仮想通貨ウォレット+アクセサリー|Troveとは?
仮想通貨ウォレットをアクセサリーとして身につけることができる新しい商品のデザインが公開されました。Benjamin Hubert(ベンジャミン・ヒューバート)氏のデザインスタジオであるLayer(レイヤー)は、紛失や盗難の心配なく仮想通貨を保管できるデジタルウォレットとアプリシステムである『Trove』を発表しています。
デザインスタジオLayer
Layer(レイヤー)社は、フィンテック(fintech)のスタートアップ企業である『Trove』と協力して、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨を安全かつ簡単に保管および管理できるように設計された製品をリリースしました。
Layerの創始者であるBenjamin Hubert(ベンジャミン・ヒューバート)氏は英国の有名な工業デザイナーであり、Nike、BMW、Sumsung(サムスン)、Panasonic(パナソニック)などの大手ブランドと提携しています。
彼らが発表したこのシステムは仮想通貨をオフラインにして保管することで、ハッカーの影響を受けにくくすることができるスマートセキュリティシステムを組み込んでいるため、パスワードを忘れて資産を失うといったトラブルをより少なく抑えることができます。
設計したデザイナーはそれを『unhackable』と『unloseable』と呼んでいます。
ハードウェアウォレットサービス『Trove』
Troveは、仮想通貨をオフラインで安全に保存できるハードウェアウォレットとアプリケーションを提供します。
Troveは、Coin、Keep、Safe、Troveアプリの4つの部分で構成されています。
Coin
『Coin』は着用可能な小さなデバイスです。
財布やポーチのように毎日の支払いで利用する通貨を保管することができます。
その幅はちょうど2センチほどに設計されており、ポケットやバックに入れて簡単に持ち歩くことができるのもちろんのこと、アクセサリー感覚で身に着けることもできます。
現在のプロトタイプ段階では、内蔵の心電図(ECG)センサーが付属しているため、バイオメトリックでのみ開くことができます。これは、デバイスの正面にあるコンタクトゾーンに対して数秒間スキンを押してロックを解除する必要があることを意味します。
これらシステムはこの『Coin』を中心としています。
ECGセンサーは指紋や虹彩の検出と同様にユーザーの心拍パターンを認識し、それを検証モードとして使用します。これにより、TroveアプリとのBluetooth接続が有効になり、その中に含まれるデータや資金にアクセスすることができます。
この機能は静的な暗号化キー(複雑なパスワードまたはピン番号)を使用したアクセスを提供する一般的な仮想通貨ウォレットとは大きく異なります。
Layerはこれらの製品の利点について次のように説明しています。
「研究者たちはビットコイン全体の35%が回復不可能なパスワードのために失われていると推測しています。」
「ビットコインのセキュリティは資金の移動を可能にする複雑な秘密鍵に基づいているため、秘密鍵が失われると失われたコインを回収することは非常に不可能です」
「このシステムは、複雑なパスワード回復システムを必要とする既存のシステムや、独自の暗号化ハッシュの複数のページを印刷する必要があるシステムよりもはるかに簡単です」
『Coin』は黒色にエアレーションされたアルミニウムと銀の陽極酸化アルミニウムの2種類の素材で構成されており、リストバンド、ネックレス、ブローチといった3種類のアクセサリーに磁気的に取り付けることができるカスタマイズ可能なオプションが豊富に用意されています。
リストバンドは様々なKvadratテキスタイルが付属しており、ネックレスにはテラゾ、アクリル、セラミックなどの素材があります。
Layerは「Trove Coinはユーザーの個人的なスタイルに合わせて設計されている」と述べており、「Coinをファッションアクセサリーとして公開したり、より慎重に着用することができる」と説明しています。
Keep
『Keep』は誘導的にCoinを充電するために使用されるコンテナです
『Keep』と『Safe』はどちらも『Coin』とともに使用するように設計されています。
Keepは火山岩とポリカーボネイトで作られたコンテナであり、USB-Cポートによって駆動し『Coin』を誘導的に充電するために使用されます。
Safe
一方『Safe』はECG検証によって保護された「個人向けのホームバンク」として機能し、利用するユーザーは自宅で仮想通貨を安全に保管することができます。
「Coinは毎日の使用のために通貨を保管していますが、Safeは自宅で分散した個人的な富を保有できます。」
Troveアプリケーション
Troveアプリケーションはシステム全体のインターフェースを提供します。
このアプリケーションは、ユーザーが自分の『Coin』を見つけるのをサポートする追跡機能を備えています。
ユーザーは自分の支出履歴を把握し、時間の経過とともに通貨の価値がどのように変化するかを監視し、さまざまな仮想通貨のパフォーマンスを比較することもできます。
このアプリは人工知能(AI)の財務アドバイザーだけでなく、いつどこにいるのかをユーザーに正確に知らせるためのトラッキング機能も備えています。
Benjamin Hubertは、より人間中心のプロジェクトへの移行の一環として、2015年に彼のスタジオをLayer backとして改名しました。
このチームは今までにも『電子機器を無線で充電するセラミックトレイ』や『カーボンフットプリントを追跡するリストバンド』など、数多くのハイテク製品に取り組んできました。
マイクロチップで保管する方法も
仮想通貨ウォレットの種類は近年非常に増えており、カードタイプのものや今回紹介したアクセサリータイプのものまで様々です。
これまでの物理的なウォレットはハードウェア自体を紛失してしまう可能性がありましたが、Troveは追跡機能も備えているため安心できます。
しかし磁気的に固定された状態でアクセサリーとして持ち歩いた場合、ふとした瞬間に外れてしまうのが不安だという方もいるでしょう。
そういった方向けの商品の一つとして『マイクロチップ型のウォレット』があります。
キャッシュレス化に向けた取り組みが盛んなスウェーデンなどでは早い段階から導入が始まっているこのマイクロチップは、2mm×12mmのガラス製で米粒ほどの大きさとなっており、筋肉組織と皮膚組織の間にNFC(近接場通信)チップを注入する方法を採用しているため、紛失する心配はほぼ皆無です。
法整備などが整っていないことなどから、現時点では具体的な店舗名は明らかにできないとのことですが、日本でも実際にこのマイクロチップを入れてくれるお店も出てきているので、興味のある方はこちらも調べてみてはいかがでしょうか。
(引用:dezeen.com)