休眠状態だったビットコインクジラが「10年ぶりの資金移動」合計90億円相当の送金

by BITTIMES   

ビットコイン(BTC)を約10年間に渡って大量保有し続けていた大口保有者(クジラ)が、この数日間で約90億円相当のビットコインを別ウォレットに移動させていることが「Lookonchain」の報告で明らかになりました。

2023年4月25日には「12年間取引されていなかった巨額のビットコインが移動された」ということも報告されています。

2日間で合計90億円以上のビットコイン移動報告

ブロックチェーンのオンチェーンデータ分析を行っている「Lookonchain」は2023年4月20日に、9.3年間に渡って6,071.5BTC(約239億円相当)を保有し続けていたクジラ(大口保有者)が、記事執筆時点の日本円換算で約81億円に相当する2,071.5BTCを外部アドレスに移動させたことを報告しました。

このクジラはビットコイン価格が663ドル(約89,000円)だった時に6,071.5BTCを受け取っていたとのことで、2,071.5BTCは「bc1q(*1)」で始まるアドレスに送金されたと報告されています。

(*1)「bc1q」から始まるアドレスは、Native SegWit Address(ネイティブセグウィットアドレス)と呼ばれるアドレスに該当します。ビットコインのアドレスには「Legacy・SegWit・Native SegWit」などの種類があり、Native SegWitは"送金速度が早く、手数料も安い"という特徴を備えています。

9.3年間休眠していた6,071.5BTC(約1億7,800万ドル相当)を保有するクジラが、本日2,071.5BTC(約6,070万ドル相当)を外部に移動しました。その2,071.5BTCは「bc1q」で始まるアドレスに送金されました。

クジラは2013年12月19日、ビットコイン価格が663ドルだった時に6,071.5BTCを受け取っています。

また、2023年4月21日には、10年間に渡って1,128BTC(約42億円相当)を保有していたクジラが、日本円換算で約10億円に相当する279BTCを3つのアドレスに分割して移動させたことも報告されています。

このクジラが保有していた1,128BTCは、ビットコイン価格が12ドル(約1,600円)だった2012年10月と、195ドル(約26,000円)だった2013年5月に受け取ったものだとされています。

10年間休眠していた1,128BTC(約3,160万ドル相当)を保有するクジラが、先ほど279BTC(約780万ドル相当)を3つの新しいアドレスに転送しました。

このクジラは、ビットコイン価格が12ドルだった2012年10月と195ドルだった2013年5月に1,128BTCを受け取っています。

12年休眠状態のビットコイン移動報告も

(追記:2023年4月25日)
ビットコインを大量保有しているクジラの動きはさらに活発化してきているようです。上述のように20日・21日には合計90億円以上に相当するビットコインが移動されていましたが、4月25日にはさらに多くのBTC移動が報告されています。

Decrypt」の報告によると、2023年4月25日には記事執筆時点で約14億7,000万円に相当する合計400BTCが移動されたとのことで、「このビットコインは約12年間取引されていなかった」とも報告されています。

ビットコインの取引が初めて行われたのは2009年1月12日(ビットコインの生みの親サトシ・ナカモトが、暗号技術者のハル・フィニー氏に10BTCを送金)であり、現在はこの取引からまだ14年しか経過していないため、今回送金されたBTCが初期の頃から保有されていたものであることがわかります。

ここ数日間で報告されているBTC巨額送金では「9〜12年間ほど取引が行われていなかったビットコインが移動された」と報告されていますが、Decryptの取材に応じたアナリストは『巨額送金は定期的に行われているものの、10年間移動されていなかったBTCが移動される事例はそれほど多くない』と語ったとも伝えられています。

ビットコインの巨額送金、考えられる理由は?

仮想通貨を大量保有しているクジラの動きには毎年注目が集まっており、長期間に渡って動きのなかったクジラの資金移動は特に注目される要素の1つとなっています。これは暗号資産取引所などに大量の仮想通貨が送金された場合、大規模な売却などで価格にも大きな影響が出る可能性があるためです。

ビットコインが暗号資産取引所に巨額送金された場合には「取引所でそれらのBTCを売却して法定通貨に変える」「取引所でそれらのBTCを他の仮想通貨に交換する」など複数のアクションが行われる可能性があると予想されますが、最近では"原因不明の暗号資産流出被害"が多発しているため、今回の送金については「ビットコイン盗難の被害を避けるための資金移動の可能性がある」との見方も出ています。

"原因不明の暗号資産流出"とは「MyCrypto」のCEOであるTaylor Monahan氏によって2023年4月18日に報告されたもので、『2022年12月以降に11以上のチェーンで5,000ETH以上と未知数のトークン・NFT・コインが流出しているが、まだ誰も原因を特定できていない』ということが報告されています。

この資産流出で注目すべき点は「初心者ユーザーではなく、早期参入していた熟練ユーザーのウォレットから資金が盗み出されている」という点で、場合によっては仮想通貨ウォレットを復元するための復元フレーズや秘密鍵が既に大量流出している可能性も考えられるため、仮想通貨業界では「各種重要情報の自己管理徹底」や「情報漏洩済みの可能性があるウォレットからの資金移動」など注意喚起も行われています。

なお、"原因不明の資産流出"に関しては「MetaMaskの脆弱性の可能性」「BraveとMetaMaskの組み合わせによる問題」など様々な憶測が飛び交っていますが、MetaMaskとBraveは『メタマスク固有の問題ではない』『Braveとの固有の関連性は確認されていない』と発表しています。

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