BITMAINは仮想通貨から人工知能(AI)に?|マイニング業界に変化
中国で特定用途向け集積回路(ASIC)を製造しているBITMAIN(ビットメイン)は、仮想通貨を禁止する中国政府の動きを受けて、仮想通貨マイニング(採掘)の収益の代わりとなる新たな分野への取り組みとして、人工知能(AI)向けチップの開発に挑戦していく計画であることが明らかになりました。
中国政府の仮想通貨に対する厳しい規制
中国では昨年イニシャル・コイン・オファリング(ICO)が禁止されており、今年に入ってからは仮想通貨取引所などのサービスも禁止し、海外の仮想通貨取引所などもブロックしています。
この厳しい規制に伴い、中国国内で運営されていた世界最大級の取引所のBINANCE(バイナンス)やその他の取引所も中国国内からは完全に撤退をすることを発表しました。
マイニングに特化したASICチップの製造
ビットメインは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、モネロ(XMR)などの様々な仮想通貨のマイニング(採掘)に特化したASICチップを製造販売しており、自社でもマイニングを行っています。
BITMAINがイーサリアとモネロ向けの製品をリリースしたことで、開発者たちははASIC耐性を維持するためのアップグレードを行なっています。
中国企業として準備が必要
このような状況を踏まえた上で、BITMAINの共同設立者であるJihan Wu(ジハン・ウー)氏は、ブルームバーグとのインタビューの中で「中国の企業として、我々は準備しておかなければならない」と語っています。
またその準備の一つとして人工知能(AI)に特化したASICチップの開発について語り、それらがASICメーカーの代替オプションとなるのは自然なことであると述べています。
「人工知能には多くの計算が必要です。これはBitcoinマイニングのようなものになります。これには特定用途向け集積回路(ASIC)として知られているカスタムチップが最適です。」
BITMAINの今後の計画は?
バーンスタイン・リサーチ(Bernstein Research)が2月に発表したレポートによると、ビットメインの年間収益は30億ドル(約3,325億円)以上にも登ると推定されています。
Bitmainは昨年10月に『Sophon BM1680』という初期プロトタイプの販売を開始しました。
このASICチップは、コンピュータに接続する600ドル(約6万7,000円)のアクセラレータカードの一部として販売されており他社が販売しているその他の製品よりは性能が劣るものの、安い金額で機械学習を高速化できる特別な設計となっているとのことです。
5年以内にはAIチップから得られる収益が、Bitmainの売上高の40%になると見積もっているウー氏は次のように語っています。
「私たちは、彼らが十分にケアをすることができていない何かにトライしようとしているだけです。」
BITMAINがイーサリアム(ETH)のマイニングに特化したASICマイナーを発売したことで多くの議論が行われることとましたが、ウー氏はいずれにせよ他のチップメーカーが必然的に市場に参入することになったということも語っています。
「それが私たちでなければ、Intelかもしれないし、NVIDIA、AMDかもしれない」
GMOもマイニングチップの販売計画を発表
GMOインターネットグループは、先日行われた2018年度の第1四半期の業績発表の際に、7nmのビットコインマイニング用チップの販売計画を明らかにしています。
GMOはV1とV2と呼ばれるチップの2つのバージョンを構築しています。前者は7nmマイニングチップの初期プロトタイプであり、後者は7nmマイニング用チップの大量生産用であり自社のマイニング事業で使用する他、クラウドマイニングにも使用される予定となっています。
V2は現在設計中とされており、今年の第4四半期には量産段階に入る予定となっています。
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(引用:bloomberg.com)