米SEC:仮想通貨KINを「未登録証券として起訴」100億円ICOプロジェクトの行方は

by BITTIMES

米国証券取引委員会(SEC)は、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)で仮想通貨「キン(Kin/KIN)」を発行し、総額1億ドル(約110億円)の資金調達を行なったことでも知られるカナダの大手メッセージアプリ「Kik(キック)」の運営会社「Kik Interactive Inc.」を"未登録証券販売"の容疑で起訴したことを発表しました。

こちらから読む:BINANCE DEXが"日本"をブロック「国際ニュース」一覧

仮想通貨KINの発行会社を「未登録証券販売」容疑で起訴

米国証券取引委員会(SEC)は、2019年6月4日にカナダの大手メッセージアプリ「Kik」の開発会社である「Kik Interactive Inc.(Kik社)」を"1億ドル(約108円)相当の未登録証券を販売した"として起訴したことを発表しました。

「Kik Interactive Inc.」が運営しているチャットアプリ「Kik(キック)」は、2010年にリリースされて以降アメリカの若者を中心として非常に多くの人々に利用されており、2016年の時点で約3億人に利用されていると伝えられています。Kik社は、2017年にICO(イニシャル・コイン・オファリング)を通じて仮想通貨「キン(Kin/KIN)」を発行し、総額1億ドル(約108億円)の資金を調達しました。

SECは、Kik社が「"需要が高まるにつれてトークンの価値が上がる"と主張し、投資家に対して将来の利益を約束した」と説明しており、以下のような問題点があることを指摘しています。

  • Kik社は「KIN」を投資商品として販売した
  • 「需要の高まりがKINの価値を高める」と宣伝した
  • KINをアプリに組み込むことなどを約束した
  • KINが販売された時点でそれらのサービスは存在していなかった
  • Kik社は3兆KINを保管しているため、需要増の恩恵を受けることができる

SECのサイバー部門執行部のチーフであるRobert Cohen(ロバート・コーエン)氏は「将来的な利益を保証するような行為を行なったことが有価証券であることを示す最大の特徴である」と説明しており、SECのSteve Peikin氏は「kik社は"情報に基づく投資判断をする"という法律に守られた投資家の権利を損ねた」と述べています。

KINトークン発行元は「起訴を歓迎」

Kik社とSECは以前から対話を進めてきており「KINトークンは未登録証券である」との見方が強まっていましたが、Kik社は「KINトークンは有価証券ではなく、サービス内で通貨として使用する"ユーティリティトークン"である」と主張しており、「仮想通貨関連の規制が不十分である」と指摘していました。

また先日「Kik社」は、SECに対して訴訟を起こすために500万ドル(約5億4,000万円)の資金を募るサイトを開設し、規制が不透明な状況に決着をつける意思を表明していました。仮想通貨関連の規制に「明確さが欠けている」という指摘はこれまでにも非常に多く語られてきているため、そのような主張を代表してSECに真っ向勝負を挑んでいるKik社には注目が集まっています。

今回SECからの発表を受けたKik社はこれに対する公式の見解を発表し、SECからの起訴は予想できていたと説明した上で「アメリカにおける仮想通貨の未来のために戦える機会を歓迎する」と語っています。

同社は、SECが発表した内容は「KINトークン」のトークンセールに誤解を招くものであると主張しており、裁判を通じてその誤解を正していく意思を語っています。

Kik社の顧問弁護士の見解

Kik社の顧問弁護士であるEileen Lyon氏は「資産の価値が上がる可能性について言及することは、利益を保証することとは違う」といいうことや「同じ目的を持つことは共同事業とは異なる」ということを説明した上で、"トークンが有価証券に該当するかどうか"を判断する際の基準となる「ハウェイテスト」の定義が広がってきているため、SECからの起訴は司法審査に耐えられないと語っています。

さらに同氏は、2018年11月にSECが提出した事前通知書(Wells Notice)が当初は「Kik社」と「Kin財団」の両方に宛てたものであったものの、その返答を提出した後には「Kin財団」や「プレセール・トークン配布後の取引」に関する言及がされなくなったことを指摘し、「これはSECが"現在Kinのエコシステムで行われている取引が連邦証券法には該当しないことを認めている"ということを示している」との見解を語っています。

仮想通貨業界ではSECの決定に関する議論が長い間行われてきましたが、SECとKik社の議論が本格化してきたことによって、今後は仮想通貨業界の将来のために重要となる裁判が進められていくことになると予想されます。市場が再び回復に向かっている一方で進行しているこれらの戦いには今後も注目が集まります。

>>「米SEC」の公式発表はこちら
>>「Kik社」からの公式発表はこちら

2019年6月5日|キン(Kin/KIN)の価格

キン(Kin/KIN)の価格は、今回の発表に伴い大幅に価格が下落しており、過去24時間の下落率は「32.4%」となっています。発表以前に「約0.0038円」で取引されていたKINは、記事執筆時点で「0.0025円」まで下落しています。

