カカオトークを運営するカカオ社が仮想通貨市場に参入
3月5日、韓国のメッセージングプラットフォーム「カカオトーク」を運営するカカオ社は、自社のICOの立ち上げに合わせてブロックチェーン技術に重点を置いた子会社「カカオブロックチェーン(仮称)」を設立することを発表しました。20日に開かれる記者会見を通じてICOをはじめとする具体的な事業計画が発表される予定となっています。
現時点では事業計画の内容や会社の焦点がどこにあるのかは明かされておらず、ブロックチェーンソリューションの開発に専念することが報じられています。カカオ社の関係者は子会社を通じてICOをはじめ、仮想通貨事業への進出を議論中であることを明らかにしています。
現在、韓国ではICOの立ち上げは違法となっているため、カカオ社はシンガポールと香港などの海外でICOを進めるとみられており、海外でICOを進めた後に、韓国の主要取引サイトで売買できるようにする計画であることが報じられています。
一部のメディアでは、カカオ社は独自の仮想通貨である「カカオコイン」を開発しているとも報道されています。
カカオコインのメリット
「カカオコイン」は、カカオ社のグローバルコンテンツ事業の拡大に大きく貢献することが期待されています。
この例えとして以下の説明がされています
カカオジャパンが提供する漫画小説アプリ「ピッコマ」にカカオコインが融合されると、簡単決済などの様々なフィンテック事業と連携することができます。
韓国でも、カカオトーク/カカオナビ/カカオドライバ/カカオゲームなどの様々なカカオサービスに取り入れて、お金の代わりにカカオコインで支払いするようにすれば、モバイルコマース市場を掌握することができます。顧客の請求ビッグデータを確保することができるだけでなく、独自のコインを使用して既存のコンテンツの生態系の購買力をさらに引き上げることもできます。
利用者の利点としては、カカオコインが現金のような価値を持つだけでなく、カカオのコンテンツをより安価に利用することができることなども予想されています。
今後も事業拡大を狙うカカオ社
カカオ社はICOを通じて確保した資金で、ブロックチェーンの技術力の確保と関連企業の買収に積極的に乗り出す予定とのことです。
同社は2月にもシンガポール証券取引所を介して海外株式預託証券(GDR)を発行し、10億ドル(約1兆600億ウォン)規模の海外資金を誘致しています。
業界関係者は今回の発表について以下のように語っています。
「カカオのように様々なコンテンツ事業をする企業は、コイン市場に参入しない理由はない」
「現金の代わりにコインを活用して決済データを確保することができ、カード会社や支払い決済代理店PG社に手数料を支払う必要がなくなることなどから、多方面での利点が大きい」
「コイン自体の魅力で、海外の利用者も確保することができますが、政府がICOを否定的に見る側面が大きく、実際の国内で汎用的に使用できるかどうかは、もう少し見守らなければならないだろう」