグ氏からメールを通じて猛烈な批判を浴びたことを明かし、実際にそのメールの内容を公開しています。このメールには「BitcoinABC」やそれを支持する「ロジャー・バー氏」への激しい怒りが込められており、BCHの価格を"ゼロ"にすることを示唆する内容が書かれています。
(引用:Bitcoin.com-Official Channel)
もしあんたが戦争したいんだったら…
私は2年間取引しない。
戦争の間は一切取引しない。
もしABCのようなクソみたいなコインが欲しいと思うなら、勝手に破産してくれ。
君のことを知れてよかったよ。
ビットコインはABCがくだらないことをしている間に消えて無くなるだろう。
BCHが今後数年間"ゼロ"で取引されるのが目に浮かぶよ。そう思わないかい?
あんたはABC側についた、それはビットコインを憎むことを意味する、お前は私の敵だ。君はそれがどういう意味か全く理解できていない。
今に分かるだろう。
私がサトシだ。良い人生を送ってくれ。私が怒ったらどうなるかすぐに分かるだろう。
あんたはこの事態を防ぐことができた。これはあんたが選んだことだ。
くたばれ
クレイグ
困惑する「ビットコインの伝道師」
Bitcoin.comのYouTube公式チャンネルでこのことを報告したロジャー・バー氏は、動画の中で非常に困惑した表情で「クレイグ氏に騙されたかもしれない」との考えを述べており、クレイグ氏のメール内容に対して『40代のビジネスマンが言うようなセリフじゃない』と語っています。
同氏は今回のハードフォークに対して、少数が大多数に反対している場合には、ハードフォークしたければするべきだと述べており、数年前に起こったイーサリアムクラシック(Ethereum Classic/ETC)のハードフォークを取り上げて説明を行なっています。
バー氏は今回のハードフォークについて、ライトコイン(Litecoin/LTC)のCharlie Lee(チャーリー・リー)氏などの様々な業界関係者と議論を行なってきたもののそれらは単なる意見の違いであり、クレイグ氏とのケースとは大きな違いがあると語っています。
同氏は今回のハードフォークは、"2000年になるとコンピュータが誤作動する可能性がある"と噂された「2000年問題(Y2K)」のように、実際にはそれほど大きな問題にはならない可能性もあるとの考えを語っており、自分自身も大きな問題に発展しないことを望んでいることを説明しています。
今回のメールについてクレイグ氏からのコメントは今のところ確認されていないため、今回のメールが何かのミスである可能性もないとは言い切れません。しかしながらビットコインキャッシュのハードフォークに関しては、現在も開発者たちの間で真剣な議論が交わされています。
ビットコインキャッシュ(BCH)の価格|2018年11月9日
ビットコインキャッシュ(BCH)の価格は今月2日から大きく上昇しており、11月7日の時点では約72,000円を記録しています。しかしその後はやや下落し、2018年11月9日時点では「1BTC=約65,700円」で取引されています。
2018年11月9日 BCHのチャート(引用:coingecko.com)
2018年11月15日のハードフォークまで残り数日となり、国内の各仮想通貨取引所もハードフォークへの対応を発表しています。BCHを保有している方は利用している仮想通貨取引所からの発表も確認しておくようにしましょう。
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