盗まれたイーサリアムが「複数ウォレット」に移動|分散型取引所で資金洗浄の可能性も

by BITTIMES   

韓国の大手仮想通貨取引所「Upbit(アップビット)」から大量のイーサリアム(Ethereum/ETH)を盗み出したハッカーが、盗んだ342,000ETH(約55億円相当)を別のウォレットに移動し始めたことが明らかになりました。

BINANCE・Huobiなど「複数のウォレット」に分散

Upbit(アップビット)から大量のイーサリアム(ETH)を盗み出したハッカーは「合計342,000ETH」を1つのウォレットに保有していましたが、先日28日にはこのETHが合計4つの異なるアドレスに分散されたことが確認されました。

盗み出されたETHは、すでに"ハッカーが盗み出したものである"ということを確認することができるようになっているため、複数の調査会社などが追跡を行なっていますが、一部のETHは「BINANCE(バイナンス)」と「Huobi(フォビ)」に送金されているため、ハッカーはこれらの取引所にETHを送金することによってその反応を伺っていると考えられています。

セキュリティ調査会社である「Peckshield」は、Upbitと直接協力して盗まれた資金を回収するための支援を行なっており、ETHが送金された4つのアドレスを識別した上でそれらのアドレスから送金される仮想通貨の監視を続けているため、ハッカーも監視に注意を払いながらETHを分散させていると考えられます。

また、BINANCEのCEOであるChangpeng Zhao(ジャオ・チャンポン)氏も「Upbitから盗まれた資金は直ちに凍結される」と述べており、Upbitを含めた業界関係者と協力して資金回収に取り組むことを発表しているため、BINANCEで盗んだETHを現金化または交換する行為は阻止されることになると予想されます。

分散型取引所などで資金洗浄される可能性

中央集権型の大手仮想通貨取引所に送金されたETHは管理会社が"口座凍結"の対応をとることによって、資金洗浄を阻止することが可能ですが、その一方では分散型取引所(DEX)などを介して資金洗浄が行われる可能性への懸念が高まっています。

分散型取引所では、取引を行うための「アカウント登録」や「個人情報提供」などを行う必要がないため、盗まれたETHの取引を阻止することが困難になります。BINANCEのジャオ・チャンポン氏も「分散型取引所で現金化するのを止めることはほぼ不可能である」と指摘していると伝えられています。

現時点では"盗まれたETHの移動先"を追跡することができていますが、今後これらのETHがさらに細かく複数のウォレットに送金され始めた場合には、それらすべてのウォレットの動きに対応することは非常に困難になります。また、ネット上には複数のミキシングサービス(*1)が存在しているため、それらのサービスを悪用するケースも想定されます。
(*1)ミキシングサービス:複数の送金データを混ぜ合わせることによって、利用者のプライバシーや匿名性を守るサービスのこと

Upbitは「盗まれたETHは同社の資産によって補償され、2週間以内には完全にサービスを再開し、全てのユーザーにETHを返金する」と説明しているため、Upbitユーザーが資産を失うことは有りませんが、"仮想通貨取引所のハッキング"に関しては今後も問題視されていくことになるでしょう。

>>「342,000ETH」が移動されたアドレスはこちら

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連のある仮想通貨ニュース

BINANCE:アイオーエスティー(IOST)の「先物取引」提供へ

BINANCE:アイオーエスティー(IOST)の「先物取引」提供へ

東京ハッシュ「暗号資産現物取引サービス+新規口座開設申込受付」を開始

東京ハッシュ「暗号資産現物取引サービス+新規口座開設申込受付」を開始

Huobi Japan「オントロジー(ONT)」取扱いへ|3つの記念キャンペーンも開催

Huobi Japan「オントロジー(ONT)」取扱いへ|3つの記念キャンペーンも開催

ビットバンクなど4団体「Lightning Network用いたビットコイン決済」の実証実験を実施

ビットバンクなど4団体「Lightning Network用いたビットコイン決済」の実証実験を実施

Chiliz&Socios:韓国のプロサッカークラブ「浦項スティーラース」と提携

Chiliz&Socios:韓国のプロサッカークラブ「浦項スティーラース」と提携

Socios&Chiliz「英国」でも事業拡大へ|コマーシャルディレクターにKarim Virani氏

Socios&Chiliz「英国」でも事業拡大へ|コマーシャルディレクターにKarim Virani氏

注目度の高い仮想通貨ニュース

ぺぺのカムバックを逃した?次のチャンスとして注目される仮想通貨

ぺぺのカムバックを逃した?次のチャンスとして注目される仮想通貨

MarketAcross、Republic Cryptoと提携|マーケティングと成長戦略のアドバイザリーを強化

MarketAcross、Republic Cryptoと提携|マーケティングと成長戦略のアドバイザリーを強化

大手仮想通貨取引所BINANCE「初の取締役会」を設置

大手仮想通貨取引所BINANCE「初の取締役会」を設置

NFTDriveEX:SymbolとEVMチェーンを繋ぐ「アトミックスワップ機能」導入へ

NFTDriveEX:SymbolとEVMチェーンを繋ぐ「アトミックスワップ機能」導入へ

国内取引所間の送金環境が改善|SBI VCトレード・ビットポイントが「Sygna・TRUST」両方に対応

国内取引所間の送金環境が改善|SBI VCトレード・ビットポイントが「Sygna・TRUST」両方に対応

仮想通貨決済のSlash「SVLトークンのエアドロップ」実施へ|対象者なども発表

仮想通貨決済のSlash「SVLトークンのエアドロップ」実施へ|対象者なども発表

Dogwifhat(WIF)の上昇はまだまだ続く?アーサー・ヘイズ氏の強気な価格予想

Dogwifhat(WIF)の上昇はまだまだ続く?アーサー・ヘイズ氏の強気な価格予想

BINANCE創設者CZ氏「Giggle Academy」を発表|新プロジェクトの内容は?

BINANCE創設者CZ氏「Giggle Academy」を発表|新プロジェクトの内容は?

2023年の仮想通貨投資利益「国別ランキング」日本の順位は?=Chainalysisレポート

2023年の仮想通貨投資利益「国別ランキング」日本の順位は?=Chainalysisレポート

Oasysの分散型取引所(DEX)「Tealswap V3」ローンチ|集中流動性機能を導入

Oasysの分散型取引所(DEX)「Tealswap V3」ローンチ|集中流動性機能を導入

Dogecoin20がプレセールで1000万ドル調達に成功!4月20日の国際ドージデーにローンチ予定

Dogecoin20がプレセールで1000万ドル調達に成功!4月20日の国際ドージデーにローンチ予定

Solana系の最新ミームコインDogWifCat、24時間で3,000%以上の価格高騰

Solana系の最新ミームコインDogWifCat、24時間で3,000%以上の価格高騰

仮想通貨ニュース | 新着記事一覧

仮想通貨まとめ一覧

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

ASTRも管理できる「Polkadot{.js}」のウォレット作成方法|画像付きでわかりやすく解説

ASTRも管理できる「Polkadot{.js}」のウォレット作成方法|画像付きでわかりやすく解説

人気のタグから探す