dHealth Network:dApps開発促進に向け「AppChain」追加|BINANCE系チェーンとのブリッジも
ヘルスケア・医療に特化したレイヤー1プロトコルを展開しているディーヘルスネットワーク(dHealth Network/DHP)は2023年4月14日に、分散型アプリケーション(dApps)の開発促進に向けて、Binance Application Sidechain(BAS)をベースにした「AppChain」をネットワークに追加することを発表しました。
今回の発表を受けて、仮想通貨DHPの価格は上昇しています。
BASベースの「AppChain」をネットワークに追加
ディーヘルスネットワーク(dHealth Network/DHP)は2023年4月14日に、分散型アプリケーション(dApps)の開発促進に向けて、Binance Application Sidechain(BAS*)をベースにした「AppChain」をネットワークに追加することを発表しました。
*Binance Application Sidechain(BAS):大手暗号資産取引所BINANCEが開発するBNB Chainの負荷を軽減することを目的として開発されたサイドチェーン・インフラストラクチャー。Binance Chainの名称はBNB Chainに改名されているため、現在はBNB Application Sidechainと呼ばれている。
dHealth Networkは、2021年3月29日にローンチされたヘルスケア分野に特化したレイヤー1プロトコルであり、シンボル(Symbol/XYM)のハーベストを行なっていたユーザーに対して独自トークンであるデジタルヘルスポイント(Digital Health Point/DHP)が無料配布されたことなどでも知られています。
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dHealth Networkが直面している課題
同プロジェクトでは証明書やサプライチェーンの追跡などに最適であることから「Symbol」のプロトコルが使用されていますが、今回の発表では、dHealth Networkの現状について『流動性やユーザーベースが限られており、SymbolでdAppsを構築する開発者を惹きつけるのが難しいといった課題に直面している』と説明されています。
また、Symbol上で発行されるトークンである"モザイク"を取引するための分散型取引所(DEX)がないことも課題として挙げられており、分散型自律組織(DAO)としてのヘルスプランや成果ベースの払い戻しなど、ヘルスケアやブロックチェーンアプリケーションではスマートコントラクトの機能が不可欠であるとも説明されています。
AppChainの追加でスマートコントラクト機能を
「AppChain」の追加はこのような複数の課題について慎重に検討した結果決定されたことであるとのことで、『これによってdHealthの独立性を犠牲にすることなく、スマートコントラクトの能力を得ることができる』とされています。
dHealth Networkは今回の中で『プロセスを加速させるために非常に評判の高い技術・実装チームと提携したことを発表できることを嬉しく思う』とも述べており、『これがdHealth Networkにとって大きな前進になることを確信している』ともコメントしています。
最初は3つのアプリを展開し、ブリッジも構築
なお、新たに追加されたAppChain上で展開される最初のアプリケーションとしては以下の3つが挙げられており、「ネイティブDHP」を「BEP20でラップされたDHP」に変換するためのブリッジも提供して、スムーズな取引を実現する予定とも説明されています。
・ELEVATE(Move-2-Earnアプリ)
・Organ Donor Card(臓器ドナーカード)
・Dental Benefits Plan(歯科特典プラン)
今後のさらなる開発・発展に期待
dHealth Networkは公式発表の中で「ヘルスケア業界により良いサービス提供するために常にプラットフォームの改善に努めている」と述べていますが、それと同時に「私たちは市場が求めているほど迅速にソリューションを提供できていないことを認識している」とも語っています。
ディーヘルス関連のニュースは主流メディアではあまり報じられておらず、仮想通貨DHPの価格は一時的に0.2円付近まで下落していたため、一部ではプロジェクトの今後を不安視する様子も見られていましたが、今回の発表ではdApp開発促進に向けた活動を続けていることが報告されており、『来週さらにエキサイティングなニュースをお伝えすることを楽しみにしている』とも説明されているため、今後の更なる開発や発展には期待が高まっています。
dHealth財団創設者「チェーン移行の噂は誤解」と説明
(追記:2023年4月15日)
dHealth Foundationの創設者であるEberhard Scheuer氏は2023年4月15日に、dHealth NetworkのDiscordの中で『dHealth Networkが現在のSymbolベースのチェーンから移行するという噂があるが、これは誤りである』と説明を行いました。
同氏は今回投稿の中で『AppChainはdHealth Networkを補完して、必要となるスマートコントラクト機能を提供するものだ』と説明しており、『Symbolベースのネットワークを停止する計画はない』とも語っています。
dHealth Networkが現在のSymbolベースのチェーンから移行するという噂がありますがこれは誤りです。新しい「AppChain」は現在のdHealth Networkを補完し、必要となるスマートコントラクト機能を提供します。
また、新しいユーザーやプロジェクトをコミュニティに参加することになり、dHealth Networkとそのコミュニティに利益をもたらすでしょう。
Symbolベースのネットワークを停止する計画はありません。ただし、dHealthがどのように進化するかはコミュニティ次第です。「ネットワークとDHPトークンの採用・実用化」は基盤技術に関係のない包括的な目標です。
両方のチェーンがDHPトークンを使用している・供給量が変更されていない・新しいネットワークのトークンがリリースされないという事実もこれを裏付けています。
将来を予測することはできませんが、私たちは依然として「ヘルスケアは分散化とトークン化によって変革される可能性がある産業である」と確信しています。
仮想通貨DHPは発表後に30%近く価格上昇
仮想通貨DHPの価格は2023年4月14日時点で0.5円付近まで下落していたものの、今回の発表後には一時的に0.75円付近まで価格が上昇しており、記事執筆時点の価格は「1DHP=0.69円」となっています。