ブロックチェーンは「虹彩認証」実用化の鍵?セキュリティ向上で身分証明も簡単に
ブロックチェーン技術は「虹彩認証」への活用にも期待が高まっています。比較的新しい技術である虹彩認証は、非常に重要なものでもある「生体情報の取り扱い方」や「セキュリティ」などの面で問題を抱えていましたが、ブロックチェーン技術と組み合わせることによってそれらの問題を解決し、実用化に向けて大きく前進することができると期待されています。
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ブロックチェーンで「虹彩認証」の課題解決
スマートフォンやIoT(モノのインターネット)等が普及して私達の生活がますます便利となっていくにつれ、サイバー犯罪の被害に遭う可能性は高まっていきます。このような被害を事前に防止するために、現在は「虹彩認証(*1)」による新しいセキュリティ技術に注目が集まっています。
(*1)虹彩認識:指紋認証や音声認証と並ぶ「生体認証」の一種。虹彩とは瞳孔周辺にある円盤状になっている膜の部分で細かい線が入っています。これは通常2歳ごろに模様が形成され一生において変わる事はほぼありません。そのため「本人認証」に適しているとされています。
しかし虹彩認証も完璧なものであるわけではなく、
・"複数のシステムで共通の生体認証を使用する際にはシステムごとに登録しなければいけない"といった煩わしさをどのようにして解決すれば良いか?
・生涯に渡って変わることのない"非常に重要なデータ"をどのような方法で厳重に保管・管理すれば良いか?
といった課題が残されていました。
ブロックチェーンの技術を応用すれば"改ざんができない高レベルのセキュリティ"を提供することができるため「情報漏えい・ハッキングの防止/利用者のプライバシー保護」に役立つとして期待が高まっています。
虹彩認証による「身分証明」を実現
発展途上国や難民など、身分証を持てない人々は未だに多いと言われています。自分自身のアイデンティティーを証明できなければ、普段の生活や銀行利用なども非常に難しいものとなってしまい不便を強いられます。
しかし虹彩認証による身分証明が可能となれば、目をスキャンするだけで簡単に自分自身のアイデンティティーを証明することができるため、生活に利便性がもたらされる事になります。
ブロックチェーン技術は、この「虹彩認証による身分証明」を実用化するための"鍵"になると期待されています。またブロックチェーン技術を活用すれば、懸念される不正行為などを防いで安全性をもたらすと共に、個人情報や取引のデータ管理を効率化することも可能になると考えられています。
秘密鍵としての活用で「日常生活がさらに便利に」
虹彩認証へのブロックチェーン技術の導入は、発展途上国だけでなく私達の日常生活における"決済"などのサービス利用などにも利便性をもたらす可能性があります。
将来、虹彩認証による決済が普及した場合には「プライバシー・セキュリティの保護」が利用者にとって最も懸念される点と言えますが、「ブロックチェーン技術」と「虹彩認証技術」を応用すれば「生体情報(虹彩)自体」を"秘密鍵"として使用することができるため、"秘密鍵を紙に書いて保管・管理する"などの必要がなくなり、情報漏洩のリスクを最大限にまで減らし、不正利用を防止する事ができると期待されます。
指紋などの生体情報は比較的簡単にハッキング(指紋を偽造)されてしまうことも報告されており、何らかの理由でその指紋を失ってしまう危険性などもあるため、盗難されることがほとんどないと考えられる「虹彩情報」は"秘密鍵"として使用するのに適していると考えられます。
この技術が実用化された場合には"虹彩認証のみ"で簡単かつ安全に決済をなどを行うことができるようになるため、財布など荷物を極力持たずに手ぶらでの外出も可能となるでしょう。
「ブロックチェーン」と「虹彩認証」はどちらも比較的新しい技術であるため、実用化するためにはまだまだ解決すべき点が残されていると考えられますが、このような研究は現在も実際に進められているため、数年後には一般向けに広く提供される可能性もあります。ブロックチェーン技術によって「虹彩認証」の実用化が実現すれば医療や物流など様々な業界に応用することができるため、私達の生活もますます便利になると期待されます。
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