DeFi+CeFiの「ハイブリッド型金融サービス」暗号資産取引所で導入進む
分散型金融(DeFi)と中央集権型金融(CeFi)の両方の商品に対応した「ハイブリッド型金融サービス」を提供する暗号資産取引所が増えてきています。今月25日には暗号資産取引所「Bitrue」が独自のハイブリッドプラットフォームを提供する計画を明らかにしていましたが、先日30日には大手暗号資産取引所「OKEx」も"ハイブリッド型レンディングアグリゲーター"を公開したことを発表しています。
こちらから読む:SBI FXトレード、"暗号資産CFD取引"提供開始「暗号資産」関連ニュース
仮想通貨取引所で「ハイブリッド型金融サービス」が増加
仮想通貨業界では、ブロックチェーン技術を用いた分散型の金融サービス「分散型金融(Decentralized Finance/DeFi)」が大きな注目を集めていますが、最近ではこのDeFiの利点を既存の「中央集権型金融(Centralized Finance/CeFi)」に取り入れた「ハイブリッド型金融サービス」を取り入れる暗号資産取引所が増えてきています。
Bitrueの「ハイブリッド型金融プラットフォーム」
XRPを基軸通貨として取り扱っていることで知られる暗号資産取引所「Bitrue(ビットゥルー)」は、2020年8月25日に『DeFiとCeFiの両方の商品を提供する、暗号資産に特化した金融管理サービスに取り組んでいる』と発表しました。
Bitrue(ビットゥルー)が『世界初のハイブリッドプラットフォーム』としているこのサービスは「仮想通貨を借りたい人と貸したい人を繋ぐ、レンディングのマッチングエンジン」となっており、2021年第1四半期にサービス提供を開始する予定であると報告されています。
このサービスでは、同取引所に9月中旬に上場する予定となっている新しいトークン「ビットゥルー・ファイナンス・トークン(Bitrue Finance Token/BFT)」が利用されるとのことで、貸し手は"借り手が利用する流動性プール"にコインを追加して、その数量に応じた利息を受け取ることができると説明されています。
また、Bitrueは『既存のローンサービスをアップグレードして、担保資金を含むウォレットを閲覧可能にする』とも述べており、『DeFi製品とCeFi製品の両方を同時に提供することによって、様々なタイプのユーザーのニーズを満たすことができる』と説明しています。
Bitrueが提供するこれらの新しいサービスは、以前のサービスと合わせて「Bitrue Financial Services」と総称されており、これらのサービスでは新しいトークンである「Bitrue Finance Token(BFT)」を利用すると説明されています。Bitrue Finance Token(BFT)は全ての「Bitrue Token(BTR)」保有者に対してエアドロップで配布されるとのことです。
OKExの「ハイブリッド型レンディングアグリゲーター」
2020年8月29日には、グローバルに仮想通貨取引サービスを展開している大手暗号資産取引所「OKEx(オーケーイーエックス)」からも「DeFiとCeFiに対応したハイブリッド型レンディングアグリゲーター」を公開したことが発表されています。
同社が公開した新しいウェブサイトでは、ユーザーが「OKExが管理している中央集権型ローンサービス(C2C Loan)」と「コンパウンド(COMP)を使用した分散型ローンサービス」の2つから選択できることが示されています。
「コンパウンド(COMP)を使用した分散型ローンサービス」は"近日公開"とされているため、現時点で選択可能なサービスは「OKExの中央集権型ローンサービス」のみとなっていますが、同ページに記載されている「マーケット」のページでは「C2C Loan、Aave、dYdX、Compound、Maker」という5種類のレンディングサービスがリストされており、各サービスにおける各通貨のレンディングレートを一覧表示して確認・比較できるようになっています。
OKExが掲載しているレンディングレートの一部(画像:OKEx)
「OKEx」は今後、ウォレット間で資金を移動する必要性を排除した「ワンストップDeFiトレーディングショップ」の開設を予定しているとのことです。
より公平な金融サービスを実現しているDeFi関連のサービスは近年世界的に大きな注目を集めており、世界中の暗号資産取引所で「DeFi関連トークン」の上場が続いている他、それらのトークンの価格も大幅に上昇してきているため、今後もDeFi関連のサービスは拡大していくことになると予想されます。