2019年5月29日〜2019年6月5日 TRXのチャート(引用:coingecko.com)2019年5月29日〜2019年6月5日 TRXのチャート(引用:coingecko.com)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連のある仮想通貨ニュース

NEM(ネム)ブロックチェーンを活用して「学位証明」を合理化|学歴詐称防止へ

NEM(ネム)ブロックチェーンを活用して「学位証明」を合理化|学歴詐称防止へ

ブロックチェーンで「ヘルスケア業界」のコスト削減へ|医療・健康保険会社がIBMと提携

ブロックチェーンで「ヘルスケア業界」のコスト削減へ|医療・健康保険会社がIBMと提携

サッカークラブが仮想通貨による株式買収に合意|イタリア「リミニFC」

サッカークラブが仮想通貨による株式買収に合意|イタリア「リミニFC」

フィンテック市場でドイツがイギリスを超える日

フィンテック市場でドイツがイギリスを超える日

ワクチン輸送を「ブロックチェーン・IoT」で安全に|偽造品問題などにも対処:StaTwig

ワクチン輸送を「ブロックチェーン・IoT」で安全に|偽造品問題などにも対処:StaTwig

ユヴェントスFC「公式トークン」発行へ|ブロックチェーン投票でファン参加型のチーム運営

ユヴェントスFC「公式トークン」発行へ|ブロックチェーン投票でファン参加型のチーム運営

注目度の高い仮想通貨ニュース

ブロックチェーンは地方の未来を変えるのか:熊本ブロックチェーンカンファレンス2019

ブロックチェーンは地方の未来を変えるのか:熊本ブロックチェーンカンファレンス2019

BITMAXの仮想通貨取引サービスが「iOS版LINE」でも利用可能に

BITMAXの仮想通貨取引サービスが「iOS版LINE」でも利用可能に

Algorand投資子会社から仮想通貨「数億円相当」が流出|CTOの携帯電話が標的に

Algorand投資子会社から仮想通貨「数億円相当」が流出|CTOの携帯電話が標的に

Cardano商業化部門、EMURGOが「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」に参加

Cardano商業化部門、EMURGOが「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」に参加

違法行為に使用されるビットコインは「2%」=Elliptic調査

違法行為に使用されるビットコインは「2%」=Elliptic調査

ブロックチェーン用いた「遺言スマートコントラクト」作成システムを開発:ZWEISPACE

ブロックチェーン用いた「遺言スマートコントラクト」作成システムを開発:ZWEISPACE

ベネズエラ最大のデパートが「仮想通貨ATM」を導入|決済に続きBTC購入も可能に

ベネズエラ最大のデパートが「仮想通貨ATM」を導入|決済に続きBTC購入も可能に

ILCoinが「RIFT」を導入し、ブロックチェーン業界に革命をもたらす

ILCoinが「RIFT」を導入し、ブロックチェーン業界に革命をもたらす

イーサリアム、今後数日で「大きく値動き」か?複数トレーダー・アナリストが予想

イーサリアム、今後数日で「大きく値動き」か?複数トレーダー・アナリストが予想

FCバイエルン:ブロックチェーン基盤のデジタルグッズ発行へ「Stryking」と提携

FCバイエルン:ブロックチェーン基盤のデジタルグッズ発行へ「Stryking」と提携

仮想通貨市場「回復」なるか|BTC・XRPなどに上昇傾向【2019年10月7日】

仮想通貨市場「回復」なるか|BTC・XRPなどに上昇傾向【2019年10月7日】

株主優待で「ビットコイン贈呈」へ:マネックスグループ

株主優待で「ビットコイン贈呈」へ:マネックスグループ

仮想通貨ニュース | 新着記事一覧

仮想通貨まとめ一覧

国内仮想通貨取引所:消費税増税後の「各種手数料」まとめ

国内仮想通貨取引所:消費税増税後の「各種手数料」まとめ

【2019年】国内仮想通貨取引所の「セキュリティ対策・資産管理状況」まとめ

【2019年】国内仮想通貨取引所の「セキュリティ対策・資産管理状況」まとめ

「医療分野」におけるブロックチェーン活用事例|情報共有がもたらす数々のメリット

「医療分野」におけるブロックチェーン活用事例|情報共有がもたらす数々のメリット

ブロックチェーン×ドローンという「ビジネスの可能性」技術融合で未来の生活が変わる

ブロックチェーン×ドローンという「ビジネスの可能性」技術融合で未来の生活が変わる

貿易産業を変革するブロックチェーン技術「分散型管理」で輸入・輸出の問題改善へ

貿易産業を変革するブロックチェーン技術「分散型管理」で輸入・輸出の問題改善へ

ポルシェ:ブロックチェーンを活用した「次世代スマートカー」計画

ポルシェ:ブロックチェーンを活用した「次世代スマートカー」計画

人気のタグから探す