Renault Group:車両の「コンプライアンス認証強化」にブロックチェーン技術活用
大手自動車製造会社である「Renault Group(ルノーグループ)」は2020年9月10日に、設計〜製造に至るまでの自動車部品の全てのコンプライアンス認証をさらに強化するために「XCEED(eXtended Compliance End-to-End Distributed)」と呼ばれるブロックチェーンプロジェクトを立ち上げたことを発表しました。
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自動車部品の規制遵守を追跡・認証
Renault Group(ルノーグループ)は2020年9月10日に、車両のコンプライアンス認証をさらに強化するために「XCEED(eXtended Compliance End-to-End Distributed)」と呼ばれるブロックチェーンプロジェクトをフランスにあるルノーのドゥエー工場で複数の機器メーカーと共にテストしたことを発表しました。
XCEED(eXtended Compliance End-to-End Distributed)は、
・Continental(コンチネンタル)
・Faurecia(フォーレシア)
・Plastic Omnium(プラスチックオムニアム)
・Saint-Gobain(サンゴバン)
などといった自動車業界の主要企業とルノーグループが共同で立ち上げたデジタルプロジェクトであり、IBMが主導するブロックチェーン「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)」の技術が活用されています。
このツールはブロックチェーン技術を用いて「自動車部品が規制を遵守しているかどうか」などの情報を分散型で記録し、複数の関係者がそれらの情報を共有・追跡できるように設計されています。
自動車メーカーは9月1日に新しい市場監視規制が施行されたことよってより優れたコンプライアンスソリューションが必要とされており、安全基準や環境基準を満たした環境が求められていますが、「XCEED」は規制が強化された場合などにも優れた応答性と効率を実現できるようになっていると説明されています。
ルノー工場で行われた「XCEED」のテストでは、100万件以上のドキュメントが処理され、毎秒500件のトランザクションを処理したと報告されています。
Renault Groupのブロックチェーン担当副社長であるOdile Panciatici(オディレ・パンシアティーチ)氏は「XCEED」について次のようにコメントしています。
私たちが開始した「XCEED」プロジェクトは、ルノーグループの革新能力を強力に示しています。ブロックチェーンは自動車業界を変革するためのベクトルであると確信しています。
ブロックチェーン技術は様々な企業が関与する広大なエコシステムで実際に活用されており、パートナーの様々なプロセス・コンピューターシステム・データベース間のリンクを提供します。
このような技術は自動車業界でも複数の用途で活用することができ、サプライヤー・クライアント・独立した販売代理店などといった社外の無数の企業や関係者との交流で活用できると期待されます。
自動車業界ではすでに自動車部品のサプライチェーン管理などといった様々な分野でブロックチェーン技術が活用されており、今年3月には「BMW Group」もブロックチェーン技術を用いてサプラチェーンの透明性を確保することなどを目的とした「PartChain」と呼ばれるプロジェクトを拡大していく計画を明らかにしています。